サリー(Surrey [?s?ri])は、イングランドの南東部に位置するカウンティで、ロンドン近郊のホーム・カウンティの一つ。サリー州(the county of Surrey, Surrey county)とも呼ばれる。グレーター・ロンドン、ケント、イースト・サセックス、ウェスト・サセックス、ハンプシャー、バークシャーに隣接する。
歴史的なカウンティ・タウンはギルフォードである[1]。サリー州議会(英語版)はライゲート(英語版)ウッドハッチ・プレイス (en) に置かれるが、2020年までは域外[注 1]のキングストン・アポン・テムズに所在した。
ロンドンのうち、ランベス、ウォンズワース、サザークの各特別区の領域は1889年まで、クロイドン、キングストン、マートン、サットン、バーンズ、リッチモンドの各特別区の領域は1965年までサリーの一部であった。
サリーはロンドンへの通勤圏で、「中流階級の中で比較的裕福な人が住む場所」というイメージを抱く人が多い。たとえば、『ハリー・ポッター』の主人公の家(ハリーの叔父・叔母の家であるダーズリー家)はサリーの瀟洒な住宅街にあるという設定になっている。
マグナ・カルタの調印地として知られるラニーミード、ジョナサン・スウィフトのパトロンであったウィリアム・テンプルが造り上げた庭園ムア・パーク(英語版)などがあり、南隣のウェスト・サセックスとの境界線上には立教英国学院がある。 サリー州内を管轄地域とする緊急事態対応機関は以下の通りである。 ラニーミードは1215年のマグナ・カルタの調印が行われた地として有名である。 ギルフォード大聖堂
エマージェンシー・サービス
サリー州警察
サウス・イースト・コースト・アンビュランス・サービス(英語版) - 州内にアンビュランス・ステーションが21ヶ所ある。
サリー・ファイア&レスキューサービス(英語版) - 州内24ヶ所に消防署を置く。
SURSAR(英語版) - 警察署を拠点に、捜索救難サービスを提供する。
名所
ソープパーク(英語版) - テーマパーク
チェシントン・ワールド・オブ・アドベンチャーズ(英語版) - テーマパーク
ブルックランズ博物館
クランドン・パーク(英語版) - 旧邸宅
ローズリー・パーク(英語版) - 旧邸宅
ハッチランズ・パーク(英語版) - 旧邸宅
ギルフォード大聖堂(英語版) - イングランド聖公会の大聖堂
ダプデュン波止場(英語版)
オークハースト・コテージ(英語版)
ポレスデン・レイシー(英語版)
デビルズ・パンチ・ボウル(英語版)
ムア・パーク(英語版)
ロイヤル・ホロウェイ - ロンドン大学を構成するカレッジ
映画や小説におけるサリーH・G・ウェルズのSF小説『宇宙戦争』に登場する火星人の戦闘機械「トリポッド」を模したオブジェ
1898年に発表されたH・G・ウェルズのSF小説『宇宙戦争』では、実在するサリー州の特定の町や村をモデルにしたと推測される描写が多数登場する。火星人が最初に着陸したウォーキングの北に位置するホーセル公有地(英語版)は実在の場所である。物語の語り手はロンドン方面へ避難を開始するが、その際、まずバイフリート(英語版)を通り、次にウェイブリッジ(英語版)を渡った後にテムズ川北岸沿いに東へ進んでいる。ジェーン・オースティンの小説『エマ』において、エマがミス・ベイツを当惑させる有名なピクニックの場面はボックス・ヒル(英語版)で起きている。『銀河ヒッチハイク・ガイド』に登場するフォード・プリーフェクトは、サリー州ギルフォードの出身であると自称するが、実際はベテルギウスに近い小さな惑星からやって来た宇宙人という設定である。ジュリアン・ストックウィンが著した海洋冒険小説『トマス・キッド』シリーズに登場する主人公のトマス・ペイン・キッドは、初めはギルフォード生まれのカツラ職人の青年だったが、ある日突然、強制徴兵されたことを契機に立派な水兵へと成長していく。