サンズ・オブ・アナーキー
ジャンル犯罪ドラマ
原案カート・サッター
『サンズ・オブ・アナーキー』(Sons of Anarchy)は、アメリカ合衆国のドラマシリーズ。カリフォルニアの架空の町「チャーミング」を舞台とした、違法武器売買を手掛けるバイカー集団を描いた物語である。
2008年から放映。2014年12月にファイナルシーズンとなるシーズン7が終了した[1]。日本ではHuluにおいて『サン・オブ・アナーキー』として、シーズン7まで配信された。DVD版では原題と同じ『サンズ・オブ・アナーキー』に訂正されている。
2018年からスピンオフ作品が公開されている。本作に登場する別のバイカークラブ「マヤンズ」を主役とし、本作の後年を描く。日本では『マヤンズ M.C. ?サンズ・オブ・アナーキー外伝?』の題でDisney+において配信された。 カリフォルニア州チャーミングを拠点とするバイカークラブ「サンズ・オブ・アナーキー」レッドウッド支部("Sons of Anarchy Motorcycle Club, Redwood Original"、SAMCRO)と、他のバイカークラブ、ギャング、マフィア、麻薬カルテル、そして警察やATFなどの司法機関といった敵対組織との激しい闘争を描く。SAMCROは表向きは修理工場を営みながら裏ではIRAと繋がり武器密売で活動資金を稼いでいる。また警察機構に規模を拡大されては困る立場から、チャーミングの大きな発展を阻みもする。 アメリカ国内各地のみならず国外にも支部を持つバイカークラブ「サンズ・オブ・アナーキー」のレッドウッド支部(名称は初代総長ジョン・テラーが創設地「チャーミング」の名を好まず「レッドウッド」を冠したことによる)。各支部の中でもっとも最初に立ち上げられた支部であり、物語の途中からは本部と呼称するようになる。IRAと銃取引の関係がある。方針決定の際は総長が強権を振るうのではなく正式メンバー各人が平等に一票を持つ投票制を採る。
概要
登場人物
SAMCRO
ジャクソン・“ジャックス“・テラー
演 - チャーリー・ハナム / 声 - 森川智之SMACROの副総長。創設メンバーであり初代総長のジョン・テラーを亡父に、同じく創設メンバーで現総長のクレイを継父に持つ。弟トーマスがいたが先天性心疾患により夭折しており、そのときジェマと折り合いが悪くチャーミングを離れがちだったジョンの帰宅が弟の末期に間に合わなかったことを今でも恨んでいる。機転が利く上に行動力もあり、長期計画を練る知恵も持つが、劇中様々な人物から短気と評価されている。高校時代に付き合っていたタラへの想いを持ち続け、後に結婚する。ジョンが遺したマニフェスト「道を見失ったSAMCRO」を読んだことをきっかけに、SAMCROの活動を合法的なものへ導こうとする。元妻ウェンディとの間に長男アベル、タラとの間に次男トーマスを儲ける。
ジェマ・テラー・モロー
演 - ケイティ・セイガル
クラレンス・“クレイ”・モロー
演 - ロン・パールマン / 声 - 屋良有作総長。最年少の創設メンバーであったが、現在は老境のため関節炎を患っておりバイクに乗り続けるため注射を打っている。立場上SAMCROを優先して冷酷な決断も下すが、身内を守ろうとする意識も強い。しかし根本にあるのは己の金銭欲であることをジャックスから指摘されている。パイロット版ではスコット・グレンが演じていたが、シリーズ製作が正式決定した際にクレイのキャラクター性が変更されたためパールマンが起用され、再撮影が行われた[2]。
ボビー・マンソン
演 - マーク・ブーン・ジュニア
ハリー・“オピー”・ウィンストン
演 - ライアン・ハースト / 声 - 森田了介ジャックスの幼馴染で親友。爆破技術に長ける。5年の刑期を務めた後はSAMCROを脱退しており、妻のドナからは現役メンバーとの付き合いも絶つよう望まれていたが、経済的な苦境に加えてジャックスからの要請もあり、苦悩の末に復帰する。総長就任を決意したジャックスから副総長になって支えてほしいと望まれていたが、ジャックスの身代わりとなって殺害される。
パイニー・ウィンストン
演 - ウィリアム・ラッキング / 声 - 辻親八オピーの父で創設メンバー。肺気腫を患っているため酸素供給チューブを身につけている。ジョンの親友で、彼と同じくベトナム戦争への従軍経験がある。ジョン亡き後は副総長を務めた。若手のジャックスが副総長の地位に就いているのは、彼が成長した時点でパイニーが地位を譲ったことによる。
アレクサンダー・“ティグ”・トレガー
演 - キム・コーツ / 声 - 浦山迅総長クレイの護衛隊長を務める。SAMCROへの高い忠誠心を持つ一方で怒りに我を忘れることが多く、それがしばしばSAMCROの危機を招く。倒錯的な性癖を持っていることを会話の端々にうかがわせる。タコマ支部のコジックとの間に禍根があり、彼がSAMCROへ移籍を求めた際はただ一人だけ断固として反対した。「彼女にしたことは許せない」「俺も彼女を愛していた」などと長期に渡って言い争うも、具体的に何があったかは劇中示されない。ただし最終的にはミッシーという名の犬を巡っての諍いであることが示唆される。
フィリップ・“チブス”・テルフォード
演 - トミー・フラナガン / 声 - 拝真之介元IRAのスコットランド人。そつなく任務をこなし医療知識も持つが、プロの外科医であるタラほどの技量は持ち合わせない。総長となったジャックスから護衛隊長を任じられ、ボビーが副総長を辞すと後任となる。IRAの同志であったジミー・Oに追放されて妻子まで奪われた過去を持つ。両頬に大きな傷痕があり、これは演じるフラナガンがかつて暴漢に襲われて負った本物の怪我の跡だが、劇中ではジミーに負わされた怪我という設定である。
キップ・"ハーフサック"・エップス
演 - ジョニー・ルイス / 声 - 関口雄吾見習いメンバー。様々な雑用、単純な肉体労働などを押し付けられ、恋仲になった娼婦に目の前で客を宛がわれるなど精神的にも扱かれている。元海兵隊員でイラク戦争に派兵されており、ニックネームの"ハーフサック"は戦傷で睾丸を片方失っていることに由来する。その根性を認められ、見習い期間の満了を待たずして正式メンバーへの昇格が内定するが、アベルを守ろうとして刺殺される。
カルロス・“ジュース”・オーティス
演 - テオ・ロッシ / 声 - 山本兼平電子記録の入手を得意とする。書類上の人種登録はヒスパニックだが実父は黒人であり、黒人の在籍を認めないSAMCROに秘密にしている(すでに有名無実化している掟なのだが、SAMCROにしか居場所がない本人は重く受け止めている)。口が堅いとしてクレイに重用されたことから、ジャックスを失墜させようとするクレイの暗躍を知る立場となり、両者の板挟みになる。
ハッピー・ローマン
演 - デヴィッド・ラブラバ拷問担当。粗暴な人物ではないが殺人を楽しんでおり、人を殺すたび身体にスマイルマークのタトゥーを刻んでいる。元はタコマ支部のメンバーで当時からSAMCROと親しく、SAMCROに移籍を希望した際は全会一致で歓迎された。演じるラブラバはヘルズ・エンジェルス所属の本物のバイカーであり、本作では当初テクニカル・アドバイザーとしての雇用だった[3]。
ビッグ・オットー・デラニー
演 - カート・サッター / 声 - 荒井勇樹服役囚。刑務所内でもSAMCROのために行動し、罪を重ねて死刑囚となる。妻ルアンが殺害されると犯人への報復をSAMCROに依頼するが、カルテルの抗争の渦中にあったSAMCROの応対が遅れたため、検察に証言情報を渡す。演じるサッターは本作の原案・脚本・製作総指揮を務めている。
レニー・“ピンプ”・ヤノヴィッツ
演 - ソニー・バージャー / 声 - 宮崎敦吉創設メンバー。ATF捜査官を複数殺害して服役している。咽頭癌により声帯を失っておりシャント発声で会話を行う。娼婦を扱う商売知識に長けているため、SAMCROがポルノ撮影事業に関わるにあたってジャックスが面会に赴いて知恵を借りている。演じるバージャーはヘルズ・エンジェルスの創設メンバーであり、オークランド支部(最初の支部である)で総長を務めていた。また実際に10年以上の服役経験も持っている。
エリック・マイルズ
演 - フランク・ポッター場の空気を読めない様子を垣間見せるが、見習い期間を務めあげて正式メンバーに昇格する。ジュースがSAMCROを裏切っていることを知るが、ジュースと揉み合う最中に射殺され、生き残ったジュースの偽証により自身が裏切り者として扱われてしまう。
フィルティ・フィル・ラッセル
演 - クリストファー・ダグラス・リード / 声 - 三瓶雄樹恰幅が良いマイルズの同期。