サヘル
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この項目では、アフリカ中西部の地域について説明しています。

イラン出身の日本のタレントについては「サヘル・ローズ」をご覧ください。

ブルキナファソの地方については「サヘル地方」をご覧ください。

チュニジアの東海岸のサヘル地方については「サヘル地方 (チュニジア)」をご覧ください。

チュニジアのサヘル地方を本拠地とするサッカークラブについては「エトワール・サヘル」をご覧ください。

サヘル(: Sahel)とはサハラ砂漠南縁部に広がる半乾燥地域である。主に西アフリカについて用いられるが、場合によりスーダンアフリカの角の諸地域を含める事もある。語源はアラビア語の????(s?hil、岸辺の意)。サヘル諸国のことをサハラ南縁諸国ともいう。《Sahel strip》アフリカ、サハラ砂漠南縁に沿って東西に広がる帯状の地域。もとは草原地帯だったが、砂漠化が進んでいる。サヘル地域。
概要

サヘル地域は北のサハラ砂漠より比較的湿潤で、半乾燥草原から灌木の茂るサバナへの移行地帯にあたり基盤は脆弱なものの緑に覆われた土地であった。そのため語源が示す通りサブサハラ世界の北岸として、サハラ砂漠を縦断するサハラ交易を通じガーナ王国マリ帝国カネム・ボルヌ帝国などの国家が繁栄し、歴史的に「スーダン」と呼ばれた地域の中核的な役割を果たしてきたのである。しかしその後は深刻な砂漠化やサハラ交易の衰退などの問題に直面している。

現在サヘル地域に存在する国家は西から順に、セネガルモーリタニアマリブルキナファソニジェールナイジェリアチャドスーダン南スーダンエリトリアである[1]

サバクトビバッタが発生しやすく、しばしば蝗害による飢饉に陥ることがある。2004年には西アフリカ一帯でサバクトビバッタの大量発生 (2004年)(英語版)が生起し、地域に甚大な被害をもたらした。

主に、ミレットやソルガム、トウモロコシ等の穀物を育てている。灌漑施設が殆ど普及していないため、雨水に頼っている。
環境

水資源土壌の肥沃性に問題があるため、サヘル地域の耕地としての生産性は高くない。雨季を中心に年間150mmから500mmの降雨量があるが、年により大きな差があり、またサヘルが砂漠であった12500年前頃に砂丘の働きで形成された土地はアルミニウム濃度の高い酸性土壌で、窒素リンに乏しいためである。この問題に関して、サヘル地域の降雨量と大西洋ハリケーンの関連が指摘されている[2]
移牧

この地域の南北を比較すると、北に行くにつれて乾燥が進むものの土壌養分が増すという特徴がある。サヘルではこの特性を利用して、雨季は土地の肥えた北部で放牧するが乾季になると豊富な牧草を求めて湿潤な南部まで時には数100kmにも至る大移動を行う、移牧による持続力のある半農半牧の生活が古くから営まれてきた。しかし現代では肥沃な地域を中心に定住化が進み、こうした放牧民との対立が表面化している。
気候エネディ山地はサヘルとサハラの境界に位置する

サヘルは地理的には熱帯、気候区分では乾燥帯ステップ気候ケッペンBSh、砂漠気候からサバナ気候への移行部)である。気候は年間を通して一般的に暑く晴天で乾燥しており、やや風が強い。サヘルの気候は、すぐ北に位置するサハラ砂漠の気候に似ているが、そこまで極端ではない。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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