サスケハナ川
サスケハナ川からハリスバーグのダウンタウンを望む
延長715 km
平均流量1,135 m³/s
流域面積71,225 km²
水源オチゴ湖
サスケハナ川(サスケハナがわ、サスクェハナがわ[1]、Susquehanna River[注 1] [?s?skw??han?, ?s?skw??han?][2])は、アメリカ合衆国北東部を流れる河川。長さは715キロメートルで、東海岸では最も長く、全米でも16番目の長さである。流域はニューヨーク、ペンシルベニア、メリーランドの3州にまたがり、その面積は7万1225平方キロメートルである。河岸にはペンシルベニア州の州都ハリスバーグやウィルクスバリ、ニューヨーク州ビンガムトンなどの都市が立地している。
サスケハナ川は、上流域では北支流と西支流に分かれているが、通常はニューヨーク州中東部のオチゴ湖(英語版)を水源とし、ペンシルベニア州北東部を流れる北支流のほうが本流として見られている。北支流よりも短い西支流はペンシルベニア州西部、アルトゥーナの西約30キロメートルに位置するカンブリア郡キャロルタウンに端を発し、アルゲイニー台地上の農村地帯からウィリアムズポートの市街地を流れ、同州中央部のノーサンバーランド付近で北支流と合流する。合流した2本の川は刻まれた谷間をジグザグに流れながらアルゲイニー山脈を横切り、ペンシルベニア州南部からメリーランド州北東部へと南下し、チェサピーク湾最奥部の入り江に注ぐ。
流路サスケハナ川の流路と流域
サスケハナ川の北支流はニューヨーク州中東部、クーパーズタウンのオチゴ湖を水源とし、酪農地帯を西南西へ流れてシドニーでアナディラ川と、またビンガムトンのダウンタウンでチェナンゴ川と合流する。州境を超えてすぐ、ペンシルベニア州北部のブラッドフォード郡アセンズ・タウンシップでは、北西から流れてくるチェムング川と合流する。アルゲイニー台地上を流れてスクラントンの南西でラッカワナ川と合流し、流路を南西へ変える。ノーサンバーランドではアルゲイニー台地上、アルゲイニー山脈の北麓を流れてきた西支流と合流する。
北支流と西支流との合流点を過ぎ、1本の本流となるとサスケハナ川は谷を刻みながらアルゲイニー山脈を横切り、南下していく。ブルー山地に刻まれた峡谷を過ぎると、川はその幅を広げ、やがてハリスバーグへと達する。ハリスバーグ付近では川幅は1マイル(約1.6キロメートル)に広がっている。ハリスバーグを過ぎると川はペンシルベニア州南中部を南東へと流れ、スリーマイル島を通り、ボルチモアの北東約50キロメートルで州境を超えてメリーランド州へと入る。サスケハナ川はチェサピーク湾の最奥に立地する都市ハバディグレイスでチェサピーク湾に注ぐ。河口には1827年に設置されたコンコード・ポイント灯台が建っている[3]。 地質学的には、サスケハナ川の形成は極めて古く、アルゲイニー山脈が形成される以前、新生代初期にさかのぼるとされている。ハドソン川、デラウェア川やポトマック川と同様、サスケハナ川下流域の平野は中生代には既に形成されていた[4]。最終氷期が終わる前には、サスケハナ川は現在よりもはるかに長かった。しかし、更新世の終わり頃にチェサピーク湾の水位が上がり、もとの河口付近は水没してリアス式海岸の溺れ谷となったため、サスケハナ川も現在の長さになった。 サスケハナ川はアメリカ合衆国の歴史において重要な役割を演じてきた。ヨーロッパ人が入植する以前は、流域にはネイティブ・アメリカンのサスケハナ族が住んでいた。サスケハナというこの川の名前はサスケハナ族にちなんでつけられた。地元の伝説では、このサスケハナという名はネイティブ・アメリカンの言語で「1マイルの幅、1フィートの深さ」を意味するものであったとされているが、アルゴンキン語族の言葉では単に「泥まみれの流れ」[5]、もしくは「曲がりくねった流れ」[6]という意味であった。
地質学的見地
歴史ウィリアム・ペンとレナペ族との土地交渉の様子が描かれた想像画