ゴールデンスランバー
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この項目では、伊坂幸太郎の小説作品について説明しています。ビートルズの楽曲については「ゴールデン・スランバー」をご覧ください。

ゴールデンスランバー
A Memory
著者伊坂幸太郎
発行日2007年11月30日
発行元新潮社
ジャンルミステリーハードボイルド
日本
言語日本語
形態四六判変型
ページ数508
コードISBN 978-4-10-459603-4

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『ゴールデンスランバー』(A MEMORY)は、伊坂幸太郎による日本小説、同小説を原作とする日本映画
概要

首相暗殺濡れ衣を着せられた男の、2日間に亘る逃亡劇を描いた作品。2008年本屋大賞受賞、第21回山本周五郎賞受賞作品。『このミステリーがすごい!』2009年版1位。

著者にとっては2年ぶりの書き下ろし作品である。作品は、全部で五部から構成されており、第四部「事件」が作品の大半を占めている。序盤から多くの伏線がはられ、魅力的な人物が数多く登場し、それまでの著者の作品のエッセンスが数多く含まれていることから、本作発表時点での著者の集大成と評されている。

この作品では、主人公の昔の彼女や、大学のサークル仲間といった周りの人たちとの絆が大きな役割を果たしている。

タイトルはビートルズ同名楽曲から引用されており、作中にも「ヘルプ!」「カム・トゥゲザー」などのビートルズのタイトルが散見される。
あらすじ

首相公選制が存在する世界の現代日本。仙台市では期待のダークホースとして初当選した金田首相の凱旋パレードが盛大に行われていた。

パレードを無視して、数年ぶりに大学時代の親友・森田森吾との待ち合わせ場所に急ぐ青柳雅春。宅配ドライバーの彼は数年前に暴漢に襲われていたアイドルの凛香を仕事中偶然にも助けたことで一躍時の人となり、地元では顔を知られた有名人であった。

森田の様子がおかしいことを訝しむ青柳に、「お前、オズワルドにされるぞ」と告げる森田。その直後に、背後でパレード中の首相が、どこからともなく飛んできたドローン爆発により暗殺された。警官が青柳らの車に駆け寄る中、「お前は逃げろ」と青柳を逃がす森田。わけも分からず青柳が降りた車は、森田を乗せたまま爆発した。

直後から、ニュースで早くも青柳の顔写真や映像がくり返し流され、首相暗殺犯として大々的に報道され始めた。青柳は、警察やマスコミを意のままに操作出来る大きな何かが、それなりに顔を知られ発見され安い自分を犯人に仕立て上げようとしていることを思い知らされる。

学生時代の恋人や、人の良い「連続通り魔犯」など様々な人々の力を借りて、逃走につぐ逃走を重ねる青柳。だが、遂に追い詰められた青柳は、死体となって発見された。

首相暗殺事件が解決した2ヶ月後。青柳の両親や協力者の元に様々な形で報せが届いた。それは、青柳と当事者しか知らない内容で、さり気なく青柳の生存を示す内容だった。見つかった死体は偽者だったのだ。整形した青柳は身元を偽り、ひとり静かに姿を消した。
登場人物
青柳雅春(あおやぎ まさはる)
本作の主人公。数か月前まで
宅配便の配達ドライバーをしていたが、現在は退職しており失業保険で生活している。数年前、当時のトップアイドルであった凛香を暴漢から助け出したことがあり、一躍時の人となった。金田首相暗殺の濡れ衣を着せられ、逃亡の身となる。
森田森吾(もりた しんご)
青柳雅春の学生時代の友人。「森の声が聞こえる」と冗談混じりながらも、観察力に基づく鋭い洞察を示す。結婚し子供もいるが、妻がパチンコにはまったことで多額の借金を抱えている。久し振りに再会した雅春に、彼が巨大な陰謀に巻き込まれていることを伝え、逃亡を促した後に、車に仕掛けられた爆弾で爆死した。
金田貞義(かねだ さだよし)
今回の首相暗殺事件の被害者にして、作中における現総理大臣。50歳と若く聡明な人物で、国民からの人気も高い。
樋口晴子(ひぐち はるこ)
青柳雅春の大学時代の恋人。今は別の男性と結婚し、七美という4歳の娘がいる。
小野一夫(おの かずお)
青柳雅春が学生時代に所属していたサークルの後輩。一時、逃亡中の雅春を匿うことになる。愛称は「カズ」。
岩崎英二郎(いわさき えいじろう)
青柳雅春が勤めていた宅配会社の従業員。当時、新人だった雅春に宅配のいろはを教えた。ロックが大好きで、あらゆる物事をロックに結びつけようとする。ヒップホップに偏見がある。警察とやりあうより妻との喧嘩を恐れる。
轟(とどろき)
花火工場「轟煙火」の社長。従業員たちからは、親しみを込めて「ロッキー」と呼ばれている。
保土ヶ谷康志(ほどがや やすし)
仙台病院センターに入院中の還暦を過ぎた患者。ひょんなことから逃亡中の青柳雅春と出会い、彼の逃亡を手助けすることになる。
田中徹(たなか とおる)
仙台病院センターに入院中の患者で、保土ヶ谷康志とは同じ病室。年齢は35歳。病室のテレビで首相暗殺のニュースを知る。
佐々木一太郎(ささき いちたろう)
警察庁警備局総合情報課の課長補佐。今回の首相暗殺事件において捜査の指揮をとることになった。髪形や幼く見える顔立ちから、ポール・マッカートニーを連想させる。青柳雅春を犯人と断定し、執拗に追跡する。
凛香(りんか)
数年前、青柳雅春によって、暴漢から助け出された当時のトップアイドル。整形の疑いがある。現在は引退している。
キルオ
二年前に仙台で起きた連続刺殺事件の犯人。「キルオ」とは、マスコミが勝手につけたネーミングであり彼の事件が契機となり、仙台市は監視カメラ「セキュリティポッド」を導入することになる。本名は「三浦」。
鎌田昌太
キルオに大金を積まれ部屋を貸し、日本中を親子で旅する。1年半ぶりに部屋へ戻る。来年小学生に上がる息子が1人いる。


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