サハリン-2 プロジェクト
国ロシア
地域サハリン州
陸上/海上海上
運営者サハリン・エナジー
サハリン2(露: Сахалин-2、サハリン・ドゥヴァ)プロジェクトとは、サハリン州北東部沿岸に存在する石油および天然ガス鉱区と関連する陸上施設の開発プロジェクトの名称。サハリン・エナジー(英語版)がプロジェクトのオペレーターを務める。
このプロジェクトにおいて、ロシアで初めて天然ガス液化プラントが建設された。このことはロシアのエネルギー政策上重要な意味をもち、後、ガスプロム社が強引にサハリン・エナジー社の株式を取得した理由のひとつとされている[1]。事業本体は100%外資である(#経緯)。なおプラント建設工事は2003年日本の千代田化工建設、東洋エンジニアリングがロシア企業と共同で受注した[2]。
サハリン-2は、それまでほとんど人の手がはいったことのない地域で行われているため、この開発が環境へ与える悪影響を非難する団体などもある[1]。 大陸側のニギリ、デカストリを経由してコムソモリスク・ナ・アムーレに繋がる石油パイプラインは1942年から稼働している(オハ油田)[3][4]。 鉱区はサハリン島(樺太)東北部沖のオホーツク海海底に存在する。原油は約11億バーレル、天然ガスは約18兆立方フィートの推定可採埋蔵量が推定されている。鉱区は主にピルトン(弁連戸 べれんと)・アストフスコエ (Piltun-Astokhskoye)鉱区とルンスコエ(呂郷 ろごう) (Lunskoye) 鉱区に分かれる。前者は主に石油が、後者は天然ガスが埋蔵されていると見られる。2009年2月18日、サハリン-2プラント稼働式典へ出席した(右から)日麻生首相、英アンドルー王子、露メドヴェージェフ大統領、蘭フーフェン
概要
サハリン-2プロジェクトの鉱区は下記: ピルトン-アストフスコエ-A鉱区では、モリクパック(Molikpaq)という、洋上で石油やガスを掘削・生産するプラットフォーム(可動式掘削装置)が稼働している。モリクパックは元々カナダ北極圏ボーフォート海での氷海石油探査用に石川島播磨重工業が建造したものであり、カナダから移送され1998年9月サハリン島アストフ鉱区海岸から16kmの位置に設置された[5]。モリクパックの生産能力は原油日量90000バレル、ガス170万立方メートルである ⇒[2]。 2006年6月ルンスコエ鉱区の沖合15kmにあるガス田にプラットフォームが設置された。天然ガス5000万立方メートル、日量5万バレルの液体(水とコンデンセート)と1万6000バレルの石油を生産する能力がある[6]。 2007年7月、ピルトン-アストフスコエ油田の沖合12kmにあるピルトン地区にPA-Bプラットフォームが設置された。PA-Bの生産量は、原油日量7万バレル、ガス280万立方メートルである[7]。 陸上処理施設は、サハリン島北東部内陸7kmのノグリキ地区にあり、ルンスコエとピルトン-アストフスコエからの天然ガス、コンデンセートを処理し、サハリン南部アニワ湾(亜庭湾)にある天然ガス液化プラントにパイプライン輸送するための施設である[8]。
ピルトン-アストフスコエ-A プラットフォーム(モリクパック、PA-A)
ルンスコエ-A(Lun-A)
ピルトン-アストフスコエ-B(ロシア語版) プラットフォーム(PA-B)
陸上処理施設
トランス・サハリン・パイプライン
石油輸出ターミナル
LNG プラント ⇒[1]
ピルトン-アストフスコエ-A
ルンスコエ-Aルンスコエ-A(Lun-A)海上プラットフォーム
ピルトン-アストフスコエ-B
陸上処理施設
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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