サロン・ド・テ
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

この項目では、さまざまな文化圏で茶を売る店一般について説明しています。イギリスの喫茶文化に基づいて英語圏で紅茶を提供する店については「ティールーム」を、日本にかつて存在した茶などを出す店については「茶屋」を、コーヒーや紅茶を売る日本の店については「喫茶店」をご覧ください。
ニュージーランドのシャンティタウンヘリテージパークでティーが提供される様子モスクワのティーハウス , 2017

ティーハウス(英語: teahouse)またはティールーム(英語: tearoom)は主にお茶と軽い食事を提供する施設である。茶店、茶館、茶屋、茶房、茶寮などと呼ばれることもある。ティールームは特にアフタヌーンティーを提供するホテルに併設されている部屋を指すこともある[1]。役割は環境や国々によって様々であるが、ティーハウスの中には時にコーヒーハウスのような社会的交流の中心的な役割を担うものもある。

いくつかの文化は自国の喫茶文化に応じて異なるお茶の施設の形もある。例えば、イギリスアメリカティールームでは様々な小さなケーキと共にアフタヌーンティーを提供する。
アジア
東アジア上海豫園の夜のティーハウスヤズドのティーハウス
中国語文化圏「中国の茶の文化」および「茶餐廳」、および「茶楼」も参照

東アジアにおいて、を出す店は中国では茶館(中国語版)(中国語: 茶館)と呼ばれ[2]、伝統的に客にお茶を提供する場所である[3]広東のティーハウスは茶樓と呼ばれ、点心を提供する[4]。こうしたティーハウスは「庶民の気楽な交際の場」としての役割を果たしている[5]

茶が社交で好まれる飲みものとして扱われる以前は、仏教徒瞑想の補助として茶を飲んでいた[6]中国人仏教を取り入れた200年から850年までの間、茶は薬効のあるハーブとして導入された[7]。その当時、茶は眠らないために必要なエネルギー(例えば脳を刺激するものであるカフェインの効果)を与えることにより、仏教徒の僧の瞑想に役立つものとして発展していった[7]。そのあとすぐ、以前は牛乳や水をベースとした飲みものが飲まれていたが、その代わりに茶がごく普通の飲みものとして社会に広められた[7]。そして中国のティーハウスは8世紀から9世紀の間、中国人に新しい社交生活を提供した[7]

台湾では1980年代頃からタピオカティーを出す店が存在しており、その後広く普及した[8]
日本詳細は「喫茶店」、「茶屋」、「お茶屋」、および「茶室」を参照

日本では近代以降に発達した茶を出す店は喫茶店と呼ばれている。ティーハウスを指してかつて使われていた「茶屋」という言葉は日本では古めかしいとされている[9]。しかし「茶屋」という言葉は京都において芸妓が芸を行い顧客を楽しませる場所を指し、今でもなお使われている[10]
韓国

韓国には茶葉を使う茶のみならず、薬草や果実などを使った茶も好まれており、ソウル特別市などにはそうしたさまざまな茶と軽食を出す店が多数存在する[11]ビルマのティーハウスの付け合わせ
東南アジア
ミャンマー

ミャンマーでラペイエザン (??????????????) として知られているティーハウスは、国中の主要都市の必需品である[12]。イギリスの植民地だった時代に初めて現れたこれらのティーハウスはミルクティーを提供し、そしてモヒンガーのような母国の食事からパラーターやプリのようなインドのフリッター、またはパオズ油条のような中国の粉物まで幅広い料理を提供する[12]。こうした茶の店は伝統的に座談を楽しむサロンに似た会場を提供していた[13]。かつてはほぼ男性だけが利用していたが、女性が利用できるところも後に増えた[14]
ヴェトナム

ヴェトナムには中国式・日本式・ヴェトナム式の茶を出すさまざまなタイプの店があり、茶と菓子を売る屋台もある[15]
南アジア
インド

インドにはペルシア系移民が作ったイラニ・カフェ(イラン式カフェ)がムンバイを中心に多く存在し、チャイと軽食を出していたが、20世紀半ばの最盛期に比べるとこうした店の数は大きく減っている[16]。イギリスの植民地であったため、英国式の茶を出すティールームも各地に多数存在し、西洋風の菓子だけではなくインド風の食べ物も一緒に出すところもある[17]
パキスタン

パキスタンパンジャーブ地方にはドゥード・パティ・チャイと呼ばれる、牛乳・茶・砂糖を沸かして飲むやり方のお茶を出す店がある[18]
バングラデシュ

バングラデシュには、コンデンスミルク砂糖を入れた茶と菓子類を一緒に売る小規模なお茶の屋台がたくさんある[19]
イスラーム文化圏「アラブの茶文化」も参照
ウズベキスタン

ウズベキスタンでは茶を飲ませる店は「お茶の部屋」を意味するチャイハナと呼ばれており、もっぱら男性の社交場である[20][21]。しばしば開放的な屋外に座席が設置されている[21][22]ウズベク・ソビエト社会主義共和国時代はソビエトの政治理念を広めるために図書室などが設置された「赤いチャイハナ」も出現した[20]
アフガニスタン

アフガニスタンにおいて茶を出す店であるチャイハナはいたるところに存在し、男性の社交場として重要視されている[23]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:67 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef