サッカー文化
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サッカー文化(サッカーぶんか)とは、サッカーフットサルビーチサッカー等の様な「手の使用が極端に制限されているフットボール競技」(蹴球)に関する大衆文化の一種のことである。

また、言葉の用法としてはその国や地域などにおいてサッカー単体がスポーツ競技として、人々から長い年月に渡って幅広く親しまれているという意味を込めて使われる場合もある。サッカー競技が成熟した社会。
組織
統括組織

統括組織は国際サッカー連盟(FIFA)を頂点にその傘下に属する欧州サッカー連盟(UEFA)等の様な6つの大陸連盟と、更にその傘下に属する200以上の国と地域単位で組織された各サッカー協会によって構成されている。また、FIFAに加盟している各サッカー協会は必ず、当該大陸の大陸連盟にも同時に加盟している。例えば、日本のサッカー競技を統括している日本サッカー協会(JFA)はアジアサッカー連盟に加盟している。ただ、例外的に政治的な問題などの理由でFIFAに加盟していない国や地域もごく少数ながら存在している。

なお、FIFAや大陸連盟の他にも、東アジアサッカー連盟の様に周辺の各国サッカー協会で組織された地域連盟も世界各地に存在している。しかし、こちらは大陸連盟の管轄ではなく、FIFAの直接的な管轄下となっている。
選手協会

各サッカーリーグごとに、サッカー選手の立場からの意見を発信する事などを目的に、プロサッカー選手を会員とした選手協会が設立されている場合がある。Jリーグにおける選手協会はJリーグ選手協会(JPFA)である。なお、イングランドのプロフットボール協会(PFA)の会員による投票によって決められる「PFA年間最優秀選手賞」と「PFA年間最優秀若手選手賞」、「PFA年間ベストイレブン」を受賞する事はイングランドでプレーする全ての選手にとっては大変名誉な事である。

また、国際的な機関には国際プロフットボール選手協会(FIFPro)があり、「FIFPro年間最優秀選手賞」や「FIFA/FIFProベストイレブン」などを世界中のプロサッカー選手の投票によって選出している[1]
クラブ連合

FIFAやUEFAへ対抗するために欧州の各クラブによって設立されたのがG-14である。ただ、2008年1月にFIFAやUEFAと和解した為に解散、新たに欧州クラブ協会(ECA)が設立された。
試合

サッカーの試合(公式戦)は、一般的に国際サッカー評議会(IFAB)が国際的なルール策定を行い、サッカーやラグビーなどに使用を限定した球技専用スタジアムやサッカーピッチを備えた屋外多目的競技場などでリーグ戦やカップ戦、対戦する当該チーム同士などによる小規模で主催する練習試合などを通して行われている。また、対戦形式によってはダービーマッチと呼ばれる対戦形式が組まれる事があり、選手やサポーターのみならず、国内外のサッカーファンの注目を集める事もある。なお、試合会場ではマッチデープログラムと呼ばれる出版物が有料や無料の形で提供されている。ちなみに、サッカー界ではFIFAや各大陸連盟が加盟国のナショナルチームやクラブチームの試合結果を基にポイント集計してFIFAランキングUEFAランキングとして発表し、各主催大会の出場枠を決定する判断材料として、利用している場合もある。
日程

サッカーのリーグ戦やカップ戦の競技日程は主に「春秋シーズン制」(例年3月頃-同年12月頃の約10ヶ月間)と「秋春シーズン制」(例年8月頃-翌年5月頃の約10ヶ月間)の大きく2種類に分けられ、更に詳細な競技日程はその国の気候や試合数、FIFAワールドカップなどといった国際大会の有無、他競技との兼ね合い等で決定される。加えて、試合の開催日は隔週の土曜日・日曜日・水曜日のいずれかに1-2試合程度で開催されるのが一般的で、欧州の国々によっては寒冷地での雪や霜によるピッチへの影響や、バカンスの目的でリーグ戦やカップ戦を年末年始の期間に中断して短期間の冬期休暇(Winter Break)を導入している事もある[2]

なお、欧州ではほとんどの国々が「秋春シーズン制」を採用しているが、ロシアなどの極めて厳しい寒冷地域や南米のブラジル、アルゼンチンなどといった国々では主に「春秋シーズン制」を採用している場合が多く、日本国内ではJリーグを始めとした多くのプロアマリーグは「春秋シーズン制」を採用している。

FIFAのゼップ・ブラッター会長がアメリカ合衆国のMLS側に対して、「春秋シーズン制から秋春シーズン制への変更」を促したが、MLS側はカナダや北米大陸の冬場の天候が厳しい事を理由に変更を拒否した事がある[3]。また、ドイツではサッカー専門誌などが現地の厳しい冬場の天候を理由に現行の秋春シーズン制に対して異議を唱えた事もある[4]

また、この他にもFIFAが定める「国際Aマッチデー」(International Match Day)という制度がある。これは、かつて各サッカー協会が選手自身やクラブの都合にあまり関係なく自由に選手を招集してきたものの、1995年のボスマン判決以降は選手の移籍が国際的に行われる様になり、クラブ側が選手に対して払う給料なども高額になった為に、所属先のクラブ側と招集した各サッカー協会の間でトラブルが頻発する様になった[5]

そこで、この様な事態を重く見たFIFAは新たに同制度を設け、年間約10日間前後(約7試合前後)は各サッカー協会が優先的に選手を公式戦や国際親善試合に招集する事を可能にした。なお、この期間内でクラブ側が所属選手の招集を拒否をすると、FIFAから何らかの罰則が下される事があり、クラブ側が各サッカー協会側に公式戦は開催日より5日前まで、国際親善試合は開催日より2日前までに選手を戻さなければならないが、選手がケガなどをした場合はクラブ側に対して金銭的な補償は無い[6]。ただし、各サッカー協会が選手を戻せるのは年間7回までが限度である。
リーグ戦

リーグ戦については、FIFAが承認した国や地域のサッカー協会は傘下に一つだけ、基本的には現地のサッカー協会が管轄・運営するFIFA公認のサッカーリーグを持つ事が許されている。また、それらのサッカーリーグは大抵の場合は男女別に分かれてプロフェッショナルやアマチュアなどの形態で運営されているのが一般的である。なお、FIFAや各大陸連盟の主催するクラブチームナショナルチームの大会にはFIFAが承認した国や地域のサッカー協会に籍のあるチームや選手しか出場する事が出来ない。

なお、野球バスケットボールなどといった他の球技は競技の発祥国であるアメリカMLBNBAが「唯一にして世界最高峰のプロリーグである」と言われているが、サッカー界の場合はサッカー競技の世界的な普及率や歴史、競技団体の構造的な違い等から、いくつかの著名なサッカーリーグが欧州において存在している。特に人気や実力の面で共に世界最高水準にあるとされているのが、スペインのリーガ・エスパニョーラ、イングランドのプレミアリーグ、イタリアのセリエAの欧州主要3リーグで、日本では欧州3大サッカーリーグとも呼ばれている。また、場合によっては上記の3リーグの他にドイツのブンデスリーガ、フランスのリーグ・アンを含めて、欧州5大サッカーリーグと呼ぶ場合もある。
世界の主なサッカーリーグ

名称主催・管轄
スペインラ・リーガLFP
イングランドプレミアリーグ(株)プレミアリーグ
イタリアセリエAレガ・セリエA
ドイツブンデスリーガDFL(1部、2部)DFB(3部)
オランダエールディヴィジKNVB
フランス、モナコ公国リーグ・アンFFF
ブラジルカンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)CBF
アルゼンチンプリメーラ・ディビシオンAFA
日本Jリーグ(社)JリーグJFA
韓国KリーグKFA
中国中国超級CFA

カップ戦

カップ戦選手権大会)には以下の様に男女別に分かれて、主にクラブチームとナショナルチームを対象に幾つかのものがある。

主催・管轄対象チーム主な大会
国内選手権大会各サッカー協会、傘下団体国内のチーム(年齢無制限)天皇杯Jリーグ杯全国高校サッカー選手権
大陸選手権大会各大陸連盟加盟国のチーム(年齢無制限)UEFAチャンピオンズリーグEURO
世界選手権大会FIFAFIFAワールドカップFIFAクラブワールドカップ


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