サッファーフ
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サッファーフ
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カリフ

在位750年1月25日 - 754年6月10日
別号アミール・アル=ムウミニーン
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全名アブー・アル=アッバース・アブドゥッラー・イブン・ムハンマド・アッ=サッファーフ
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出生722年
ウマイヤ朝、レバント属州、フマイマ村
(現 ヨルダン
死去754年6月10日(33歳没)
アッバース朝アンバール
(現 イラク
埋葬 イラク、アンバール
配偶者ウンム・サルマ
子女ムハンマド
ワイタ
家名アッバース家
王朝アッバース朝
父親ムハンマド・イブン・アリー
母親ライタ・ビント・ウバイドゥッラー
宗教イスラム教スンナ派
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アブー・アル=アッバース・アブドゥッラー・イブン・ムハンマド・アッ=サッファーフ(アラビア語: ??? ?????? ??? ???? ?? ???? ??????‎、Abu al-`Abb?s `Abdu'll?h ibn Mu?ammad as-Saff??、722年[1][2] - 754年6月10日)は、アッバース朝の初代カリフ(在位:750年1月25日 - 754年6月10日)。

通称(クンヤ)はアブー・アル=アッバース(Abu al-`Abb?s)。称号(ラカブ)のサッファーフ(as-Saff??)は「惜しみなく注ぐ者」「財を与える者」を意味し、即位の時に行ったフトバ(説教)に由来する[2][3]。また、サッファーフという言葉には「血を流す者」という意味もあり、サッファーフが大規模な粛清を行ったこと[4]ウマイヤ家の残党狩りに熱心だったことから[2][5]、そうしたラカブが付けられたとする説もある。

即位後にサッファーフは内外の敵から勝利を収め、跡を継いだ兄マンスールによる国家体制構築の基盤を作り上げた[5]。しかし、国家は安定した状態に置かれていたとは言い難く、北方の領土はしばしばビザンツ帝国の攻撃に晒されていた[6]
生涯
即位前

アブー・アル=アッバースは、アッバース家の家長ムハンマド・イブン・アリー・イブン・アブドゥッラーフと、ハーリス家のライタ・ビント・ウバイドゥッラーの子としてヨルダン南部のフマイマ村で誕生した[1]。アブー・アル=アッバースの前半生は不明確である[5]

743年にムハンマド・イブン・アリー・イブン・アブドゥッラーフは没し、彼の跡を継いだ長子でアブー・アル=アッバースの兄にあたるイブラーヒームはウマイヤ朝打倒の運動を開始した[1]ホラーサーン地方に派遣されたダーイー(宣教師)のアブー・ムスリムは現地で蜂起し、ホラサーニーと呼ばれる軍隊を率いてイラクに向けて進軍した。748年にウマイヤ朝によってイブラーヒームが投獄された後、アブー・アル=アッバースは兄のアブー・ジャアファルをはじめとする親族とともにイラクのクーファに避難する[7]

749年9月にホラーサーンの革命軍はクーファに入城し、誰が新しいイマーム(指導者)となるかが問題になる[3]シーア派の要人アブー・サラマはシーア派の人物をカリフに選出することを望んだが、アブー・サラマらホラーサーンの革命軍はアブー・サラマに先んじてアブー・アル=アッバースをカリフに推戴してバイア(忠誠の誓い)を行い、アブー・サラマもやむなくアブー・アル=アッバースの即位を認める[3]。アブー・アル=アッバースの即位の経緯については、四代目正統カリフアリーが伝えた「黄色の書」にまつわる異説がある[8]。アブー・アル=アッバースの父ムハンマドが保管していた「黄色の書」にはアッバース革命における出来事が正確に予言され、クーファ制圧後に「黄色の書」を確認した将軍ハサン・ブン・カフタバは、初代カリフとなる人物が持つ「カリフの徴」をアブー・アル=アッバースの背中に見つけたため、ただちにバイアが行われたといわれている[9]。「黄色の書」にまつわる逸話はアブー・アル=アッバースを預言者ムハンマドになぞらえるための後世の創作であり、アッバース革命が武力による簒奪ではなく神の意思に基づいたものと仄めかす意図があったと考えられている[10]

11月28日、アブー・アル=アッバースはクーファの金曜礼拝で行ったフトバ(説教)で革命に協力した人間に褒賞を約束し、フトバの中で自らを「サッファーフ」と称した[2][11]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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