ゴルフクラブ
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

「ゴルフクラブ」はこの項目へ転送されています。

ゴルフを行う場所については「ゴルフ場」をご覧ください。

練習をする場所については「ゴルフ練習場」をご覧ください。

各種ゴルフクラブ

クラブ(club)は、ゴルフにおいてボールを打つために使用される用具。ゴルフクラブとも呼ばれる。
概要

ゴルフをプレーする際、使用できるクラブの本数は、1人14本までに制限されている。通常のクラブセットは、ウッドと呼ばれるクラブが3、4本、アイアンと呼ばれるクラブが8、9本、パターが1本の組み合わせが多い。各クラブはそれぞれ想定された飛距離を打ちやすく作られており、長いクラブで長距離を、短いクラブでは短い距離を狙う。通常、長いクラブほど扱いが難しくなる。

ヘッドの打撃面であるクラブフェイスと地面に対する垂直線からなる角度をロフト角といい、これが弾道の高さが決定する主な要因である。

クラブは、ヘッド、シャフト及びグリップの各部分から構成される。

大きくウッドとアイアンに区別されるが、アイアンとウッドの中間的特性を持つユーティリティと呼ばれるクラブも存在し、クラブのセッティングをゴルファーの特徴に合わせて多彩にしている。

クラブには数字による番手が付けられているものがあるが、これらは番号が大きいほど短い距離を打つためにデザインされている。
ウッド「ウッド」のクラブ。素材が金属であっても、この形状のクラブは、慣習的にウッドと呼ばれる。

従来は、ヘッドはパーシモン(柿の木)など木製が主流だったが、現在はステンレスやチタン合金などのメタル製やカーボンファイバーとメタルの複合製に取って代わられた[1]。金属製であっても、呼称はウッドである。

記号名称(和)名称(英)旧名称(英)備考
1W1番ウッド/ドライバー1-wood/Driver-飛距離が出るため、長いコースでの第1打に使用される。実際は「1番ウッド」と呼ばれることはあまりない。
2W2番ウッド/ブラッシー2-woodBrassie近年では使用する競技者は少ない。
3W3番ウッド/スプーン3-woodSpoon
4W4番ウッド/バッフィー4-woodBaffy
5W5番ウッド/クリーク5-woodCleek
7W7番ウッド/ヘブン7-wood-日本ではキャロウェイが発売したHeavenwoodに倣って「ヘブン」と呼ばれる場合がある。
9W9番ウッド9-wood-
11W11番ウッド11-wood-

7番、9番、11番はショートウッドとも呼ぶ。1番ウッド以外を総称してフェアウェイウッド(FW)とも呼ぶ[1]。ティーからの使用に限らず、フェアウェイから使用することを意図されているクラブであり、ロングアイアンの代替となる。
ユーティリティヘッドがウッド型のユーティリティ。アメリカでは、この形状は「ハイブリッド」と呼び分ける。

ユーティリティ(UT)は、性能的・形状的にウッドとアイアンの中間にあるクラブである[1]。クラブの長さはアイアンの流れを汲む。

形状はアイアン型であったりウッド型であったりする。ヘッドの部分にはある程度の厚みがあり近年ではウッドを小顔化したものが主流でラフ等悪いライからの抜けをより良くしたものが多い。

アイアン型の物も少数であるが存在しヘッド肉厚を中空構造にしたり、ポケットキャビティー型にしたりと、一般的に難しいとされているロングアイアンの距離を簡単に打てるようさまざまな工夫がなされているが総じて上級者向けの物が多い。

日本においてはハイブリッド、ユーティリティ共にユーティリティと称されるのが一般的だが、米国においてはウッド型ユーティリティはハイブリッド、アイアン型をユーティリティと称するのが相場と言われているようである。
アイアン「アイアン」のクラブ。ウッドと比べ、薄くなっている。

クラブのうち球を当てる部分(ヘッド)が製だったため「Iron」[注釈 1]と呼ばれるものを指す。概してシャフトへの取り付け部分となる「ホーゼル」と呼ばれる筒状の部分と、ゴルフボールへの接触面となる薄い板状で溝のある「フェイス面」とで構成されるクラブヘッドをもつ。ウッドクラブ同様数字で区分されるものの他に「ウェッジ」と呼ばれる比較的短距離用のクラブがある。

記号名称(和)旧名称(和)名称(英)旧名称(英)備考
1I1番アイアンドライビング・アイアン1-ironDriving iron近年では使用する競技者は少ない。
2I2番アイアンミッド・アイアン2-ironMid iron近年では使用する競技者は少ない。
3I3番アイアンミッド・マッシー3-ironMid mashie
4I4番アイアンマッシー・アイアン4-ironMashie iron
5I5番アイアンマッシー5-ironMashie
6I6番アイアンスペード・マッシー6-ironSpade mashie
7I7番アイアンマッシー・ニブリック7-ironMashie niblick
8I8番アイアンピッチング・ニブリック8-ironPitching niblick
9I9番アイアンニブリック9-ironNiblick
PWピッチング・ウェッジ-Pitching wedge-
AW, P/Sアプローチ・ウェッジ[注釈 2]-Approach wedge-
SWサンド・ウェッジ[注釈 3]-Sand wedge-
LWロブ・ウェッジ-Lob wedge-

素材・構造

名前の通りクラブヘッドは、過去は(英語:Iron)であったため、この名がある。現在では鉄に各種の加工を施した(英語:steel)が使われることも多いが、「ウッド」と同様、素材に関わらず慣習的に「アイアン」と呼ばれる。

そのほとんどが金属で、製造コストと製品精度との兼ね合いからプレス製法を用い旧来からの形状が受け継がれていたが、カーステン・ソルハイム(PING社の創業者)が、自身が開発したパターの理論を応用し、「フェイス面」の背面を切削することにより重心点付近の重量を周辺部へ配分したアイアンを製作したことにより変化が見られるようになる。後に「キャビティ」と呼ばれるようになるこの構造は、球を「フェイス面」上の重心点、所謂"芯"を多少はずれて捉えた場合においても、距離の損失および方向性の安定が高く、なおかつ打球の上を容易とする構造は評価されたが、1個1個削り出す作業が製造コストを著しく増加させたため、砂型に鋳鉄を流し込む鋳造製法が選択されることとなった。このような製法上の理由により、欧米では伝承形である背面が平らかわずかな盛り上がりを持つ「マッスルバック」アイアンは従来どおり鍛造に向く鉄製が継続され、一方、新型「キャビティバック」アイアンは鋳造後も表面の腐食を防ぐクロムメッキの必要がないSUS鋼(ステンレス)の採用が一般的となり量産され、アマチュアゴルファーに広まった後、上級者、プロゴルファーにも波及した。

日本においては「マッスルバック」が上級者およびプロゴルファーらが好む、手から伝わる打撃時の感触いわゆる「打感」重視で、軟鉄[注釈 4]を「キャビティバック」アイアンに採用した製品が生産されるようになった。欧米では価格が障壁となり存在が難しかったこの組み合わせは、富裕層のほか、高価格製品の購入を躊躇わない顧客には問題なく受け入れられたとみえ、一般的なアイアンとなっている。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:28 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef