サイバーショット
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サイバーショット シリーズの初代製品、DSC-F1

サイバーショット(Cyber-shot)は、ソニーデジタルカメラ、及び一部カメラ機能を強化したソニー・エリクソン(現ソニーモバイルコミュニケーションズ)携帯電話(下記項目参照)のブランドである。
概要

1996年に初代機、DSC-F1の発売を開始。ソニーのデジタルカメラ製品としてはサイバーショット以外にもデジタルマビカなどの製品があったが、現在ではサイバーショットのブランドで統一されている。記憶媒体は一部でコンパクトフラッシュが併用可能な機種を除けば、ほぼすべての製品でメモリースティックが使用されていた。小型化のためにメモリースティックDuoを使用しているものが多い。しかし、ソニーを除く他社のコンパクトデジタルカメラ向けの記憶媒体がSDメモリーカードでほぼ統一されたため、サイバーショットも2010年発売のモデルよりメモリースティックDuoとSDメモリカードの両方に対応するようになった。

レンズでは元々デジタルビデオカメラハンディカム」用レンズの分野でソニーとの提携が行われているカール・ツァイスのライセンス許諾生産品が使われている。

CCDやCMOS「Exmor」といった撮影素子は基本的に自社で内製している。

ソニーらしい独創性のある機能や、デザインに優れた機種が数多く出されているのも特徴。レンズ自体を回転して自分自身を撮影できたりハイアングル・ローアングル撮影を可能にしたモデル、スティックタイプや掌におさまるくらいの小型モデル、超薄型かつ大型液晶を搭載したモデル、スマートフォンと併用することを前提とした円筒形の小型モデルなど、それぞれ業界初ではないにしても他社に影響を与えた製品は多い。

2005年にはコニカミノルタと提携し、デジタル一眼レフカメラを共同開発すると発表。その後、2006年にコニカミノルタのカメラ・写真関連事業からの撤退に伴い、同社のデジタル一眼レフカメラ製品の資産の一部譲渡を受け、同年夏から「α(アルファ)」というブランド名でシステムを発売・展開することとなったが、コンパクトタイプなどレンズ一体型モデルは引き続きサイバーショットとして展開する。そのため、ソニーのデジタルカメラはサイバーショットとαのデュアルブランドとなっている。

同じ型番であっても、国内向け/海外仕様が存在する。末尾にEもしくはJEが付く。日本国内向け製品のメニューは日本語/英語が選択可能。海外仕様は日本語を抜いた多国語表示となっている。またリージョンによって映像出力形式にNTSC/PAL仕様の違いがあり、付属品も販売国に合わせた物に変更される場合がある。国内では外国人旅行者向け、及び海外在住者向けにオーバーシーモデルを扱う直営店や家電量販店でも購入が可能である。但しWi-Fi機能及びBluetooth機能がある機種においては技適マークがない機種もあるため、国内で使えない場合がある。

尚、シリーズを表すアルファベットの後に、Xの表記がある場合はCMOSセンサー搭載機種であることを表す。
製品一覧

サイバーショットのモデル名は基本的に、1号機であるDSC-F1にはじまり、全てDSC-αβ という型番で構成されており、αにはモデルの特徴を表すアルファベット1字(MDおよびTFシリーズのみ例外的に2字。)が入り、βにはシリーズ中のモデル番号1?3字(初期には例外的に末尾にアルファベット)が入る、Exmor/Exmor R搭載機はαの後にXが入る、GPS機能搭載機は型番の最後にVが入る、モデル番号に関しては開発順ではなく、505、85など、製品固有の符号が含まれる場合もあるが、おおむね同グレードの機種では後発の機種ほど数値が大きく、同時期の機種ではハイグレードな機種ほど数値が大きい、等、分かりやすいルールに従っている。しかし、2012年以降の所謂「高級コンパクト機」に分類されるような機種ではDSC-RX100に対するDSC-RX1(1の方が後発・かつ上位機種)、DSC-RX100に対するDSC-RX100 mk2(M2)、mk3(M3)…のように、上記のルールに当てはまらない命名の例が増えてきている。DSC-F717
Fシリーズ

初代サイバーショットを含むシリーズ。初代から続くF-1桁および後継機のF-2桁の番号を持つシリーズはレンズ部が前後に回転し、液晶画面を見ながら撮影者自らを撮影できる構造を備えているのが特徴であった。基本的に単焦点レンズで、最終型のF88のみ3倍ズーム。F-3桁は逆に、一眼レフカメラ並みの巨大な5?7倍の大口径ズームレンズを固定して構え、最後部のモニタ部が回転(上下チルト)するような構造となる。当初(F505?515)はF-2桁のズーム機のような構成であったが、後の機種(F707?828)ではより大型の2/3"CCDを搭載して最上位機扱いになっている。

DSC-F1(1996年10月10日発売
[1]) - 1/3型35万画素CCD。レンズは4群5枚4.8mmF2固定焦点。定価88,000円。メモリースティックスロットを搭載せず、内蔵メモリ4MBへの記録。

DSC-F2(1997年6月10日発売?[2]) - 1/3型35万画素CCD。レンズは4群5枚4.8mmF2固定焦点。定価75,000円。メモリースティックスロットを搭載せず、内蔵メモリ4MBへの記録。

DSC-F3(1997年11月10日発売?[3][2]) - 1/4型35万画素CCD。レンズは4群5枚4.8mmF2固定焦点。定価68,000円。内蔵メモリが8MBにアップした。

DSC-F55K(1999年4月1日発売[4]) - 1/2型202万画素CCD。レンズはディスタゴン6.85mmF2.8、オートフォーカス。Fシリーズ初のメモリースティック対応機種。

DSC-F505K(1999年9月21日発売[5]) - 1/2型202万画素CCD。レンズはバリオゾナー7.1?35.5mmF2.8?3.3、オートフォーカス。F-3桁シリーズの第一号機で、巨大なレンズに小さな本体が接続された特異な形態が特徴。本体は上下にチルトし、いわゆる自分撮りはできないもののハイ・ローアングル撮影には便利。

DSC-F505V(2000年6月1日発売) - DSC-F505Kの後継。

DSC-F55V(:2000年7月1日発売) - DSC-F55Kの後継。

DSC-F55DX(2001年4月20日発売) - DSC-F55Vの後継。

DSC-F707(2001年10月4日発売) - DSC-F505Vの後継。当時としては高性能の2/3型502万画素CCD。レンズはバリオゾナー9.7?48.5mmF2?2.4。

DSC-F717(2002年10月12日発売) - DSC-F707の後継。

DSC-F77(2002年11月9日発売) - DSC-F55DXの後継。F55シリーズと比べ、かなり薄型化されたが、モニタは2型から1.5型に小さくなった。メモリースティックPRO対応。

DSC-FX77(2002年11月9日発売) - DSC-F77と同時発売された兄弟機。FX77には無いBluetooth対応機能を持ち、そのために追加されたアンテナ部が外観上の違い。

DSC-F77A(2003年9月19日発売) - DSC-F77の後継。基本スペックはほぼ同じだが新たに赤・青・銀のカラーバリエーションがカタログモデルで用意された。

DSC-F828(2003年12月19日発売) - DSC-F717の後継。世界初の4色カラーフィルターつき820万画素CCD、バリオゾナーT*7.1?51mmF2?2.8光学7倍ズームレンズ。デジタルズーム併用時静止画のみ約14倍、スマートズーム併用時VGAサイズ静止画のみ約36倍ズーム可能。メモリースティックPROスロットとCFカードスロットを搭載。

DSC-F88(2004年6月25日発売) - DSC-F77の後継。有効510万画素、液晶モニターは1.5型から1.8型に拡大された。F-1・2桁シリーズでは唯一のズームレンズ、バリオテッサー6.7?20.1mmF3.5?4.2搭載。

Dシリーズ

"サイバーショット・プロ"の愛称を持つ、ハイアマチュア層をターゲットにした高機能版。一眼レフ式光学ファインダーを持つが、レンズは固定。記録メディアは当時メモリースティックが発売されたばかりということもあり、PCカードとなっている。

DSC-D700(1998年10月25日発売) - 1/2"CCD、有効150万画素、光学5倍ズーム。定価235,000円。

DSC-D770(1999年7月10日発売) - 1/2"CCD、有効150万画素、光学5倍ズーム。定価235,000円。DSC-D700のマイナーチェンジ版。
DSC-S730
Sシリーズ

高画質と使い易さ、さらなるスタミナを追求して作られたシリーズ。モデルによってはMPEGによる動画撮影が可能だった。長時間バッテリー等、実用的な機種が多い。

DSC-S70(2000年3月25日発売) - 有効324万画素、光学3倍ズーム。

DSC-S30(2000年4月25日発売) - 有効202万画素、フリーアングル液晶モニターにより映像で確認しながらの自分撮りが可能。

DSC-S50(2000年4月15日発売) - 有効202万画素、フリーアングル液晶モニターにより映像で確認しながらの自分撮りが可能。

DSC-S75(2001年4月10日発売) - 有効324万画素、光学3倍ズーム。

DSC-S85(2001年6月28日発売) - DSC-S75の上位モデル。有効398万画素、光学3倍ズーム。

DSC-S40(2005年4月15日発売) - 有効410万画素、光学3倍ズーム。
DSC-P9
Pシリーズ

「Play」「Pocket」の略。サイバーショットの名を広めたシリーズで、横長の独特なフォルムが特徴。サイバーショットといえば、未だにPシリーズを連想する消費者も多い。

DSC-P1(2000年10月20日発売) - 初代Pシリーズ。有効321万画素。光学3倍、静止画のみデジタル6倍ズーム。
PlayStation 2と連携できるピクチャーパラダイス規格に対応。大ヒットを記録して同シリーズ中最も販売台数が多くなり以降サイバーショットの名が一般に広がった。水深30mの水中でも撮影可能となる防水ケース、「マリンパック」が純正オプションとして設定されている。

DSC-P30(2001年4月10日発売) - 有効125万画素。レンズは光学3倍ズーム。電源は乾電池。

DSC-P50(2001年4月10日発売) - 有効202万画素。レンズは光学3倍ズーム。電源は乾電池。

DSC-P20(2001年8月31日発売) - Pシリーズの最下位モデル。有効111万画素。レンズは単焦点、デジタル3倍ズーム。電源は乾電池。

DSC-P3(2001年10月4日発売) - DSC-P5の下位モデルとして登場した。有効282万画素。レンズはデジタル3倍ズーム。

DSC-P5(2001年10月4日発売) - 大ヒット機DSC-P1の後継。有効321万画素。レンズは光学3倍ズーム。

DSC-P31(2002年3月20日発売) - 有効200万画素。レンズは単焦点、デジタル3倍ズーム。電源は乾電池。

DSC-P71(2002年3月20日発売) - 有効320万画素。レンズは光学3倍ズーム。電源は乾電池。

DSC-P9(2002年4月25日発売) - 有効400万画素。レンズは光学3倍ズーム。

DSC-P2(2002年6月8日発売) - 有効200万画素。レンズは光学3倍ズーム。サイバーショット最多のスパークルホワイト・コズミックブルー・ブラック・シルバー・ライラックピンク・パールブルーの6色展開。

DSC-P7(2002年7月18日発売) - DSC-P5の後継。有効320万画素。レンズは光学3倍ズーム。DSC-P9が「暗い」と評判悪かったのに対し、同じCCDの大きさで、あえて320万画素に抑えた後発のこの機種はP9より評価が高かった。


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