サイバトロン
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この項目では、トランスフォーマーシリーズの登場勢力について説明しています。その他の用法については「サイバトロン (曖昧さ回避)」をご覧ください。

サイバトロン(Autobots)は、『トランスフォーマー』シリーズに登場する架空の組織。

英語版ではほとんどの作品で「オートボット」と呼ぶ[1]。日本語版ではほとんどの作品で「サイバトロン」に統一されていたが、2007年の実写映画版公開以降は日本でも英語版に準拠した「オートボット」と呼ばれるようになった。日本版ではAutobotsの単数形である「オートボット」が、どのサブグループにも属さないサイバトロン戦士の意で用いられることがある[2]
サイバトロン/Autobots
沿革(Autobots)

サイバトロンは、民間用ロボットを祖先とする惑星セイバートロンに住む種族である。約1000万年前からデストロンと対立している。対立が始まって早期に変形能力を身につけ、これを生かしたゲリラ戦により、戦闘力で勝るデストロンに対抗していた。

900万年前にオライオンパックス/Orion Paxが戦闘中に瀕死の重傷を負い、長老のアルファートリンの手によって改造を受けた。彼はコンボイ/Optimus Primeとして蘇り、サイバトロンを導く役割を担うようになった。

400万年前にセイバートロンのエネルギー危機が深刻化したため、コンボイ率いるサイバトロンはエネルギー探索のために外宇宙に出発する。それを阻止しようとするデストロンと戦闘中に地球の引力に引かれて不時着し、機能停止状態に陥った。それから1985年[3]に蘇生したサイバトロンは、その活動内容を「地球のエネルギーを奪おうとするデストロンを阻止する」という方向に移行した。
特徴(Autobots)

サイバトロンは、構成員の多くが秀でた特技を持つ技能者集団であり、クリフのような純粋な戦闘要員は少数派である。その一方で、ホイルジャックやパーセプター、ビーチコンバーのような、デストロンには見られない学者肌の人物が目立つ。性格は温和で、人間との交流もスムーズである。総司令官コンボイは支配者ではなく、あくまで「まとめ役」としての任を為している。ゆえにコンボイの不在時、および彼が行動不能な状態であっても、まとまった行動が可能である。メガトロンインペリウスによるワンマン経営であるデストロンとは対照的である。

こうした組織構成は、サイバトロン総司令官の選出方法に原因がある可能性がある。サイバトロン総司令官は、「マトリクス」という神秘的存在により選ばれる。マトリクスは指揮官としての経験や実務能力を重視するのではなく、勇気や信念など別の側面で総司令官を選んでいるようである[4]。鷹揚で信頼は厚いが、「私にいい考えがある」に象徴されるように作戦立案能力はメガトロンに劣るコンボイ、勇猛果敢で楽天的だが、経験不足と精神的重圧に苦しみ続けたロディマスコンボイの二人は全能の才能を持つわけではない。そのために周囲のサポートが欠かせないため、必然的に強固な結束力を持つこととなる。そのせいかNo.2が複数いることもあり、コンボイ司令官の時代にはマイスター、プロール、アイアンハイドの3人がそれぞれ違った側面でNo.2を務めていた。

戦力面では、「Autobots」の英語名の通り、構成員のほとんどが自動車に変形し、地上戦力に富んでいる反面、航空戦力は非常に貧弱である。ランボルのような飛行用バックパックを持つ者や、新規開発されたダイノボット部隊といった、飛行能力を持つ戦士を航空戦力に充てているのだが(初期3話においてはパイロットフィルムの性質上、設定が固まっておらず、全員がロボットモードで飛行している。ただし飛行能力はデストロンに劣ると明言されている。)、デストロンの面々と比較すると航続距離や機動性は圧倒的に劣っている上、デストロンにはジェットロンという「本職」の航空部隊が主力として始めから存在したため、ほとんど勝負にならなかった。根本的な解決は、本格的な航空部隊であるエアーボット部隊の登場まで待たねばならなかった。

また、祖先が民間用ロボットであり、本来地球にやって来た目的が戦いではなかったためか、学術調査やレクリエーション、チャリティーレースの参加等、デストロンと比較すると戦いと関係のない活動を喜んで行っている。レクリエーションには、フットボールなど地球のスポーツも取り入れられている。

後年になるとメタルホーク(数千歳以上)やスターセイバー(約50万歳)など兵器に変形する、ロボット形態でも空中で機敏に飛行できるなど、デストロンに近い特性を持つサイバトロンも誕生している。
地球人との関係

地球人は行きがかり上、サイバトロンとデストロンの戦いに巻き込まれる形となったわけであるが、サイバトロンの親地球的な姿勢から友好的な方向に動いている。劇中、サイバトロンがエネルギーに困っている描写があまり見られないことからも、そのことが窺える。犯罪捜査への協力、合同での学術調査など、サイバトロンは地球人と良好な関係を保てるよう積極的に動いている。その一方、地球人にとってサイバトロンは、初めて知り合った地球外生命という一面を持っている。そのため、サイバトロンは地球人がトランスフォーマーについて知る窓口として働いている部分もある。また、それとは逆に、地球の自然や、地球人の文化に興味を持つ者がサイバトロンの中に出てきている。地球の事物に関する理解度のばらつきは、劇中ではユニークな描かれ方をしている。マイスター、ブロードキャスト、トラックスの3人以外にロックンロールを理解できるサイバトロンがいなかったことは有名である。

しかし、己の欲望を満たすためにサイバトロンが邪魔となる者や、戦いに巻き込まれて被災した者など、サイバトロンを悪く思っている地球人も登場しており、シリーズ中何度か彼らとの衝突も描かれている。初代『トランスフォーマー』の第26-27話「メガトロンの地球征服作戦」では、名誉を挙げるために邪魔となるサイバトロンを陥れて、地球から追い出そうとする人物が現れ、『2010』の最終話「コンボイの復活」では、被災した地球人科学者の復讐によってサイバトロン、さらには全宇宙の生物が絶体絶命の危機に陥っている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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