サンダウン級機雷掃討艇
基本情報
種別機雷掃討艇
運用者 イギリス海軍
サウジアラビア海軍
エストニア海軍
サンダウン級機雷掃討艇(英語: Sandown-class minehunter)は、イギリス海軍が運用する機雷掃討艇の艦級。計画名はSRMH(英語: Single Role Minehunter)であった。建造費は4600万ドル(10番艇の場合)[1]。 イギリス海軍では、1979年よりハント級掃海艇の運用を開始していた。これは船質をガラス繊維強化プラスチック(GFRP)とし、またPAP-104機雷処分具による機雷掃討システムを採用するなど、設計・装備の両面で刷新されていた。しかし比較的大型の掃海・掃討両用艇であり、またFRP艇としては過渡期の設計を採用していたこともあって、建造費は3,000万ポンド(約100億円)に高騰してしまった。このため、当初は24隻の建造が予定されていたものの、最終的な建造数は13隻にとどまった。このことから、同級を補完するため、深深度海域での係維掃海能力に特化した鋼製艇と、掃海能力を省いたFRP製の掃討専用艇(Single Role Minehunter; SRMH)の組み合わせが計画された。このうちの後者として建造されたのが本級である。なお、前者として建造されたのがリバー級掃海艇であった[2]。 本級の設計は1983年にヴォスパー・ソーニクロフト社に対して発注され[3]、ネームシップは1985年8月28日に発注された[1]。 船型としては中央船楼型が採用された。掃海艇では船首楼を設けて高くしているのに対して、乾舷を最低限として、低速時に艇首が風に落とされないようにしたものである。また艇尾に重いフォイト・シュナイダープロペラを備えていることから、水線幅を広げて容積を十分に確保している。船質は、ハント級と同様にGFRPとされた。しかし同級では木製船殻構造を踏襲した横肋骨方式とされていたのに対し、本級では、GFRPの特性を活かすとともに建造コストの低減を図り、外板はMR-FRPの単板、また船底を縦式構造、船側および甲板を横肋骨構造としたコンバインド構造が採用された[4]。成形手法としては、インフュージョン成形の一種であるSCRIMP工法が用いられた[1]。 主機関としては、パクスマン・ベンチュラ 電源としては、パーキンスV8-250Gディーゼルエンジン(335馬力)を用いたモーズレイ発電機を3セット搭載する[3]。 掃海艇情報処理装置としては、本級向けとして新開発されたNAUTIS 機雷探知機としては、プレッシー社の2093型が搭載された。これは船底装備式と可変深度式を兼ねたものであり、12ノットまで曳航可能である。捜索用としては80キロヘルツを使用して最大探知距離1,200メートル、分解能1.5度の性能を発揮できる。
来歴
設計
装備