サスペンデッドゲーム
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サスペンデッドゲーム(: Suspended game、「一時停止試合」「継続試合」とも)は野球ゴルフテニスなどで、競技中の天災、照明設備の故障あるいは照明設備のない競技場における日没、その他施設障害などにより競技の続行が不可能と判断された場合に、審判や主催者の判断で競技をその時点で一時中断し、後日改めて中断する前の時点から再開することである。
野球

2016年現在の公認野球規則 7.02『サスペンデッドゲーム(一時停止試合)』では以下の通り規定されている[1]。a) 試合が次の理由のうちどれかによって打ち切りを命じた場合、リーグは後日これを完了することを条件としたサスペンデッドゲームとなる。
法律による娯楽制限。

リーグ規約による時間制限。

照明の故障またはホームクラブが管理している競技場の機械的な装置(たとえば開閉式屋根、自動キャンバス被覆装置などの排水設備)の故障(オペレーターの過失を含む。)

暗くなったのに、法律によって照明の使用が許されていないため、試合続行が不可能となった場合。

天候状態のために、正式試合のある回の途中でコールドゲームを宣せられた試合で、打ち切られた回の表にビジティングチームがリードを奪う得点を記録したが、ホームチームがリードを奪い返すことができなかった場合。

正式試合として成立した後に、同点で打ち切られた場合。
b) (略)c) 続行試合は、もとの試合の停止された箇所から再開しなければならない。すなわち停止試合を完了させるということは、一時停止された試合を継続して行うことを意味するものであるから、両チームの出場者と打撃順は停止されたときと同一にしなければならないが、規則によって認められる交代はもちろん可能である。従って、停止試合に出場しなかったプレーヤーならば続行試合に代わって出場することができるが、停止試合に一旦出場して他のプレーヤーと代わって退いたプレーヤーは、続行試合には出場することはできない。停止された試合のメンバーとして登録されていなかったプレーヤーでも、続行試合のメンバーとして登録されればその試合には出場できる。さらに、続行試合の出場資格を失ったプレーヤー(停止状態に出場し、他のプレーヤーと代わって退いたため)の登録が抹消されてその代わりとして登録された者でも、続行試合には出場できる。

ただし、日本では「我が国では、サスペンデッドゲームについては、所属する団体の規定に従う。」と注記している。

記録上はサスペンデッドゲームは「一時預かり試合」とみなされ、その試合の各種記録は、試合が再開され、試合終了となるまでは有効とならない(個人記録についても試合終了までは加算しない)。またイニング途中でサスペンデッドゲームとなった場合、点数差によるコールドゲーム延長戦サヨナラゲーム)と同じようにスコアには「x」が一旦付されるが、試合再開とともにそれは削除される。通算の対戦回数については、サスペンデッドゲームが試合終了となるまでは「○回戦預かり」と表現される。例えば、6回戦がサスペンデッドゲームとなった場合、停止された試合が再開され終了するまでは「6回戦預かり」と表記され、次に同じカードで試合をするときは「7回戦」となる。また対戦成績も、サスペンデッドゲームが試合終了となるまでは「1預かり」と表記される。
日本プロ野球

日本野球機構(NPB)の管轄する試合では2012年からは採用していない。

かつてはパシフィック・リーグの公式戦でのみ設定されていた。パ・リーグのアグリーメント(試合協定事項)では、
照明の故障

照明設備のない球場で、日没などにより試合が続行できなくなった時

移動のため、試合続行が不可能となった場合

治安上、試合を打ち切る必要が生じた場合

のいずれかに該当するケースで、審判団・球団との協議で、このルールを適用するか否かを判断する、というものだった。

1966年、パ・リーグは連戦による健康被害の予防と、ナイター設備の拡充などによる試合規定の変更により、ダブルヘッダーによるデーゲーム薄暮開催の第2試合が行われる場合、日没で試合継続が不可能と判断された場合は、サスペンデッドとはしないでコールドゲームとして試合を成立させるとする取り決めがなされた[2]

サスペンデッドにより中断となった試合の続行分は、原則として同一球場で行われる。従って、同一球場での連戦中は翌日予定されている試合、連戦最終日の試合がサスペンデッドとなった場合は次回の同一球場での試合の、それぞれ本来予定されている試合の開始前に行うことになっている。ただし地方球場でサスペンデッドとなり、同一球場で後日の試合開催が予定されていない場合は、特例として他の球場での続行試合が認められる。

しかし1994年以降、照明設備のない球場では適用されないこととなり、その結果、前項1.および2.のケースでは、コールドゲーム宣告の時点で試合終了となり、正式試合として成立していれば、そのときの最終均等回における両チームの得点により勝ち、敗けあるいは引き分けとなる(よって「2.」項でのサスペンデッドは全廃という形となった)[3][4]。3.についても、翌日の試合への移動に支障しうるような日程が組まれるケースが皆無となり(ダブルヘッダー自体が1999年を最後に実施されていない)、4.についても発生の可能性は極めて低いと考えられることから、このルールは同年以降有名無実化した。

一方、セントラル・リーグのアグリーメントにはサスペンデッドゲームの条項は元々設けられておらず、前述のように1994年以降はパ・リーグでも適用事例が無かったことから、2005年から始まったセ・パ交流戦では、当初からすべての試合でサスペンデッドゲームを採用しないことになっていた。またポストシーズンゲームについても、日本シリーズの試合要項にはサスペンデッドゲームは行わない旨が明記されており、2004年から2006年までのパ・リーグのプレーオフ及び2007年からの両リーグのクライマックスシリーズについても同様の扱いとなっていた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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