サスケ_(漫画)
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サスケ
漫画
作者
白土三平
出版社光文社(連載)
講談社(単行本)

その他の出版社
小学館(文庫版)
秋田書店(新装版)

掲載誌月刊少年
レーベル集英社(コンパクトコミックス)
講談社コミックス
小学館文庫
白土三平選集(新装版)
発表号1961年7月号 - 1966年3月号
巻数全15巻(単行本)
全10巻(文庫版)
全8巻(新装版)
話数全55話
アニメ
原作白土三平
脚本田代淳二
音楽田中正史
製作TCJTBS
放送局TBS系列
放送期間1968年9月3日 - 1969年3月25日
話数全29話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『サスケ』は、白土三平による日本漫画作品である。光文社の少年漫画雑誌『少年1961年7月号から1966年3月号まで全55話が連載され、1968年にはテレビアニメ化もされた。
作品解説

白土三平の代表作の一つ。徳川方の刺客達との戦いを通じて、甲賀流の少年忍者・サスケの活躍と成長を描く。かわいらしい絵柄と裏腹に情け容赦のない展開で登場人物が死に、当時の漫画とは一線を画した作品であった。作中で使用される忍術には科学的な解説による種明かしがされており、当時の読者層だった子供にもわかりやすく丁寧に書かれている。雑誌掲載時のタイトルは1961年7月号から1965年2月号までが『サスケ』で第1部にあたり、1965年5月号から1966年3月号までの第2部は『サスケ第2部』となっていた。2部では小島剛夕が作画協力している。

当初は『少年』本誌での連載だったが、1961年12月号より本誌とその付録本に連載する形となる。付録本には本誌の続きが掲載されていた。その後1962年7月号と8月号の複合付録本(他の作家の漫画と併録形式の付録本)『少年漫画ブック』での掲載を経て、付録本での連載となった。1966年1月号から3月号までの最終3話分は複合付録本『少年パンチ』での掲載となっている。

1963年、白土は本作と『シートン動物記』で第4回講談社児童まんが賞を受賞。1968年にはテレビアニメ化され、それと併せてリメイク版が『週刊少年サンデー』(小学館)に連載された(後述)。

2020年、『白土三平自選短編集 忍者マンガの世界』が平凡社より出版された。その中に単行本未収録のリメイク版サスケの予告マンガと、白土が晩年に描いたサスケの習作スケッチ数点が掲載された。
登場人物

声はアニメ版のもの。
サスケと仲間達
サスケ
声 -
雷門ケン坊主人公。父から甲賀流忍術を受け継ぎ、「猿飛の術」「分身の術」「微塵がくれの術」などの忍術を駆使して戦う少年忍者。父と共に様々な強敵と戦い続け、忍者の心技体を磨いていく。生き残るために敵を倒す非情さを心得ているが、やはり素顔は幼さを残す少年であり、死んだ母親に対する思慕の情を強く持ち続けている。第2部では成長し、腹違いの弟・小猿を抱えて放浪する。最終的に、力を貸そうとした農民たちが引き起こした百姓一揆に巻き込まれて小猿を失い、放心状態のままどこかへと姿を消した。
大猿大助
声 - 外山高士サスケの父。真田幸村配下の甲賀忍者。猿飛忍群の一人であり、「猿飛の術」の使い手。サスケにあらゆる忍術を教えるとともに、忍びとしての心構えを説く。素手で暴れ牛の首を折るほどの怪力の持ち主。人間だけでなくイノシシにも化けるなど、変装術にも優れる。幼い頃、忍者にさらわれて忍として育てられたという過去がある。宗教の類は一切信じておらず、神仏に縋るよりも自らの地力を持って生き延びるために努力することが何よりも肝要という現実的な視点を持ち、どんな逆境においても決してあきらめず、追い詰められた末に自らの意志で殉教を選ぼうとするキリシタンたちを鼓舞する強い精神力の持ち主。長い放浪の末にサスケと共にキリシタンの隠れ里に移り住み平穏な日々を過ごしていたが、隠れ里壊滅の際に脱出する人々を手助けする道中に半蔵によって仕掛けられた罠により死亡する。
サスケの母
声 - 平井道子サスケにとっては優しい母であり、大猿にとっては良き妻だったが、大猿を追ってきた服部半蔵の娘に殺されてしまう。アニメ版では、死後もサスケの回想などを通じて登場する。
スガル/若菜
声 - 北浜晴子伊賀抜け忍の住む隠れ里に逃げ込んできたキリシタンの一人。旅の途中で病に倒れた大猿を看病したことがきっかけで大猿と愛し合うようになり、結婚して家族四人で一時幸せな生活を送った。隠れ里壊滅の際は妊娠中で大岩の隙間に隠れて地下水を飲んで生き延びており、サスケの介助で小猿を産んでそのまま息を引き取る。アニメ版ではキャラクター名が「若菜」となっている。
楓/薫
声 - 栗葉子スガルの娘。サスケよりも年上であることもあって精神的にも大人であり、母の面影を引きずるサスケと違って大猿と母の再婚を容認していた。母の再婚によりサスケの義理の姉となったが、隠れ里壊滅の際、半蔵の仕掛けた罠に巻き込まれ死亡する。アニメ版ではキャラクター名が「薫」となっている。
小猿
大猿とスガルの間に生まれた子でサスケの異母弟。第2部最終回において村で起こった一揆の騒動に巻き込まれ行方不明となってしまう。
石猿佐助
声 - 池水通洋猿飛忍群の一人。普段は石工をしている。
石猿の妻(雪)
声 - 平井道子サスケの叔母。サスケの母の双子の妹であるため、サスケの母とそっくりの容姿を持つ。アニメ版ではキャラクター名が「雪」となっており、声をサスケの母役の平井道子が二役として演じている。
石猿の子供達
声 - 雷門ケン坊容姿はサスケとそっくりで、服装にいたっては完全に同一の四つ子。山の中で遭遇した猟師(九鬼一族の一人)を分身四つ身の術でからかったことで一人は撃たれて死んでしまう。アニメ版では、声をサスケ役の雷門ケン坊がサスケと合わせて一人五役でこなしている。さらにアニメ版では、生き残った三人のうちの一人は右目の下にあるほくろで見分けることができる。
赤猿
大猿の仲間である元・忍者。現在は易者と絵師で生計を立てている。
猿飛忍群
声 - 富山敬野本礼三ほか「猿飛」とは人の名ではなく術の名であり、猿飛の術を使う者はみな「猿飛」である。真田幸村に仕える猿飛忍群は同じ顔に変装し、「大猿」「石猿」といった名前で呼び合っている。他にも「赤猿」「土猿」「日猿」「木猿」がいる。
霧隠才蔵
声 - 近石真介大猿の盟友。謎の忍者「霞の小源太」に扮して根来衆に命を狙われた大猿を救う。ヨーヨーや「霧がくれの術」「霧ケシの術」を使う。
サスケの敵
服部半蔵
声 - 納谷悟朗原田一夫(無念)公儀隠密首領。豊臣方の残党狩りに暗躍し、サスケ親子をつけ狙う。いわゆる2代目半蔵。配下の伊賀忍者の反乱により首領の座を追われた後は「無念」と名乗り隠れ里に潜入、幕府軍を呼び込んで隠れ里を殲滅させ、大猿大助を殺害することに成功する。その後、鉄砲隊を率いて切支丹側についた忍者狩りに出る。付近に毒を撒いて潜伏者を炙り出す策略を仕掛け戦果を挙げるが、サスケの逆襲で隊の飲み水にも密かに毒を入れられる。しかし自らの術を過信した半蔵はあくまでも残党狩りに固執して、水不足と仲間割れで隊を全滅させてしまった。そうして気力体力を消耗した挙句に、最後はサスケとの一騎討ちになりついに討ち取られた。(アニメでは無念の正体は明かされず、サスケ親子と協力しキリシタンを幕府の手から脱出させて去る。)「おぼろ影の術」「炎しばりの術」が得意技。
柳生但馬守
声 - 加藤精三柳生忍群の首領。柳生一門の安全と発展のために作られた忍者集団・柳生忍群を使ってサスケたちを追う。柳生忍群は諸国の大名だけでなく、公儀隠密団も恐れる存在。
柳生十兵衛
声 - 市川治但馬守の息子であり、隻眼ながら優れた少年忍者。偶然遭遇したサスケを陰流忍術「くぐつ剣」「くもしばりの術」「分身八つ身の術」で圧倒するが、サスケと石猿の子供達の連係プレーに翻弄され敗退。サスケを自分のライバルと見定め、第2部では再びサスケをつけ狙う。多くの作品で眼帯をつけた剣豪として描かれるが、本作では忍者然としたいでたちで描かれており、眼帯はつけていない。
徳川家康
声 - 根本嘉也江戸城に忍び込んできた猿飛佐助の影におびえ、半蔵と柳生但馬守に猿飛抹殺を命じる。

声 - 来宮良子半蔵の娘。犬よりも優れた嗅覚を持つ女忍者。サスケの母を殺し、山猫の群れを使ってサスケをも亡き者にしようと謀る。サスケの微塵がくれによって右足を失う。
死巻兵馬(しまき ひょうま)
第2部に登場する柳生配下の隠密。十兵衛の命令で謎の浪人や下男・小六に扮してサスケを監視する。サスケとの戦いで左腕を失う。小猿を失って茫然自失のサスケを偶然発見すると、仕返しとばかりに背中に手裏剣を打ち込む。それでも立ち上がるサスケをさらに攻撃しようとするが十兵衛に制止され、何処となく立ち去るのを見届けた。
糸瓜狂之助(へちま きょうのすけ)
声 - 森山周一郎瓜のように長い顔を持つ異貌の剣客。大猿とは剣の腕は互角で、通常の手裏剣では通用しない凄腕。魔壁弾正が主催した御前試合に飛び入りで参加し、大猿と真剣勝負を繰り広げるが、引き分けとなったことで二人同時に家来として召抱えられた。その後、椿カスミの仇討に手を貸そうとする大猿の目論見に気づいてサスケたちを人質に取り一騎討ちを挑むも大猿の使う巨大手裏剣・風車に敗れる。
糸瓜斬死郎(へちま ざんしろう)
声 - 森山周一郎狂之助の弟。剣客の兄とは違い忍者。兄を殺した大猿とサスケに復讐を企む。3本の鎖と鉄球を組み合わせた「微塵」という特殊な武器を使う。大猿の留守中にカスミを人質にとってサスケを待ち構えるが、サスケの虚をついた奇襲と円月剣に敗れる。
九鬼一族(くきいちぞく)
猟師に変装した忍びの五つ子。父・九鬼炎海(えんかい)が大猿に挑戦して倒されたのを恨み、猿飛一族を根絶やしにしようとサスケ達をつけ狙う。火術を得意とする。
鬼姫
声 - 杉山佳寿子九鬼一族の生き残り。まだ幼い少女だが優れた知識と能力を持つくノ一であり、一族を滅ぼしたサスケ親子に復讐すべく執拗にその命を狙う。狼や毒蛇などの動物を操る「闇笛の法」などを用いるほか、爆弾の扱いにも長ける。母親を探す少女キクを名乗って近づき、サスケを亡き者にしようと図った。サスケと忍術合戦を繰り広げ一度は殺されかけるもサスケが躊躇したことで命を救われる。以後も復讐を諦めきれずにいたものの、赤猿に絵の才能を認められ、弟子入りして復讐を忘れる。


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