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サイバースペース (英:Cyber-space) は、コンピュータやネットワーク上に構築された仮想的な空間のことを指す。サイバネティックス (cybernetics) と空間 (space) を組み合わせた混成語で、電脳空間、電脳世界、仮想空間、仮想世界 サイバー空間、 サイバー世界とも言う。ネットワーク上で人々が現実世界のように交流を持ったり社会的な営みを行ったりする場であることを、物理的な空間に例えた言葉。SF作品などではコンピューターと人間の能力が結び付き、才能が開花するオンライン世界の仮想空間のことを呼称することが多いが、実際にはインターネット環境やインターネットそのものを指す語として用いられる[1]。 サイバースペースという概念は、直接的にはSF作家のウィリアム・ギブスン[注 1]が1980年代に書いた『ニューロマンサー』や『クローム襲撃』といった一連のサイバーパンク小説に由来する[3]。ギブスンが作中で使用したことで世界的に広まり、日本では同シリーズの翻訳を担当した黒丸尚により電脳空間という日本語訳が与えられた。1990年代に押井守や神山健治によりアニメ化された作品が世界的に高い評価を得た士郎正宗の漫画『攻殻機動隊』や20世紀末に大ヒットしたウォシャウスキー姉妹(当時は兄弟)の『マトリックス』などもこの影響下にあり、同じサイバースペースというコンセプトをベースにした作品である[3][4]。 21世紀に入り、サイバースペースはビジネス面、社会システム面の両方から注目されるようになった[3]。2006年にはインターネット上の3次元の仮想世界のなかで、アバター(自分の分身)が他のアバターとチャットをしたりモノを作ったりして遊ぶという仮想空間サービスSecond Lifeが世界的に注目を集めたがその後は苦戦した[5][6]。2020年に起こったコロナ禍で物理的な接触や移動を限定する動きが広がり、なるべくコンピューターやネットワーク上の仮想空間で社会生活を維持しようとする製品やサービスの開発が促進された[3]。
概要