ゴールデン・レトリバー
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ゴールデン・レトリバー
原産地 スコットランド
保護 イギリス

特徴
体重オス29?34 kg
メス24?29 kg
体高オス58?61 cm
メス54?57 cm
外被ダブルコート
毛色明るいクリーム色から暗い赤金色まで

主要畜犬団体による分類と標準
FCIGroup 8 Section 1 #111標準
AKCSporting ⇒標準
ANKCGroup 3 (Gun dogs) ⇒標準
CKCGroup 1 ? Sporting dogs標準
JKC第8グループ標準
KC (UK)Sporting dog ⇒標準

イヌ (Canis lupus familiaris)

ゴールデン・レトリーバー(ゴールデン・レトリバーとも、Golden Retriever)は、イギリス原産の大型犬である。賢さ及び忠誠心を兼ね備え、穏和な性格の犬種であるためペットとして広く愛好されている。また、活発な性格で探究心がある。元来、水鳥猟でハンターが撃ち落とした獲物を陸地に持ち返る(=retrieve)役割を担う犬であり、合図に忠実に従い、俊敏に行動し、水草の生い茂る湖の中を遠くまで泳いで鳥を持ち返る猟犬として、何時間も猟場で活動することが可能な猟犬である。目次

1 歴史

2 外見

3 性格

4 飼育にあたっての留意点

5 ラブラドール・レトリーバーとの共通点及び相違点

5.1 共通点

5.2 相違点


6 ギャラリー

7 脚注

7.1 注釈・出典


8 関連項目

歴史

19世紀中頃、スコットランドのダッドリー・マーシュバンクス伯爵(後のツウィードマウス卿)が交配により作出したのが起源である。1865年、ダッドリー・マーシュバンクス伯爵は小型のニューファンドランド犬と掛け合わせた黒のウェイビーコーテッド・レトリーバーから生まれた、1頭のウェーブ掛かった黄色の被毛に覆われた「ヌー」を購入した。ダッドリー・マーシュバンクス伯爵は「ヌー」及び「ベル」を掛け合わせ、4頭の牝が生まれた。その内の1頭「カウスリップ」を基に、ダッドリー・マーシュバンクス伯爵は20年以上ブリーディングした。ウェイビーコーテッド・レトリーバー、アイリッシュ・セッター、後のブラッドハウンドとの交雑を何回か行い、新しい犬種としてゴールデン・レトリーバーを確立した。

1903年、英国ケネルクラブはゴールデンレトリーバーを「フラットコート?ゴールデン」として初めて登録した。1911年にはフラットコーテッド・レトリーバーとは別の単独の犬種として認められ、「ゴールデン又はイエロー・レトリーバー」と呼ばれ、数年後には「イエロー」という語は削除された。

1938年、ゴールデン・レトリーバー・クラブ・オブ・アメリカ(GRCA)が設立された。当該クラブは現在5000人の会員を擁し、アメリカンケネルクラブ(AKC)傘下の最大犬種クラブの1つとなっている。
外見

個体によって、明るいクリーム色から暗い赤金色まで多彩な毛色を持つ。飾り毛は他の部分より明るい色で長く、ボディ前部、胸腹部、四肢後部及び尾下部を覆う。

ダブルコートといい、羽毛のように柔らかく短いアンダーコート(下毛)及び弾力性のある長いトップコート(上毛)の二種類の毛がある。アンダーコートは防水性が高く、気温の低い季節でも冷水内で活動するのに適する。また体温調整の役目も担い、気温が上昇すると抜け落ち、低下すると再び生える。

均整の取れた体付きであり、オスは体高58?61cm、体重29?34kg、メスは体高54?57cm、体重24?29kgで、理想的な体長と体高の比率は11:10である。

頭部は割合に大きく、鼻は黒又は茶がかった黒色、耳は頬に沿って垂れ、アーモンド形の目を持つ。
性格

「信頼できる性格」「飼い主と共に働くことを喜びとする」犬種で、「賢い、温和、知的、親しげ、確実」と表現される。

人間に同調する能力を持つため、家族が静かにしているときには静かにし、遊ぶときには一緒に大いにはしゃいで遊ぶ。

主人が願っていることを察知し、常時主人に気に入られようと努力する。

家族と一緒に行動できることを喜びとし、孤独を嫌う。

忍耐力が非常に強く、細やかな気配りができて、楽天的。

自信を兼ね備え、信頼できる個性を持つ。

一般的には、しつけやすく、子どもから老人まで誰にでも扱いやすい犬種とされている。ただし、事故も発生しており、2017年3月には生後10ヶ月の女児が飼い犬の屋内犬(4歳、オス、体重約37kg)に突然頭部をかまれ死亡する事故が発生している
[1]

飼育にあたっての留意点

「犬種」とは人間が使途を定めて作出したものであるため、各々の犬種に役割としての機能がある。

ゴールデン・レトリーバーは「人間と共に仕事をする」ことを目的として作出された犬種であるため、次のような特性がある。

戸外に繋ぐことや独居させること・餌及び水やりに関して無頓着になることを嫌う。

仲間として認められることや散歩に連れ出されることが大好き。



一般的に運動不足による肥満が多いため、
生活習慣病が増加傾向にある。そのため、「走る」「動く」ことを念頭に置いた日課の工夫が要求される。

適切な運動を怠ると爪を削る機会がなく伸び過ぎるため、定期的に爪を切り長さを調整することが必要である。爪を伸ばした状態にしておくと、爪が根元から折れたり、浮き上がった爪の根元に菌が侵入して腫れたりし、病気の原因となる。また狼爪がある場合、狼爪が皮膚を傷付ける危険性があるため定期的に切る必要がある。

幼児期に室内ではしゃいだり走り回ったりすると、股関節の発達に影響が出たり脱臼の危険性が発生したりする。そのため、室内では静かに、戸外では活発に運動するようしつける必要がある。

人気犬種故の乱繁殖により、股関節形成不全及びてんかんといった遺伝性疾患を患った個体、並びに本来の穏和な性格を大きく損ねた個体が出る場合がある。

ガンは当該犬種の死因で第1位の疾病であり、現在大きな研究課題となっている。股関節形成不全同様、米国が甲状腺機能低下症を必須検査項目に指定して以降、当該疾患は減少傾向にある。

ラブラドール・レトリーバーとの共通点及び相違点
共通点

明朗且つ温順な性格大変人なつっこいため、
番犬には向かない。他の犬に対しても友好的な態度を取ることが多い。

ジャーマン・シェパード・ドッグ同様、賢く訓練性能が高い盲導犬介助犬及び警察犬といったサービスドッグとして働いたり、競技会でもよく見受けられたりする犬種である。ラブラドール・レトリーバーと1世代交配させ、盲導犬として訓練する訓練所もある。

水遊びを非常に好む元来、どちらも水中で活動する役割を担ってきた犬種であるため。

相違点

ゴールデン・レトリーバー及びラブラドール・レトリーバーは「親戚」ではない類似した外観を持ち、両者の相違点は「短毛種と長毛種の違い」だと誤認される場合があるが、誤りである。ゴールデン・レトリーバーは上述の交配種であるのに対し、ラブラドール・レトリーバーは
セント・ジョンズ・レトリーバー及びニューファンドランド犬の交配種であるため、種としてはある程度の隔たりがある。

ギャラリー

レッド

クリーム

戯れる2頭のゴールデン・レトリーバー

生後10週目の子犬

脚注

[脚注の使い方]

注釈・出典^“10カ月の女児、飼い犬にかまれ死亡 東京・八王子”. 朝日新聞. (2017年3月10日). ⇒http://www.asahi.com/articles/ASK397GRMK39UTIL06V.html 2017年3月10日閲覧。 

関連項目

ウィキメディア・コモンズには、ゴールデン・レトリバーに関連するメディアがあります。


ラブラドール・レトリーバー

カーリーコーテッド・レトリーバー


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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