サイコメトラーEIJI
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サイコメトラーEIJI
ジャンル
ミステリー、アクション
漫画:サイコメトラーEIJI
原作・原案など安童夕馬
作画朝基まさし
出版社講談社
掲載誌週刊少年マガジン
レーベル少年マガジンKC
発表号1996年18号 - 2000年42号
巻数全25巻
文庫版全12巻
漫画:サイコメトラー
原作・原案など安童夕馬
作画朝基まさし
出版社講談社
掲載誌週刊ヤングマガジン
レーベルヤングマガジンKC
発表号2011年21・22合併号 - 2014年38号
巻数全15巻
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画
ポータル漫画

『サイコメトラーEIJI』(サイコメトラーエイジ)は、原作:安童夕馬(樹林伸)、作画:朝基まさしによる日本漫画。『週刊少年マガジン』(講談社)にて、1996年から2000年まで連載され、1997年と1999年にテレビドラマ化もされた。本項では続編の『サイコメトラー』(2011年-2014年)についても取り扱う。2014年7月時点で累計発行部数は1200万部を突破している[1]
概要

物や人に触れるとそれに残った過去の記憶の断片を読み取るサイコメトリー能力を持った少年・明日真映児が、警視庁の女性刑事・志摩亮子と協力して怪事件を次々と解決していくというミステリー作品。

同時期に『マガジン』で連載され、本作品同様に安童夕馬が天樹征丸名義で原作を担当した『金田一少年の事件簿』が、天才少年を主人公にした伝統的な推理ミステリーであったのに対し、本作品は主人公がサイコメトリーという超能力を持った不良であり、犯人も何らかの過程で心的外傷を負った猟奇殺人者テロリストなどが中心であったのが特徴。なお、物語序盤以降、主要登場人物の一人に不良グループのリーダーという設定がつき、不良グループの対立が軸になるエピソードがあるなど、次第にヤンキー漫画としての要素が強くなっていった。また、「みっちゃん」こと福島満の登場もあって、ブラック・コメディの要素が入ったエピソードが制作されるようになっている。

作者によれば、「サイコメトラー」という呼称はこの作品より広まった造語であり、元々はサイコメトリストなどと呼ばれていたが、今やサイコメトラーの方がごく一般的な名詞となっている。ただし、厳密な英語用法では「サイコメーター Psychometer」が正しい。

マガジン連載コミック版の最終話には「第一部 完」という表記がある。しかし、文庫版のほうでは、最終巻に追加エピソードが一つ収録され、その終わりに「完」という表記がある。このことについて原作者の安童夕馬は「続編(完結編)のストーリーは既に完成しており、もう続きを書かないという意味ではない」とのコメントをあとがきに残している。

2010年10月、安童のTwitter[注 1]にて近々続編を執筆することが示唆され、翌年2011年4月25日発売の『週刊ヤングマガジン』21・22合併号より約10年振りの続編の連載が始まった。続編は『サイコメトラー』とタイトルを一新したほか、掲載誌も少年誌から青年誌に連載の場所を移しての再開となった。

2001年から2005年に『週刊少年マガジン』に連載された『クニミツの政』は本作品のスピンオフであり、『サイコメトラーEIJI』に登場した武藤国光が主人公を務めている。また、2014年からウェブコミック『マンガボックス』での連載を経て、『ヤングマガジン』で2016年まで連載された『でぶせん』は、番外編「群青の服を着た男」に登場した福島満が主人公を務めている。
あらすじ

都内の普通高校に通う、不良高校生の明日真映児は、触れた「物」や「人」に残った記憶の断片(残留思念)を読み取ることができる特殊能力「サイコメトリー」を持っていた。しかし、映児はその能力を特に活かして生活するということはなく、むしろ、能力のせいで人間関係が上手く構築できなかった過去を持ち、このことを知るのは家族や幼馴染の親友・葛西くらいであった。

ある日のこと、街では女子高生を狙った連続婦女暴行殺人事件が起こっており、そんな中で映児は、最愛の妹・恵美が事件に巻き込まれ警視庁にいると連絡を受ける。妹が心配で慌てて警視庁に乗り込んだ映児は、そこで警視庁捜査一課の敏腕美人刑事である志摩亮子とぶつかり、その際に無意識に能力で彼女の思考を読み、妹の場所を尋ねたり、捜査関係者しか知らない極秘情報を口走ってしまう。そのため、志摩は映児がサイコメトリーの能力者「サイコメトラー」であることに気づく。実は、大学時代にサイコメトリー能力が実在し、その能力を生かした捜査手法を研究していた志摩は、連続婦女暴行殺人事件の犯人である、正体不明の猟奇殺人鬼「メビウス」の捜査のため、映児に捜査協力を求める。

「メビウス」事件は映児のサイコメトリーと志摩のプロファイリングによって無事に解決し、以降も2人は様々な難事件を解決していく。
登場人物
主要人物
明日真 映児(あすま えいじ)
主人公。サイコメトリー能力を持つ高校2年生。メビウス事件で志摩と知り合い、以降その能力で彼女の捜査に協力するようになる。典型的な
不良(ヤンキー)で、喧嘩は強く勉強が苦手。ヤンキーらしい正義観や倫理観を持ち、情が深い。犯人を憎む一方でその過去を知って同情することも多い。現在は比較的穏やかだが、後述するように、かつては非常に荒れていた。ケンカ時は「てめえの心の悲鳴を聞かせろ」が決め台詞。バイクが趣味であるほか、バンド活動もしている。本人に自覚は無いがイケメンであり、モテる話もあるものの、奥手であるため女性経験はない。触れた物に残った残留思念を読み取る能力(サイコメトリー)を持つ。その情報ははっきりとした映像であることもあれば、断片や示唆的であることもあり、特に異常心理状態の犯人の思念は、それ単独では何を意味しているのかわからない場合が多い。直接相手に触れることによって、その人間の考えていることを直接読み取ることも可能であり、特にケンカにおいてはそれで相手の動きを先読みし、無類の強さを誇った。また、作中では能力が段々と強化されており、電話で逆探知のように相手側の思念を読み取ったり、「CASE12」では対象に触れずに思念を読み取ることができるようになっている。一方で、かつては能力を制御できず、自分の意思に関係なく相手の本音を読み取って人間不信になっていたことや、また能力を使いすぎて数日昏睡状態になる、あるいは強い思念の逆流によって精神を乗っ取られてしまうなどの欠点もある。加えて単純に映児に知識がないせいで読み取った情報を読み解けないという面もある(これを支援するのが志摩と裕介である)。幼少より、人の心が読めるために人間不信となり反抗的な少年だった。小学校5年の時に数少ない理解者・裕介と出会うものの、能力を制御できず荒み続ける。特に中学生時代は、渋谷で他の不良やヤクザにも喧嘩を売るイカれた奴として知られていたが、そこで少年課の刑事・赤樹宗一郎と出会う。赤樹より能力の制御方法を教えてもらい、無難に日常生活を送れるようになった、という過去を持つ。第2部『サイコメトラー』では卒業に失敗して留年した高校3年生になっている。それでも亮子やヤンキー仲間との協力を続けている。ドラマ版は基本そのまま設定が踏襲されているが、サイコメトリーできるのは左手で触れたものと限定されている。2期では、高校卒業後バンドマン志望のフリーターとなっており、ライブハウスの住み込みのアルバイトで生計を立てている。また、声のサイコメトリーが可能になっている。
志摩 亮子(しま りょうこ)
警視庁捜査一課の敏腕美人刑事。階級は警部補(第1部の最後に警部へと昇進)。名門大学出身のキャリア組。25歳。容姿端麗でモデルのような体型の美女である上に頭脳明晰で、身体能力も優れており、拳銃の腕前も高い。プロファイリングを得意とし犯人像に迫るが旧態依然の捜査一課では軽んじられている。足での捜査も重視する。元々サイコメトリー能力を実在するものと考え、大学の卒業研究ではそれを応用した事件捜査をテーマにしていた。そんな折、メビウス事件で偶然から映児がサイコメトリー能力者と知り、以降、捜査協力を求めるようになる。基本は事件現場に映児を連れてきたり、犯人の遺留品を持ち込んでサイコメトリーさせ、そこから得られた情報を分析する。プライベートは非常にズボラで、料理はまったくやらず、冷蔵庫の中身は酒とツマミのみという荒んだ生活を送る。また未成年者からオバサンと呼ばれたり、峰や羽根山からパワハラ、セクハラを受けたりするとコミカルな反応を見せる。男運は悪いわけではなく、かつては立花と付き合っていたが現在は彼氏がいない。映児に気がある素振りを見せることはあるが、それ以上は進まず、互いにはぐらかし合う。なお、事件現場に映児を連れてくるため、周りからは「若いツバメ」と疑われている。ドラマ1期ではプロファイリング能力に優れるが、「拳銃を紛失する」「他の刑事にパシリにされる」といった駄目刑事となっている。ドラマ2期では、1期とは事実上別人に設定されており、雰囲気は原作の志摩にかなり近い。階級も最初から警部である。
レギュラーキャラクター
葛西 裕介(かさい ゆうすけ)
映児の小学校からの親友。現在も同じ高校に通い、彼とは対照的な知的で博識な青年で、学校成績一位という優等生でもある。映児が志摩が出会う以前(物語開始以前)に彼のサイコメトリー能力を知っていた唯一の人物であり
[注 2]、数少ない理解者だった。その能力で情報を得ても、それが何を意味するかわからない映児に対して答えを考えるという志摩に近い存在であり、事件絡みでない場合には映児からの相談や助けの依頼を受けることが多い。映児と志摩の関係が始まった後も、映児・志摩・裕介の3人で映児が読み取った情報について推理し合う場面が多い。小学校5年の時、映児が転校してきたところから2人の関係が始まる(「BREAK10:Seven Years Ago」)。偶然、映児が動物好きなこと、そして相手の記憶が読めることを知る。映児が転校してきた日の夜に、学校で飼育していたニワトリがカッターで惨殺される事件が起き、荒れており偏見を持たれやすい映児が犯人とみなされる中で彼の無罪を信じ、現場に残った証拠をサイコメトリーして残留思念を読み取ることを提案し、その情報から真犯人を見つけ出す。これによって映児の親友かつ理解者として、現在にも関係が続いている。プライベートでは映児と一緒にバンドを組んでおり、作曲とキーボードを担当する。加えて、やや童顔でモテる場面もあるものの、恵美に一途に想いを寄せている(恵美に対する恋は映児も応援しているものの、肝心の彼女が気づいていない)。ドラマ版では設定はほぼ踏襲されている。2期では東大生となっており、その後、スペシャルでは外交官試験に合格している。
江川 透流(えがわ とおる) / トオル
映児の同級生で親友かつ悪友。長髪を束ねた端正な容姿の美青年。1年留年しているため、同級だが映児より1歳年上。普段は軟派な様子も見せるが、実は中学時代に渋谷の不良集団をまとめ挙げたチーマーのリーダーであり、1年前からは「リーグ」という自警団的なチームを結成して一大勢力を築く。空手の達人で喧嘩(ステゴロ)は映児に匹敵するほど強く、勉強はそこそこだが頭の回転も早い。一本筋の通った性格をしており、リーダーとして仲間想いのため人望も高く、渋谷の不良界隈では一目置かれる存在(ただし敵も多い)。学内では映児・章吉・テツヤの4人でつるんでいることが多く、第1話から端役として登場しているが、不良のまとめ役などの重要な設定が明らかとなるのは「BREAK2:a few years ago」から。智が専門の裕介に対して、荒事に関する映児の親友と呼べる存在であり、番外編で主人公、またメインでも準主人公として活躍するエピソードも多い。


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