サルペードーン(古希: Σαρπ?δων, Sarp?d?n)は、ギリシア神話の人物で、小アジアのリュキア地方の王である。長母音を省略してサルペドンとも表記される。
ポイニーケー王アゲーノールの娘エウローペーとゼウスの子で、ミーノース、ラダマンテュスと兄弟[1][2][3][4][5][6]。ホメーロスの叙事詩『イーリアス』では、ベレロポーンの娘ラーオダメイアとゼウスの子[7]。クレタのディクテュスはラーオダメイアとクサントスの子としている[8]。トロイア戦争ではグラウコスとともにリュキア勢を率いてトロイアを救援し、ギリシア軍と戦った[9][10][11][12]。 サルペードーンは他の兄弟とともにクレーテー島の王アステリオス
神話
ミーノースとの対立
その後、サルペードーンのもとにパンディーオーンの子リュコスが亡命し、それまでテルミライ呼ばれていた人々はリュコスにちなんでリュキア人と呼ばれるようになったという[14]。
トロイア戦争ヨハン・ハインリヒ・フュースリーの1803年の絵画『サルペドンをリキュアに運ぶ死と眠り』。
トロイア戦争が起こるとサルペードーンはトロイアの味方をして戦った。ギリシア軍はサルペードーンに協力を得ようとしたが、それより先にプリアモスは莫大な報酬によってサルペードーンを味方にしたともいわれる[15]。
『イーリアス』初日、サルペードーンはロドス島の武将トレーポレモスと戦い、左太腿に深手を負いながらもトレーポレモスを倒した。トロイア軍がギリシア軍の防壁を攻撃したさいには同盟軍を指揮し、グラウコスとアステロパイオスを副将とした。サルペードーンはアテーナイの武将メネステウスが守備する場所に攻撃を仕掛け、脅威を感じたメネステウスは大アイアースに助けを求めた。