サイケデリック・ロック
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「アシッド・ロック」はこの項目へ転送されています。ストリートファッションについては「ACID ROCK」をご覧ください。

サイケデリック・ロック
Psychedelic rock
様式的起源ロック
ブルースロック
フォークロック
ブルース
インド音楽
フォークソング
文化的起源1960年代中旬
アメリカ合衆国
イギリス
使用楽器ギター
ベース
ドラムセット
オルガン
メロトロン
各種打楽器
シタール
テルミン
派生ジャンルハードロック
アート・ロック
ジャム・バンド
クラウトロック
ニューエイジ・ミュージック
プログレッシブ・ロック
ネオ・サイケ
サブジャンル
アシッド・ロック
スペース・ロック
融合ジャンル
サイケデリック・フォーク
サイケデリック・ソウル
関連項目
ヒッピー
サイケデリック
サイケデリック・ミュージック
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サイケデリック・ロック(: Psychedelic rock)は、1960年代後半に発生し流行したロック音楽の派生ジャンル。主に、LSDなどのドラッグによる幻覚を、ロックとして再現した音楽のことを指す。
概要

最初にレコードとして登場したのは1966年とされる。同年3月、アメリカのバーズがシングル「霧の8マイル」(en)[1]を発表、9月に、ジェファーソン・エアプレインがフォークロックのアルバム『テイクス・オフ』(en) でデビュー。イギリスでは8月に、ビートルズLSDに影響を受けたアルバム『リボルバー』を発表した[2]

アメリカ合衆国西海岸に始まったサイケデリック・ムーブメントは、1967年ごろには世界中を席巻し、多くのアーティストたちがこのジャンルの楽曲を作った。グレイトフル・デッド[3]、ジェファーソン・エアプレイン、クイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィス [4]。などが有名である。また英国ではプログレッシブ・ロックの代表的なバンドとしてUFOクラブなどでライブ活動したピンク・フロイドも、シド・バレットが在籍していた初期はアンダーグラウンドのサイケデリック・ロック・バンドだった。ジェファーソン・エアプレインの「ホワイト・ラビット」は、ロック評論家からはサイケ・ロックの典型と見做された[5]。録音エンジニアとプロデューサーを務めるデヴィッド・ハッシンジャー(David Hassinger)は、ジェファーソン・エアプレインのセカンド・アルバム『シュールリアリスティック・ピロー』や、1967年に担当したエレクトリック・プルーンズ (The Electric Prunes)の初期2枚のアルバムの収録時に目新しい機材である電子エコー、ジェットマシーン・エフェクター等を持ち込み、実験音楽手法からアレンジを行っている。既に人気ロック・バンドの地位を確立していたビートルズも、『リボルバー』[6]、『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド[7]、『マジカル・ミステリー・ツアー』、『イエロー・サブマリン』でこのジャンルを代表する作品を作り、またローリング・ストーンズも『サタニック・マジェスティーズ』で同様の仕事をした[8]

現代美術の世界では、フルクサスアンディ・ウォーホル[※ 1]らによって、極彩色模様のスライド映写やライト・ショーなどがすでに行われ、サイケデリック・ロックのアーティストたちはこれを応用して取り入れている。ヒッピー文化からのサイケ・ファッション、作家ケン・キージーの「アシッド・テスト」などとの相互影響も大きかった。

ビートルズの「トゥモロー・ネバー・ノウズ」などの楽曲は、テープレコーダーのマルチチャンネル化によりはじめて可能となった音楽である。電気楽器を主とした実験音楽と共鳴し、現代音楽前衛音楽を巻き込み、大衆のポップミュージックに於いても大きな影響を与えた[9]

1956年からインドの古典音楽を西洋にもたらす活動を始めたシタールの名手ラヴィ・シャンカルはジャズミュージシャン等にインスピレーションを与え、1960年代半ばには若いロックミュージシャンの世代にも影響が及んだ。ビートルズによる1965年『ラバー・ソウル』の「ノルウェーの森」からシタールが広く知られるようになり、そのほかの民族楽器も用いられるようになった。

ステージではジャズのフリー・インプロヴィゼーション即興演奏)に影響され、ブルース楽曲などを長々と演奏することが多かった。これはバーズやジェファーソン・エアプレインなどがフォークロック・バンドで、そのメンバー達はフォーク・リヴァイヴァルに由来があり、歌詞に反戦運動など政治的メッセージが含まれることもあった。ステージ演奏で生まれた幻想的なアレンジをスタジオ録音で再現する試みの大半は失敗に終わったが、この錯誤は録音技術への挑戦とエフェクターの進化発展に大きく貢献した。おもに編曲(楽曲アレンジ)で斬新なアイデアを曲に取り入れたサイケデリック・ロックは、ハードロックとプログレッシブ・ロックのルーツの一つになった。

同時代東洋思想に共鳴した現代詩人アレン・ギンズバーグ[※ 2]ら文学者の音楽活動、ボブ・ディランの詩、ビートルズが一時信奉した東洋思想や文学の影響を受けた、サイケデリック・ロックやアシッド・フォーク・ミュージシャンも現れた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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