ゴースト/ニューヨークの幻
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ゴースト/ニューヨークの幻
Ghost

監督ジェリー・ザッカー
脚本ブルース・ジョエル・ルービン
製作リサ・ウィンスタイン
製作総指揮スティーヴン=チャールズ・ジャッフェ
出演者パトリック・スウェイジ
デミ・ムーア
ウーピー・ゴールドバーグ
音楽モーリス・ジャール
主題歌ライチャス・ブラザーズアンチェインド・メロディ
撮影アダム・グリーンバーグ
編集ウォルター・マーチ
配給 パラマウント映画
パラマウント映画/UIP
公開 1990年7月13日
1990年9月28日
上映時間128分
製作国 アメリカ合衆国
言語英語
製作費$22,000,000[1]
興行収入 $505,702,588[1]
$217,631,306[1]
61億7000万円[2]
配給収入 37億5000万円[3]
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『ゴースト/ニューヨークの幻』(原題:Ghost)は、1990年アメリカ映画恋愛映画

2005年から放送されていたテレビドラマの『ゴースト ?天国からのささやき』とは関係ない。
概要

ロマンスコメディファンタジーホラーといったいくつかのジャンルに含まれる。愛する人が幽霊となって目の前に現れるというアイデアは、この映画のメガヒットで多くの亜流映画・小説を生む。

ウーピー・ゴールドバーグアカデミー助演女優賞を受賞し、作品自体もアカデミー作品賞編集賞作曲賞にノミネートされたが、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』という強豪の存在のため他はアカデミー脚本賞ブルース・ジョエル・ルービン)を受賞するにとどまった。

主題歌は、ライチャス・ブラザーズの「アンチェインド・メロディ」(もともとは、1955年の映画『Unchained』(日本未公開)の主題歌だった。作曲はアレックス・ノース)。

監督は『裸の銃を持つ男』や『フライングハイ』などのコメディを得意とするジェリー・ザッカー。母のシャルロッテ・ザッカーを銀行の受付役、妹のスーザン・ブレスラウをサムの同僚のスーザン役で登場させている。1995年にもシリアス路線で『トゥルーナイト』を監督した。

また、脚本のブルース・ジョエル・ルービンの母親も小切手を受け取る慈善団体の教会のシスター役で登場している。
ストーリー

ニューヨークの銀行に勤める温厚かつ誠実な銀行員のサム・ウィートは、陶芸家として成功しつつある最愛の恋人であるモリー・ジェンセンと幸せな時間を過ごし、仕事の同僚で友人であるカール・ブルーナーとも良好な関係を維持しながら順調に仕事をこなし、平穏な日々を送っていた。

ある日、サムは勤め先の銀行で、コンピュータ内の口座データに異変があるのを発見した。カールが手伝おうとしたが、サムはそれを断り残業して調べていった。

後日、サムとモリーが「マクベス」を観劇しての帰り道、モリーがサムに自分の心を打ち明けた。「貴方と結婚したい」。今まで、彼女が避けていた問題だったのでサムは驚く。悩むサムに、モリーはなぜ「愛してる」と言葉にしてくれないのかと問い詰める。「愛してる……」とモリーが言うと、サムは必ず「Ditto」(同じく)と答えていた。

しかし、突然暗がりから一人の暴漢がサムを襲った。そしてサムと暴漢は揉み合いになり、暴漢が持っていた拳銃が発砲された。そして暴漢は逃げ、それを追いかけるも取り逃がしたサムが諦めて戻ると、モリーが血だらけの自分を抱いていた。サムは死んでゴーストになってしまったのだ。

ゴーストになったサムはモリーのアパートで彼女の側にいたが、彼女からはサムが見えず、サムが話しかけてもモリーに声は届かない。サムが死んでからカールはモリーに近付いていくが、モリーはそれを拒む。明くる日、気分転換のため2人が散歩に出かけたが、その後に留守中のモリーのアパートに一人の男が侵入して来た。その男の顔を見てサムは驚愕する。侵入してきた男は自分を襲って殺したあの暴漢だったのだ。サムはその男に殴りかかるが、拳は当たらず空を切るばかり。そこにモリーが帰ってきてしまう。サムは危険を知らせようと必死に呼びかけるが彼女は気付かない。そのまま知らずに暴漢の男に狙われそうになるモリーだったが、咄嗟にサムはモリーの飼い猫のフロイドをけしかけて何とか暴漢を追い出すことに成功する。

アパートから出た暴漢の男はそのまま地下鉄に乗り、追跡するサムもそれに乗るが、そこで突然見知らぬ男のゴーストが「ここは俺の縄張りだ!」と言ってサムに襲ってきた。その男のゴーストは、地下鉄を自分の場所として占領し、物体に触れて動かすことが出来るサブウェイゴーストだったのだ。その場を逃れて再び暴漢の男を追跡したサムは、その男の住んでいるアパートを突き止める。そこの表札に書かれていた暴漢の男の名前は「ウィリー・ロペス」であった。そしてアパートを出たサムは、偶然、近くに霊媒師の看板があるのを見つけて中へ入る。そこでは胡散臭い女霊媒師のオダ=メイ・ブラウンが客を相手にしていた。彼女がやっていることは明らかにインチキだったため、サムがそれに茶々を入れていると、何とオダ=メイはサムの声に反応する。自分の声が彼女に聞こえていると知り驚くサム。彼女はその時初めて霊媒師としての才能を開花させたのだ[注 1]

サムはオダ=メイを一晩中「ヘンリー8世君(英語版)」[注 2]を聞かせ続けるという半ば脅迫めいたやり方で説得し、モリーに会わせる。サムしか知らないことをオダ=メイから言われたモリーは半信半疑ながら彼女の話に耳を傾ける。そしてサムは、自分を殺した犯人の男の名前が「ウィリー・ロペス」であることをオダ=メイから彼女に言い聞かせる。

モリーはそのことをカールに話し相談するが、カールはオダ=メイはペテン師だと決め付け信じない。しかし、真意を確かめたいと考えるモリーを見て、カールは代わりに自分が調べようと言い、ウィリーの住むアパートへ向かっていった。

そのままウィリーの住むアパートへ着き彼がいる部屋へ行くカールを見守ろうとサムも付いていくが、そこでカールとウィリーのやり取りを目の当たりにしたサムは自分が死んだ事件の衝撃的な真相を知ることとなった。カールは麻薬組織と交わした裏取引により自分や同僚のサムが勤める銀行で、組織から預かった400万ドルもの不当な金を架空口座に収めながら密かに資金洗浄するという不正を働いていた。だがその不正の存在に気付き始めたサムがその架空口座の送金用コードを変更したことで麻薬組織への送金が出来ない状態となったため、カールはそのコードが書かれた手帳が入っているサムの財布を彼から盗み取るようウィリーに依頼。それを引き受けたウィリーが夜道でサムから財布を奪おうとするも、予想外に抵抗されたことで思わずサムを殺してしまったのだった。全てを知ったサムは激しく怒り、ウィリーと今後どうするかの相談を終えてその場を去っていくカールに何度も殴りかかるもやはりその拳は空を切るばかりで、親友だと思っていた彼の裏切りにただただ嘆き悲しむ他なかった。

一方、モリーは警察署でオダ=メイから教えられたことについて相談していたが、そのオダ=メイがかつて詐欺師として悪事を働き何度も服役していたことを告げられショックを受ける。その後、自宅でモリーにそれを打ち明けられたカールはそこに付け込み、モリーにキスをしようとする。しかしその場に居合わせたサムが阻止しようと飛び込んだ瞬間、写真立てが倒れて二人を離すことが出来た。

そしてサムは、ゴーストでも物体を自在に動かせる方法を学ぶべく、物体に触れる事が出来ていたあのサブウェイゴーストがいる地下鉄へ赴き、走る電車で彼を探して見つける。再び現れたサムに激怒して追い出そうとするサブウェイゴーストだったが、一歩も引かずに教えを請おうとするサムの強い意志に根負けし、彼に物体への触れ方とそれを動かす方法を教え込んだ。そして見事にそれを習得したサムも、あらゆる物体を触れて動かせるゴーストとなったのだった。

続いてあの送金コードが書かれた手帳を手に入れたカールの悪巧みを止めるべく、サムは再びオダ=メイの元を訪ねる。本物の霊媒師となったことで自分の元に多くのゴーストが集まるも追い出している彼女だったが、直後に現れたウィリーに襲われる。だが何とか命拾いしたオダ=メイに、サムは上品な服装をしながら偽の身分証明書を持って銀行へ行くよう指示する。そして銀行に訪れたオダ=メイはサムの助言を受けながら、カールが例の不正のために開設していた架空口座の名義人に成り済まし、上手く口裏を合わせてその口座を解約。


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