ゴルゴーン
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

この項目では、ギリシア神話の生物について説明しています。幻超二による漫画については「ゴルゴーン (漫画)」をご覧ください。
愛馬ブケパロスに騎乗したアレクサンドロス。鎧にメドゥーサの首(拡大図) 紀元前660年頃の貯蔵用の大甕ピトスの表面に描かれたレリーフルーヴル美術館所蔵。 ジュリオ・アリスティド・サルトリオの1895年の絵画『ゴルゴーンの首』。

ゴルゴーン(古希: Γοργ?ν, Gorg?n)、またはゴルゴー(古希: Γοργ?, Gorg?)は、ギリシア神話に登場する醜い女の怪物である[1][2]。その名は「恐ろしいもの」の意。

日本語では長母音記号を省略し、ゴルゴン[1]、ゴルゴとも表記する。英語読みはゴーゴン(Gorgon)。目次

1 概要

2 神話

3 魔除けとしてのゴルゴーン

4 脚注

5 参考文献

概要

ヘーシオドスの『神統記』やアポロドーロスによると、ゴルゴーンは海神ポルキュースとその妻ケートーの娘で、ステンノーエウリュアレーメドゥーサの3人からなる姉妹である。またグライアイとも姉妹である[3][4][5]エウリーピデースの奇妙な伝承によると、ゴルゴーンはギガントマキアーの際にガイアギガース族の味方として生み出したとある[6]。さらにヒュギーヌスはゴルゴーンとケートーからステンノー、エウリュアレー、メドゥーサが生まれたとしている。この伝承ではゴルゴーンは男の怪物となっている[7]

髪の毛の代わりに生きているが生えており[1]黄金の翼、青銅イノシシのようなを持つとされ、自らの翼で空を飛び、ゴルゴーンの顔を見た者を石化することができる[5]ボイオーティア地方から発見されルーブル美術館に所蔵されている大甕ピトスでは、下半身がになっているケンタウロス族のような姿(ただし足は二本)で描かれているが、ゴルゴーンの首に剣を向けているペルセウスはゴルゴーンを見ないように顔を背けている。その住処はヘーシオドスによると、オーケアノスの流れや「ヘスペリデスの園」の近くの世界の西の果ての地である[8]
神話

神話によると3姉妹のうちメドゥーサだけが不死ではなく、後にメドゥーサはペルセウスによって首を切られて退治された。その際、傷口からメドゥーサとポセイドーンの子クリューサーオールペーガソスが生まれた[9][10]。その後、ペルセウスはメドゥーサの首を使ってアンドロメダーや母ダナエーを救い出したと伝えられている。ペルセウスがキビシスからメドゥーサの首を取り出し、その首を向けられた者は何者であっても石と化した[11]。一説によるとメドゥーサはアテーナーと美を競ったために、アテーナーによって首を切られた[11]。さらにメドゥーサはアテーナーの怒りに触れて醜い姿にされたとする説も唱えられた[12]。ペルセウスは冒険が終わるとメドゥーサの首をアテーナーに捧げ、アテーナーは自らのアイギスにその首を取り付けたという[11]

ホメーロスは『イーリアス』の中で、ゼウスの盾アイギスに固定されているゴルゴーンの首について描写している[13]。アイギスは『イーリアス』においてはゼウスの持ち物であり[14]ヘーパイストスがゼウスのために制作したものである[15]。アイギスについては諸説あり、後世の神話ではアテーナーのアイギスは女神自身がゴルゴーンを倒した際に、その皮を剥いで作ったものだと語られている[16]

一方、『オデュッセイア』ではゴルゴーンの首は冥府の王ハーデースが所持する魔物であるかのように描かれている[17]
魔除けとしてのゴルゴーン

ゴルゴーンの首は古代ギリシャにおいてはしばしば魔除けゴルゴネイオン、Gorgoneion)に用いられた[18]

ギリシア美術では「真正面を向いた」人物描写は少ないが、ゴルゴーンに限ってはほとんどが真正面を向いた形で描かれている。同様に「真正面」の描写が少ないメソポタミア・エジプト美術において常に真正面を向いて描かれるフンババ(同じく魔除けに使われた)やエジプトの神ベスとの共通点も指摘されている。正面を向いているのはゴルゴーンの持つ邪眼を機能させるためだとされている。
脚注^ a b cギリシア・ローマ神話事典』 260、261頁。
^ギリシア神話』 290頁。
^ ヘーシオドス、270行-276行。
^ アポロドーロス、1巻2・6。
^ a b アポロドーロス、2巻4・2。
^ エウリーピデース『イオーン』987行-990行。
^ ヒュギーヌス、序文。
^ ヘーシオドス、274行-276行。
^ ヘーシオドス、277行-281行。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:59 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef