ゴロザウルス
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ゴロザウルス
東宝怪獣映画のキャラクター
初登場『
キングコングの逆襲
作者安丸信行(造型)
関田裕
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ゴロザウルス (Gorosaurus) は、東宝怪獣特撮映画『キングコングの逆襲』などに登場する、架空の怪獣。別名は「原始恐竜[注釈 1]」「原始怪獣[2]」。
特徴

1億5,000万年前の中生代ジュラ紀後期に生息していたアロサウルスの末裔が進化した肉食怪獣で[出典 1]、学名も「アロサウルス」とされている[出典 2]。外見も、制作当時における想像図ほぼそのままであり[注釈 2]、大きな頭部と小さな手に、長い尻尾を持つ[12]

光線などの特殊能力はいっさい有していない。かなり俊敏に動き、強力な尾をばねにした飛び蹴り(カンガルーキック)などを得意とする。闘争心が強い肉食でありながら性質は比較的穏和で、戦闘はあくまで自衛の手段として行う。

着ぐるみのモデルは、1933年公開の映画『キング・コング』に登場するティラノサウルス(暴君竜)である[13][10]。キングコングとの戦闘自体が、同映画における「コング対暴君竜」のシーンへのオマージュとなっている[出典 3]。しかし、キングコングメカニコングと異なり、デザインは日本側によるものであったとされる[17]。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}このティラノサウルスの指が3本であったことからゴロザウルスの指も同様に3本となり、3本指の恐竜である「アロサウルスの一種」と設定された。[要出典]
造型

造型は、東宝特殊美術スタッフの安丸信行が担当した[出典 4]。安丸にとっては特殊美術班での初の怪獣造型であり[16]、彼によると「キングコングとメカニコングの造型で東宝特殊美術課の手が一杯だったので[要出典]、当時「ウルトラシリーズ」などで怪獣造型に腕を振るっていた高山良策にゴロザウルスの制作が外注されたが、途中まで高山の手で制作されたものの結局は造型に不満を持った安丸の意見で取りやめとなり、自身が新規に造型した」とのことである[18]

着ぐるみは1体のみ制作された[19]。従来の着ぐるみとは異なり、胴体の芯には金網細工ではなく発泡スチロールが用いられ、頭部は水粘土で原型が作られた[16]。喉には風船を仕込んでおり、生物的な動きを表現している[18][16]。頭部は内蔵メカで重くなったため、一部のシーンではピアノ線で吊っている[16]。FRP製の歯や爪は、東宝作品で初めて白くなった[17]

広く突き出た額は、安丸が手掛ける怪獣独自の特徴とされる[20][注釈 3]

着ぐるみは『行け!ゴッドマン』まで使用された。
登場作品

公開順。

キングコングの逆襲(1967年)

怪獣総進撃(1968年)

ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』、『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』ではライブフィルムで登場[21]

上記のほか、特撮テレビ番組『行け!ゴッドマン』(1972年)[22]、『ゴジラアイランド』(1997年)などにも登場した。
『キングコングの逆襲』のゴロザウルス

諸元ゴロザウルス
GOROSAURUS
[出典 5]
別名

原始恐竜[出典 6]

原始恐龍[31][32]

原始怪獣[7][9]

身長35 m[出典 7][注釈 4]
尾の長さ15 m[出典 9]
体重8,000 t[出典 10]
出身地南ジャワ海のモンド島[出典 11][注釈 5]
出現地モンド島[30]

モンド島に住む肉食性の恐竜[出典 12]。青褐色の体色に黄色い腹部を持ち、退化した小さな前肢はほとんど使用不能だが、後肢は太く発達している[32]。また、長い尻尾をテコにして30メートルのジャンプも可能[32][6]

モンド島の火山熱で眠りから再び覚め、島のジャングルに上陸した国連調査団の女性スーザンの前に現れ、彼女の悲鳴を聞いてやってきたキングコングと闘う。カンガルーキック[23][25]や噛みつきでコングを手こずらせるが、やはり怪力では敵わず一方的に殴られ、失神する。まもなく覚醒し、油断したコングの足に噛みついて最後の抵抗を図るものの、返り討ちで顎を裂かれて絶命する[出典 13]

スーツアクターは関田裕[33][10]。短い前足は、関田が肘から先だけを入れて動かしている。

コングとの対決シーンで、特撮監督の円谷英二がゴロザウルスに模範指導を行っているスチール写真が現存する[15]。プロデューサーは原典のように流血する恐竜の最期を要求したが、円谷は自らの方針でこれを許さず、「泡を吹いて絶命する」という描写を用いた[出典 14]。監督助手の中野昭慶によれば、血を出す仕掛け自体は施されていたが、血の色は緑で少量だったといい[34][35]、中野は円谷の唯一の抵抗であったと評している[34]


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