サウンド・オブ・サンダー
A Sound of Thunder
監督ピーター・ハイアムズ
脚本トーマス・ディーン・ドネリー
『サウンド・オブ・サンダー』(原題: A Sound of Thunder)は、2005年のアメリカ合衆国のSF映画。監督はピーター・ハイアムズ、出演はエドワード・バーンズとキャサリン・マコーマックなど。レイ・ブラッドベリの短編小説『雷のような音(英語版)』(短編小説集『太陽の黄金の林檎』収録)を原作とし、時間旅行が実現した未来の人々が恐竜狩りツアーで起こした小さなトラブルから、地球の歴史が大きくゆがみ始めるさまを描いている[2]。 西暦2055年、科学技術の発展により人類はタイムトラベルの実現に成功する。チャールズ・ハットンの運営するシカゴの旅行代理店TIME SAFARI社は、独自に開発したタイムマシン『TAMI』を使って、白亜紀に赴きその時代の恐竜を狩るという「ハンティング・ツアーサービス」を企画、金持ちの間では一大ブームとなっていた。しかしこの旅行は「白亜紀に自分たちの所持品を放置しない」「白亜紀から何かを持ち帰ってはならない」といった、過去との干渉で歴史を改変してしまう可能性のある危険性の高いツアーであった。 トラヴィス・ライヤーら添乗グループは、そういった事態を引き起こさない為に旅行者の行動監視を行う立場であった。しかし、ある日のツアーの最中にトラヴィスの所持していた液体窒素銃がトラブルを起こし、眼前で暴れまわる恐竜を前に旅行者がパニックに陥るという事態が起きた。なんとか事態の収拾を終えてツアーから戻るも、その日の夜を境に異変が起きる。当初トラヴィスらはただの偶然と思い込んでいたが、ツアーでTAMIが着地時刻の計算ミスを犯した事をきっかけに、先日起きたツアーのトラブルで何らかの形で歴史を改変してしまった事を知る。しかし、その問題も解決策も見つからないまま、政府はTIME SAFARI社の閉鎖を決定する。 一方のトラヴィスらは、TAMIの生みの親でツアーの根幹となっていたソニア・ランド博士を迎え入れて事態の解明を開始。その結果、白亜紀から「1.3グラムの何か」を持ち帰っていたという重大な事実が判明する。それが一体何か、そして誰が持ち帰ってしまったのかを究明し、ツアーで起きたトラブルの時間にタイムトラベルを行い未然に原因を防ごうと動き出すも、歴史を改変してしまったことで発生したタイム・ウェイブと呼ばれる「時間の津波」が立て続けに迫り、人類滅亡の危機が迫っていた。
ストーリー
キャスト
トラヴィス・ライヤー博士
演 - エドワード・バーンズ、日本語吹替 - 堀内賢雄本作の主人公。TIME SAFARI社の社員でツアーの添乗グループのリーダー。生物学・遺伝子工学のスペシャリストでもあり、ライオンなどの絶滅した動物(この作品内では50年前にライオンやサメ等の動物が人類技術の進歩の過程で絶滅したことになっている)の復元手段を独自に研究している。性格は非常に冷静。トラヴィス本人はTAMIから得られた貴重なデータを自身の研究に活かす為にハットンの下で働いているが、傲慢で利益重視の運営を行うハットンには不信感を抱いている。ツアーで旅行者がむやみやたらに液体窒素銃を撃てないようにする為に、全員の銃のセーフティは全て彼の銃で制御されている。しかし、ツアー中に彼の銃の液体窒素漏れが原因で動かなくなるというトラブルが発生し、全員の銃が使えなくなるという事態に陥り、歴史の変動の原因となってしまう。タイム・ウェイブによる歴史の変動の解決を行う為に、ランドの協力を得て最後のタイム・ウェイブ到達前にタイム・トラベルに成功し、歴史変動の原因を未然に防ぐ事に成功したと同時にタイムパラドックスの影響で歴史の変動の時代にいたトラヴィスは消滅する。改変成功後のトラヴィスはジェニーから、ツアーの映像を記録していたレコーダーを手渡され、収録されている内容を2度見た後、TIME SAFARI社のハンティング・ツアーサービスの運営停止告発用の証拠映像としてレコーダーをランドに届けるところで本編が終了する。歴史改変後のジェニーの歴史変動の時代のトラヴィスを撮影したレコーダーには、歴史の変動で起こった悲劇の一部始終が収録されていた。また、変動時代からやって来たトラヴィスは改変後の人たちの視点では、人の形でなく悲劇の光景そのものに見えていた事が表現されている。