ゴールデンラズベリー賞
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ゴールデンラズベリー賞
第29回ゴールデンラズベリー賞でのジョン・J・B・ウィルソン2009年2月21日
受賞対象最低の映画
アメリカ合衆国
主催ゴールデンラズベリー賞財団
初回1981年3月31日
公式サイトhttps://www.razzies.com/index.html

ゴールデンラズベリー賞(ゴールデンラズベリーしょう、: Golden Raspberry Award)は、アメリカ映画賞。毎年、アカデミー賞授賞式の前夜に「最低」の映画を選んで表彰するもので、ラジー賞(Razzies)とも呼ばれている。
歴史

この節には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2020年3月)

UCLAから映像製作・映画宣伝の道に進んだジョン・J・B・ウィルソンにより1981年に創設された。

初期は正真正銘のB級映画が各部門受賞を独占することが多かったが、近年は、輝かしい実績があるにもかかわらずどうしようもない役柄を演じてしまった俳優や、前評判と実際の出来のギャップが著しい大作などが受賞する傾向にある。

この賞自体が一種のユーモア洒落)であり、本当にくだらない、つまらない作品を選ぶ場合もあるが、一方で出来はよいが惜しい作品や、強烈なカリスマ性や異色性が強すぎて一般ウケしない作品に与えられることもあり、この受賞がきっかけで衆目を集め、意外によく出来た面白い作品として評価されることがある。

また、俳優に与えられる賞も、必ずしも酷い演技をした役者が受賞するわけではなく、第1回の『ジャズ・シンガー』で受賞したニール・ダイアモンドは同じ作品でラジー賞とゴールデングローブ賞を同時受賞している。

また、上述のように一種のジョーク賞であることから、受賞した作品が「一般受け」はしないが、マニアからは「カルト映画」と評価される場合もある(『フォード・フェアレーンの冒険』『ハドソン・ホーク』『ショーガール』など)。

なお、ジョージ・W・ブッシュ大統領を激しく批判する内容で製作され、そのブッシュ大統領が最低主演男優賞を獲得した『華氏911』や、狙いそのままに「最優秀頭からっぽティーン向け作品賞」を受賞した『ジャッカス・ザ・ムービー』のように、遠回しに正の評価を贈られた作品も希ながらある。

第32回(2011年度)には『ジャックとジル』が初の全部門制覇を果たしている。

2023年1月25日、事務局は第43回(2022年度)の最低女優賞候補としていたライアン・キーラ・アームストロングのノミネートを撤回して謝罪した。アームストロングは12歳で「炎の少女チャーリー」(リメイク版)で主演女優を務めていたが、将来のキャリアを台無しにしかねないとして批判を受けていた[1]
名称

「野次」を意味する「Razz」から命名された「Razzie Award」が正式な賞名であるが、「Razz」のもうひとつの意味である「Raspberry」(ラズベリー:木イチゴ)の実を模したトロフィーのデザインにより「Golden Raspberry Award」とも呼ばれる。

また、英語の「ラズベリータルト」(raspberry tart)が「fart」(おなら) と韻を踏んでいることから、ラズベリーはおならをまねた音、すなわちブーイングの音を指すようになった[注 1]。賞の名はこのことにも掛かっている。

トロフィーは、ゴルフボールで作ったラズベリーを金色に塗装し8mmフィルム缶に乗せ、木目の入った台所用壁紙を巻いてタイトルを貼り付けただけの貧乏臭いデザインである。制作価格はわずか4ドル79セントほどと言われるが、近年は8mmフィルムが市場から姿を消しつつあるため手に入りにくく、価格は上昇傾向にある。 
選考

ラジー賞は米映画アカデミーの会員による投票・審査で受賞が決定されるアカデミー賞と同じく、「ゴールデンラズベリー賞財団」の会員による投票で受賞作品を決定する。ただし実績ある映画業界人によるアカデミーと違い、ラジー賞選考には一般の映画ファンが小額の会費(2013年現在、新規会員は40ドル)を払うだけで投票権を有する事もできる。また、2作品が同一部門で受賞する事もある。

主要部門は毎年変わらないが、その年だけの部門が作られているのも、ラジー賞の特徴である。

第35回(2014年度)には名誉挽回賞(The Razzie Redeemer Award)が新設された。これはラジー賞の常連や、ラジー賞を受賞したことで有名な俳優や監督を対象とし、その年にアカデミー賞ノミネートなどの功績を挙げて「名誉挽回」した者に贈られる特殊な賞である。新設された2014年度は事あるごとに酷評される『ジーリ』のベン・アフレックが、2015年度はラジー賞のチャンピオンとまで称されたシルヴェスター・スタローンが受賞した。

第36回(2015年度)には商業的にも批評的にも失敗した作品を対象とするバリー・L・バムステッド賞(Barry L. Bumstead Award)が新設された。これはゴールデングローブ賞におけるセシル・B・デミル賞のパロディである。

一方、第42回(2021年度)では、特別賞として「2021年公開映画で見せたブルース・ウィリスの最低演技賞」が設けられ、ウィリスを特別に腐す趣向が設けられたが、その4日後にウィリスが失語症を理由に俳優業からの引退を公表したことを受けて、これら賞の撤回を行っている[2][3]。同様に、第1回において最低主演女優賞にノミネートされたシェリー・デュヴァル(『シャイニング』)に対しても、現在ではスタンリー・キューブリックによって精神的に追い詰められていたことがわかっており、今回のウィリスへの対応に合わせて彼女へのノミネートも同様に撤回されることが公表された[4]


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