サザエさん銅像(サザエさんどうぞう)は東京都世田谷区の桜新町に設置されている、『サザエさん』に登場する磯野家・フグ田家一家の銅像である。桜新町駅前に設置されているサザエさん銅像(フグ田サザエ・フグ田タラオ・フグ田マスオ)
桜新町駅出口の3か所とサザエさん通りにある交番前の計4か所に、サザエ(3体)・カツオ(2体)・ワカメ(2体)・タラオ(2体)・マスオ・波平・フネの全12体が設置されている[1]。
設置の経緯『サザエさん』の原作者である長谷川町子(1949年)
桜新町は『サザエさん』の原作者である長谷川町子が晩年を過ごした地であることから「サザエさんゆかりの地」として知られており[2]、サザエさん銅像が設置される以前から長谷川町子美術館などが存在していた。
『サザエさん』の新聞連載開始から65周年を迎えた2011年、長谷川町子美術館とのさらに深い信頼関係と桜新町商店街の振興を目指して建設が決定し[1]、4000万円の設置費用のうち世田谷区、東京都から2800万円の支援を受けて完成した[3]。
銅像は長谷川町子自筆の原画を基に、鳥取県境港市の業者が型枠を作成し、富山県高岡市の平和合金が鋳造した[4][5]。デザインについては「歩行者の安全に配慮したデザイン」を心がけたという[1]。
2012年3月25日、13時から桜新町駅西口で除幕式が行われた[1]。会場付近では銅像の完成を伝えるスポーツ報知の号外が配布され[1]、除幕式には住民ら約1000人が詰めかけた[6]。長谷川町子美術館の川口淳二館長や保坂展人世田谷区長のほか、歌手の水前寺清子ら多数の来賓が出席し、報道陣も多数集まる中、サザエ、マスオ、波平の着ぐるみが初登場したことで会場付近は一時騒然となった[1]。
磯野波平像桜新町駅前に設置されているサザエさん銅像(磯野波平・磯野カツオ・磯野ワカメ・磯野フネ)
サザエさん銅像の中でも、波平の像は2012年の建立以来しばしば髪の毛がなくなるという事件が発生することで特筆性がある。
波平像は高さ約130 cmの青銅製で、頭の毛は約10 cmである[7]。髪の毛にはペンチでも切りにくいステンレス製の高硬度ワイヤが使用されており、頭頂部の穴に差し込む形で固定されている[7][8]。ワイヤーが使用された理由は「他の家族と同じく銅ではたなびく『1本毛』の雰囲気が出ない」「子供が触って、刺さったりすると危ない」ためである[3]。当初は接着剤としてシリコン剤が使用されていたが、3度目の事件が発生したあとはパテ剤へと強化され、根本からがっちりと溶接された[9]。また、ねじは特殊な工具でなければ外せない仕様になっている[8]。