サカグチトリノフンダマシ属
ツシマトリノフンダマシ
分類
サカグチトリノフンダマシ属 Paraplectana は、コガネグモ科に所属するクモの分類群である。トリノフンダマシ属によく似る。 トリノフンダマシ属に似て、丸っこいなめらかな腹部をしている。違う点としては、トリノフンダマシ属の腹部がハート形や幅広い卵形など、真ん中より前で幅が最も広くなっているのに対して、この属ではより丸っこくて、腹部中央付近がもっとも幅広い点である。また、腹部背面の縁に沿って筋点が並んでいる。腹部背面はサカグチトリノフンダマシ
特徴
雄はほとんどの種で未発見。サカグチトリノフンダマシの雄は2010年に発見された。形態は雌に似て遙かに小さく(雌が7-9mmに対して雄は2mm強)、雌に見られる鮮やかな斑紋は見られない。このような性差もトリノフンダマシ属に見られるものと似ている[2]。 知られている限りでは、昼間は葉裏などにじっとしており、夜間に網を張る。網は水平円網で、この点でもトリノフンダマシ属と同じである。 卵嚢は楕円形で短い柄があってぶら下がる。 トリノフンダマシ属とは極めて近縁で、分けるべきかどうかには疑問もあるようである。旧北区・東洋区・エチオピア区から12種が記載されている。日本からは2種が記録されているが、いずれも非常にまれな種で、特にサカグチトリノフンダマシは日本中でいまだ十数個体ほどしか採集されていないという[3]。以下の種が日本から記録されている。それ以外のものについてはこの項を参照。
習性
分類
P. sakaguchii サカグチトリノフンダマシ
P. tsushimensis ツシマトリノフンダマシ
出典^ たとえば新海・新海(2009)、p.74-75。なお、一般的にはテントウムシの模様は赤地に黒斑と思われがちだが、白斑を持つテントウムシは珍しくなく、サカグチトリノフンダマシそっくりのテントウムシは日本に複数種があり、山林では普通である。
^ Tanikawa & Harigae(2010)
^ 新海・新海(2009),p.80
ちなみにこの書ではクモの珍しさをランク付けしてあり、本種は★4つ。これより上のランクはたった1度しか採集されていないものなどである。
参考文献
小野展嗣『日本産クモ類』東海大学出版会、2009年。
新海栄一、新海明『驚きのクモの世界 子供の科学★サイエンスブック』誠文堂新光社、2009年。
A. Tanikawa; T. Harigae. 2010 The first description of a male of Paraplectana sakaguchii (Araneae:Araneidae) Acta Arachnologica. 59(1). pp. 39-41