サバン・エンターテイメント(Saban Entertainment, Inc.)は、アメリカ合衆国にかつて存在したテレビ番組の製作・配給会社。イギリス[1]、スペイン、ドイツ[1]、イタリア[1]、フランス等にもオフィスが存在した[1]。社名は創設者のハイム・サバンに因んでいる[2]。
数多くの日本製テレビ番組を輸入し、東映の「スーパー戦隊シリーズ」をローカライズした「パワーレンジャーシリーズ」が大きな成功を収めている[3]。権利を所有していた番組の数は6500本以上にも及ぶ[4]。1990年代には米国第2位の子供向け番組制作会社となり[5]、世界最大手の子供向けテレビ番組制作会社に数えられた[3] ハイム・サバンとシュキ・レヴィにより[6]、1984年に設立[3](1983年とも[7][8])。当時の社名はサバン・プロダクションズ(Saban Productions)で[9]、1988年、サバン・エンターテイメントに改称。当初はサバン・インターナショナル・パリの子会社であった[10]。1997年の時点ではパリとロサンゼルスの二箇所に本社があったが[2]、アメリカでの事業が拡大したことにより、サバン・パリは子会社化された[10]。 設立当初はカリフォルニア州バーバンクに本社があったが、1995年にウエストウッドに本社を移転[11]。 当初はサバン・パリと同様に音楽事業を中心に活動[10]。音楽出版権の確保と引き換えに無償でアニメーション制作会社に音楽を提供することで[7]、事業の基盤を築いていき[12]、1989年には最大手の音楽制作会社の数えられるようになった[13]。 1985年から映像作品の制作も手がけるようになり、最初の制作作品である『Kids Video』は70以上の国で放送される成功作品となった[14]。1986年に保有していた音楽作品の権利をワーナー・コミュニケーションズに600万ドルで売却[15]。1988年から映像作品の配給業務も開始[13]。 1993年から放送された『パワーレンジャー』が歴史的なヒット番組となり[3]、同作の人気のピークだった1994年には[7]、サバン社の利益は5億ドルを超えたと言われている[16]。 『パワーレンジャー』の大ヒットなどを受けてフォックス放送からサバン社に4億ドルで買収の提案が入るが、サバン側は拒否[13]。それを受けたはフォックス側は、同社の子供向け番組放送枠を運営するFox Kids Networkとサバン社の合併を提案[13]。サバン社は1995年(1996年とも[3])にFox Kids Networkと合併[17]し、FOXキッズ・ワールドワイド(後のFOXファミリー・ワールドワイド)となり[3]、サバン社は連結子会社となった[14]。 1996年にフォックスグループを統括する持ち株会社のニューズ・コーポレーションがニューワールド・コミュニケーションズを買収したことからニューワールドが権利を有していたマーベル・コミック関係の番組の権利を得る[18]。 自社製の番組を一番人気の子供向け番組放送枠であるFox Kidsで放送することで利益の効率化を図り[7]、1999年8月14日から放送された『デジモンアドベンチャー』が放送枠内でトップの視聴率を記録するなどして[19]、成功を収めている[7]。 2001年10月24日にFOXファミリー・ワールドワイドがウォルト・ディズニー・カンパニーによって買収されたことにより[4][3]、ディズニー傘下となりBVSエンターテイメントに社名変更、引き続きテレビ番組の製作・配給を業務とする[8]。 1986年、DICエンターテイメントから同社の子供向け番組のアメリカ国外における権利を買収後、その権利をDIC社の創設者であるジャン・シャロピンの会社であるC&Dに売却[15]。
概要
DICエンターテイメントとの訴訟問題