サルサ_(音楽)
[Wikipedia|▼Menu]

サルサ(音楽)
様式的起源
マンボボンバジャズ、ソン
文化的起源1960年代
アメリカ合衆国、ニューヨーク
使用楽器サックス、トロンボーン、トランペット、コンガ、ティンバレス、ベースドラムボンゴなど
融合ジャンル
ティンバ
関連項目
本文参照
テンプレートを表示

サルサ(Salsa music)はラテン音楽の一ジャンルである。

リズムの基本となるのは南米音楽特有の「クラーベ」という単位である。クラーベのリズムは一般的に2-3(ツースリー)、3-2(スリーツー)と言われるリズムで、一般的に2(ツー)はシンコペートされた2拍目と3拍目のみ、3(スリー)は4拍子を三連符のリズムでクラーベスの音を出す。その二つでワンセットの「クラーベ」という単位になり、そのクラーベのリズムにベースやピアノが加わり、コンガ、ボンゴ、ティンバレスなどのパーカッションや、トランペットなどのホーンセクションが加わって構成されていく。

加わる楽器や演奏形態は、ソンやモントゥーノ、ルンバ、グアヒーラ、ボレロなどリズムによって変わる。クラーベとはスペイン語で基本・鍵と言う意味で、楽器のクラーベは2本1セットで演奏するためクラベスと言う。
歴史サルサのリズムを生むクラベス 拍子木の一種である。

サルサのルーツは、1930年代のキューバ音楽、ソンルンバから発展したものとされている。直接的には、1960年代のニューヨークにおけるプエルトリコ人やキューバ人のコミュニティ内で、ラテン音楽に、ジャズソウルロックなどの要素を取り入れたものを発祥とする説、さらにその後1970年頃までにニューヨークで確立されたものをサルサの発祥とする説が有力である。
由来

サルサに直接影響を与えた音楽はキューバのソン[1]である。これはスペインアフリカの影響を受けた音楽で、もともとはキューバ東部のオリエンテ州に原型があり、1910年代後半にはキューバ全土に広がった。

1920年代から30年代にかけて、禁酒法が施行されたアメリカ合衆国からの観光ブームも手伝って、ソンがキューバで大変な人気を博し、多くの楽団が演奏した。1930年4月26日、キューバ出身のドン・アスピス率いる楽団がニューヨークのパレス劇場でショーを開催して大好評となったことでレコード会社が録音し、1931年には「エル・マニセロ(南京豆売り)」が当時としては異例の百万枚の大ヒットとなった。ここから、「ルンバ・エイジ」と呼ばれる1930年代のルンバの大ブームが起こった(この時名付けられたルンバとは、社交ダンスのスタイルを意味するルンバであり、キューバにあるアフリカ系音楽のルンバのことではない)。

キューバの他の音楽ジャンルも多かれ少なかれソンの影響を受け融合し、様々な亜流のソンが誕生して変質していった。その中でも1940年代には、ソン・モントゥーノが人気となる。ソンの中のモントゥーノ(コールアンドレスポンス)のパートを強調して、よりアフリカ的な色彩を強め、トレスに代わってサックストランペットピアノが楽団の編成に加わるようになった。かつてのソンの楽団の編成はセステート(6人編成)、あるいはセプテート(7人編成)であったが、1940年代になるとキューバの楽団は大規模になった。

ジャズに影響を受けた大規模な編成でミュージシャンらがデスカルガ(ジャムセッション)を繰り返す中、ソン・モントゥーノのリズムからマンボが生まれた。1944年にはアンセルモ・サカサスが「エル・マンボ」を録音し、メキシコシティではペレス・プラードが1949年に「マンボNo.5」を録音するなど、1940年代はラテン音楽の主流がマンボへと移っていった時期である。この時期ニューヨークでは、アルセニオ・ロドリゲスやフェリックス・チャポティーン、マチート、ティト・プエンテらが、大規模な楽団をそれぞれ率いて、パラディウム・ナイトクラブを拠点に活躍。そのスピード感とダイナミックなサウンドで、マンボは一大ブームとなった。

第二次世界大戦後の1940年代後半になると、ニューヨークにはヒスパニック系移民が爆発的に増加した。50年代に入ると、チャランガ編成によるチャチャチャパチャンガもキューバから導入され、様々なスタイルのキューバ由来の音楽が存在した。
1960年代

キューバ革命が1959年に起こり、1961年1月にアメリカ合衆国とキューバの国交が断絶すると、ニューヨークにはキューバの楽団はほとんどいなくなり、代わりにプエルトリコ系のミュージシャンらが優勢を占めるようになった。大規模な楽団は姿を消し、ヒスパニック系の若者にはアフリカ系アメリカ人のコミュニティから生まれたR&Bドゥーワップソウルミュージックの人気が高く、従来のポピュラーなラテン音楽の人気は下火となっていた。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:36 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef