サッカー選手の代表資格
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本項目では、サッカー選手ナショナルチームの一員(代表)として活動するための資格について記す。

サッカー国際競技連盟である国際サッカー連盟 (FIFA) は、選手が公式な国際大会(FIFAワールドカップなど)や国際親善試合で特定の国を代表する資格があるかどうかを決定する規則を維持および実施する責任を有する。

20世紀、FIFAは選手がその国の市民権を有している限り、選手が任意の国の代表チームに所属することを認めていたが、一部の国で外国人選手が活動国に帰化国籍を変更する傾向が高まっていることに対応して、FIFAは2004年に、選手が代表として活動したい国との「明確なつながり」を示すことを求める新たなルールを策定した。 FIFAはその権限を利用して、代表資格のない選手を起用した国際試合の結果を覆した。
歴史

歴史的にみると、かつてサッカー選手は複数のナショナルチームで活動することが可能であった。例えば、アルゼンチン出身のFWアルフレッド・ディ・ステファノアルゼンチン代表(1947年)、コロンビア代表(1949-52年、当時はFIFA未公認 [1])、スペイン代表(1957年-1961年)と3カ国のナショナルチームでプレーした経験を持つ[2]

ディ・ステファノのレアル・マドリード時代のチームメイトであるFWフェレンツ・プスカシュも、キャリアの初期にハンガリー代表として85キャップを獲得した後、スペイン代表としてもプレーした[1]

また、ブラジル出身のFWジョゼ・アルタフィーニ(マゾーラ)は、1958年のFIFAワールドカップスウェーデン大会ではブラジル代表として、その後の1962年のFIFAワールドカップチリ大会ではイタリア代表としてプレーしている[3][4]

そのほか、2つまたは3つの国で代表経験を持つ選手としては、以下のような選手がいる。

エルンスト・ヴィリモフスキポーランド / ドイツ[5]

ジョー・ゲイジェンズ(英語版)(アメリカ合衆国 / ハイチ

ラディスラオ・クバラチェコスロバキア / ハンガリー / スペイン) [1]

ライムンド・オルシ(アルゼンチン / イタリア)

ルイス・モンティ(アルゼンチン / イタリア。2つの異なるチームで別々にFIFAワールドカップ決勝でプレーした唯一の人物)

ホセ・サンタマリアウルグアイ / スペイン)

アルベルト・スペンセルエクアドル / ウルグアイ)

パウリーノ・アルカンタラフィリピン / スペイン

なお、この中には、東ドイツドイツソビエト連邦ウクライナユーゴスラビアクロアチアのように、地政学的影響により国そのものの所属が変わった多くの選手は含まれていない。

この他、非公式な(FIFA未公認の、キャップの対象とならない)国際試合で異なるFIFA加盟国代表としてプレーしたことがある選手として、以下のような選手がいる。

U-20ウルグアイ代表経験を持つダニエル・ブライロフスキー(英語版)は、後にアルゼンチン代表の合宿に参加し、さらに数年後にはイスラエル代表に選出されている。

アルバニア代表経験を持つデバティク・クリー(英語版)は、2014年に行われた親善試合でコソボ代表としてプレーしたが、当時コソボはFIFAおよび欧州サッカー連盟 (UEFA) に加盟していなかった。クリーは後にアルバニア代表に復帰した[6]が、その試合にコソボ代表として出場した他の選手は、コソボがUEFA及びFIFAに加盟した時点で正式にコソボ代表に切り替えた[7]

イギリス生まれのFWバリー・ヘイルズ(英語版)は、ケイマン諸島代表としてMLS所属のD.C.ユナイテッドと対戦後、ジャマイカ代表として国際大会に出場している[8]

イングランド代表のゴードン・ホドソン(英語版)は、その前に南アフリカ代表として2試合の親善試合出場経験を有している。

フランス代表ミシェル・プラティニは、1988年に行われた招待試合でクウェート代表に加わって21分間プレーした経験を持つ[5] [9] [10]

代表資格ルールの策定ナイジェリア代表ソーン・アルコは、U-19イングランド代表としての出場経験を持つ。

2004年1月、FIFAは代表資格に関する新たなルールを定めた[11]。具体的には、選手が21歳の誕生日の前に申請した場合に限り、選手が代表資格の対象国を変更することを可能とするというもので、このルールを最初に申請したのは、2004年アテネオリンピックサッカー男子予選を兼ねたU-21欧州選手権予選U-21フランス代表として活動した経験を持つ、アルジェリア代表アンター・ヤヒアだった[12]


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