ゴルゴサウルス
生息年代: 後期白亜紀カンパニアン, 76.6?75 Ma Pre??OSDCPTJKPgN↓
ロイヤル・ティレル古生物学博物館のゴルゴサウルス全身骨格
地質時代
中生代後期白亜紀(カンパニアン)
分類
ゴルゴサウルス(学名: Gorgosaurus、「恐ろしいトカゲ」の意)は、約7660万年前から7500万年前の後期白亜紀カンパニアンにあたる北アメリカ西部に生息した、ティラノサウルス科に属する獣脚類の恐竜の属。化石はカナダのアルバータ州から発見されており、可能性のあるものはアメリカ合衆国のモンタナ州からも産出している。古生物学者は本属をタイプ種 G. libratus のみからなるとみなしているが、誤って本属に割り当てられた種もいる。
他の既知のティラノサウルス科と同様にゴルゴサウルスは二足歩行の捕食動物で、成体の体重は2トンを超えた。大きく鋭い歯が顎に並び、2本指の前肢は比較的小型であった。ゴルゴサウルスはアルバートサウルスに最も近縁であり、ティラノサウルスとはやや遠縁である。ゴルゴサウルスとアルバートサウルスは極めて似ており、主に頭骨と歯の繊細な差異により区別される。G. libratus をアルバートサウルスに分類する、すなわちゴルゴサウルスをアルバートサウルスのジュニアシノニムと考える専門家もいる。
ゴルゴサウルスは西部内陸海路の端に沿った豊かな氾濫原に生息していた。ゴルゴサウルスは頂点捕食者であり、数多くのケラトプス科やハドロサウルス科を捕食していた。一部地域ではゴルゴサウルスは別のティラノサウルス科恐竜ダスプレトサウルスと共存していた。両者の体格は大まかに同程度であるものの、生態的地位を異としていた証拠がある。ゴルゴサウルスはティラノサウルス科の中で化石記録が最も多く、多数の標本が知られており、オントロジーや生活環およびその他生物学的観点からの研究が可能となっている。
記載G. libratus の成体と亜成体の、ヒトとの大きさ比較
ゴルゴサウルスはティラノサウルスやタルボサウルスよりも小型で、体格はアルバートサウルスやダスプレトサウルスに近い。成体は全長8 - 9メートルに達した[1][2]。成長しきった成体は体重約2.5トン[3][4]、あるいは2.8 - 2.9トンにもなった可能性があると推定されている[5][6]。これまでに発見されている最大の頭骨は頭骨長99センチメートルで、ダスプレトサウルスのものよりもわずかに小さい[1]。他のティラノサウルス科と同様に、頭骨はボディサイズと比較して大型であるが、頭骨には空洞が存在して、大きな孔により軽量化がなされていた。アルバートサウルスとゴルゴサウルスの頭骨はプロポーションとしてダスプレトサウルスはじめ他のティラノサウルス科よりも長く上下に低い。吻部の先端は鈍く、鼻骨と頭頂骨が頭骨の正中線に沿って癒合し、これは他のティラノサウルス科にも共通する。眼窩は楕円形や鍵穴型というよりも円形であり、これも他のティラノサウルス科の属と共通する。涙骨の高い鶏冠状の突起はそれぞれの目の前方にあり、これはアルバートサウルスやダスプレトサウルスと同様である[2]。アルバートサウルスとは、脳を取り巻く骨の形状の際から区別できる[7]。
ゴルゴサウルスの歯は全てのティラノサウルス科の属に典型的である。吻部の正面に位置した8本の前上顎骨歯は小型で密に並んでおり、断面はD字型である。ゴルゴサウルスの上顎骨の最前方の歯もまた、形状が前上顎骨歯に類似する。残りの歯は断面が楕円形であり、他の大半の獣脚類ではブレード状になっている[2]。8本の前上顎骨歯の他には26 - 30本の上顎骨歯、30 - 34本の歯骨歯がある。本数はアルバートサウルスやダスプレトサウルスに近く、タルボサウルスやティラノサウルスよりは少ない[8]。