サムライせんせい
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サムライせんせい
ジャンル
タイムスリップコメディー
漫画
作者黒江S介
出版社リブレ出版→リブレ
掲載サイトクロフネZERO
クロフネ
レーベルクロフネコミックス
発表期間2013年11月28日 - 2020年10月25日
巻数全8巻
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画
ポータル漫画

『サムライせんせい』は、黒江S介による日本漫画。幕末から現代にタイムスリップした侍・武市半平太が、現代文明に困惑しながら、学習塾の先生として慕われるコメディ[1]

2013年11月28日よりpixivコミック内の『クロフネ』(旧『クロフネZERO』、リブレ)にて連載が開始[2][3]。2019年7月からは『クロフネ×LINEマンガ』での先行配信となり[4]、2020年10月25日まで連載された[5]

2015年10月23日から12月12日までテレビ朝日系でテレビドラマ化された。また、 2018年11月16日に実写映画が公開された。
制作背景

リブレの編集者が黒江S介にスポコン漫画を依頼したが、黒江がスポーツに詳しくないので「得意分野である幕末なら」と描くことになった。本格的な幕末ものだと読者がついてこられないだろうとの配慮でタイムスリップという題材を足してライトな作品になった。坂本龍馬のような有名どころは他の作品で使いつくされているので、堅物の武市半平太を主人公にしたという[6]

龍馬は「アザ」というあだ名になっているが、実際の龍馬の写真を拡大するとほくろがある。また武市はあごがしゃくれていたが眉目秀麗だったことなど実在の人物は史実を踏まえて描いている[6]。歴史考証家の山田順子が監修として協力している[7]

2020年10月25日をもって連載終了。黒江は2018年ごろから終わりに向けてまとめに入ったとツイッターでコメントしている[8]
あらすじ

尊王攘夷公武合体かで国論が揺れていた幕末期、失脚して、投獄の身であった土佐勤王党盟主の武市半平太がふと目覚めると、そこは何故か平成の日本であった。見慣れぬ周囲の文物に驚きさまよううち、学習塾を経営する温厚な老人・佐伯に助けられる。

佐伯の好意によって佐伯家に居候することになった武市は、塾の生徒たちが誘拐される事件で犯人を倒し、生徒たちを救出。佐伯の孫の寅之助とサチコは、武市をマスコミの目から守ろうとするが、事件の噂を聞いたライターの楢崎梅太郎こと坂本龍馬が佐伯家を訪れ、旧友の武市と久しぶりに再会。武市は一刻も早く元の時代に帰ることを望んでいたが、坂本から5年も帰れずにいること、元の時代では武市も坂本も死ぬ運命にあると知って落胆する。

交通事故で記憶喪失になった青年土井哲三は清掃業で働いていたが、ひょんなことからアクション俳優養成所にスカウトされ、そこで俳優を目指すナオキとその父親伊達小次郎と知り合う。土井が裏方で参加したヒーローショーで、会場の崩落事故が発生。土井は瓦礫を叩き割り、閉じ込められていた子供たちを救出する。土井哲三の名に思い当たるところがあった楢崎は養成所の土井を訪ね、彼が岡田以蔵だと確信するが、本人に打ち明けることをためらいその場を去る。

武市は塾の生徒たちと東京に行き、ヒーローショーを見物。武市はショーのスーツアクターの一人を見て、ある人物を思い出す。ショーのあと、武市はホストの伊達小次郎に声をかけられる。伊達は自分が海援隊のメンバーだった陸奥陽之助と打ち明ける。

楢崎と再会した武市は、夜道で喧嘩する土井を見かけ、諫める。土井は断片的な記憶が蘇り、武市を「先生」と呼ぶ。土井はプロダクションから謹慎処分を受ける。武市たちは、土井に人斬りだった過去を思い出させないよう配慮して、佐伯家に引き取る。

クリスマスイブの日、佐伯家に楢崎や伊達が集まり、パーティが開かれる。その夜、武市は土井の様子から記憶がほとんど戻っていることに気付く。武市は土井に岡田以蔵だったころ、捕縛された岡田に自白させまいと自害や服毒を画策したことを打ち明け、自分を恨んで自白したかと問う。土井は自白することが侍らしくある方法だった、武市を師として尊敬していると答える。武市は師として誇らしいと思うと返し、両者のわだかまりが解ける。

その後、武市は元の時代に戻れるかとときどき外で横になってみるが、やはり帰ることはできない。武市は塾の生徒たちから「サムライせんせい」と慕われ、龍馬、以蔵、陸奥とともに今の時代で生きていく。
登場人物
幕末の人物
武市半平太(たけち はんぺいた)
この物語の主人公。なぜか幕末(正確には元治の時代)の土佐から150年後の田舎の公道の橋の上にてタイムスリップしてきた武士。妻の富子に見送られ、投獄され、獄中で眠っている時にタイムスリップした。150年後の日本に驚き、トラブル[注 1]を起こして倒れていたのを佐伯に救われる。以後、佐伯の家に居候しながら佐伯学習教室に通う地元の小学生を指導する塾講師となる。を結い、佐伯から借りた羽織姿で生活している。生徒誘拐事件後はサチコの勧めで人目につかないよう中折れ帽を被って外出する。竜馬(梅太郎)から「アギ[注 2]」と呼ばれる。【過去】土佐山内家の下士で剣術道場の指導者。藩命により竜馬たちと江戸に上り、鏡心明智流桃井春蔵道場で剣術の修行をする。実力を認められ、塾頭となる。国の将来を憂い、土佐勤皇党を結成。佐幕派の吉田東洋などを部下である土佐勤皇党員を使い排除して、藩内での主導権を握る[注 3]。あることを境に、山内土佐守家中居留守組の地位から投獄される身に落ちた。
楢崎梅太郎(ならさき うめたろう) / 坂本竜馬(さかもと りょうま)[注 4]
東京在住のフリーライターで楢崎梅太郎の名で活動している。佐伯塾の誘拐事件現場にサムライ姿の男がいたという噂を追って、佐伯家を訪ね、武市の前で坂本竜馬と名乗り出る。武市より5年前から現代に来ていたが、タイムスリップしたのは武市の死後。佐伯家に世話になっていた時期があり、小学生時代の寅之助とサチコを知っている。髷を落とし、眼鏡に洋服姿で現代生活にすっかり馴染んでいる。寺田屋襲撃事件後に両手に傷を負い、左手の人差し指が動かない状態だったが、平成の医療技術により回復した経験から、タイムスリップしたことを前向きにとらえている。右目近くや口元と目元頬の左側にほくろがある。土佐弁で話す時は一人称が「アシ」。武市のことを「半平太」や「アギ」と呼ぶほど親しい関係で、武市からも「アザ」と呼ばれる。【過去】武市とは親戚で性格は正反対だが、子供の頃からの腐れ縁。自費で江戸遊学して北辰一刀流を学ぶ。武市たちと再び江戸で剣術修行をした際、山本琢磨のトラブルを解決するため、武市と協力して山本を逃がした。海援隊の創立者。
土井 哲三(どい てつぞう) / 岡田以蔵(おかだ いぞう)
平成の新宿で交通事故に遭って病院に運ばれたが、記憶喪失になった青年。無口で大柄な体格の男。名前を聞かれて頭に思い浮かんだ土井 哲三を名乗る。全身に拷問で受けた傷がある。退院後は福祉事務所の世話で、清掃業で働いていたが、たまたま見たヒーローショーで悪役俳優を投げ飛ばしたのをきっかけに、アクション俳優養成所に入る。ステージ崩落事故で救出活動を行ったのをきっかけに、竜馬からタイムスリップした岡田以蔵と気づかれる。武市によれば寒暖や痛覚を感じない疾患の持ち主。【過去】武市の門弟の愛弟子で無口で武骨な下士。武市たちと江戸で剣術修行をする。のちに「人斬り以蔵」と呼ばれる。脱藩して土佐勤皇党と袂を分かち、竜馬を頼って「土居鉄蔵」の変名をもらう。その後捕縛され、ひどい拷問を受けた末に土佐勤皇党と自ら行った天誅について自白し、土佐勤皇党を壊滅に追い込んだとされる。
伊達小次郎 / 陸奥陽之助
東京のホストクラブで働く美青年。ナオキの母親とは内縁関係にある。上京してきた武市に声をかけ、陸奥陽之助と名乗り出る。【過去】紀州藩を脱藩して以降、亀山社中および海援隊のメンバーで竜馬の側近秘書官測量官だった。武市とは一度しか面識がないが、尊敬の念を抱いている。竜馬の暗殺を見聞きしている。
その他の人物(幕末)
武市富子
武市半平太の妻。子を授からないことを夫と共に気にしかけていた。獄中のそばに傍らでいる富子の幻影を見た武市は自身が招いた災いを彼女に迷惑至極をかけたことを後悔する。夫の武市から「富」と呼ばれている。
山本琢磨(やまもと たくま)
竜馬と同い年の従兄弟で、武市の親戚関係。武市半平太とともに江戸の剣術修行先にて、岡田以蔵といた時、泥酔して町人の胸ぐら掴んで絡んだ田那村を諫めようとしてうっかり抜刀する。町人の金時計を売り飛ばした罪で切腹させられそうになったが、武市たちの支援で江戸から逃走した[注 5]
田那村 作八
桃井春蔵道場の弟子で旗本の息子。武市たちを「土佐っぽ風情」と馬鹿にしている。酔って町人に絡んだ後、拾った金時計を琢磨を名乗って売り飛ばし、琢磨を窮地に陥れた。
21世紀の平成の現代人
佐伯(さえき)
眼鏡をかけた温厚で小柄な老人。元歴史の教師で、
学芸員の経歴をもつ。150年後の平成に右往左往する武市を保護し、現代の生活などを指導し、自宅で経営する佐伯学習教室の講師をまかせた。その経歴と人柄で地元では慕われている。
佐伯 寅之助(さえき とらのすけ)
佐伯の孫。金髪[注 6]ピアスのヤンキー男子高校生。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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