プラトンの著作
(プラトン全集)
初期
ソクラテスの弁明 - クリトン
エウテュプロン - カルミデス
ラケス - リュシス - イオン
ヒッピアス (大) - ヒッピアス (小)
初期(過渡期)
プロタゴラス - エウテュデモス
ゴルギアス
『ゴルギアス』(希: Γοργ?α?、英: Gorgias)は、プラトンの初期の対話篇。副題は「弁論術について」。
弁論術の本質と是非、自然に則った正義の本質や節制と徳の重要性、現実政治のあるべき姿などについて議論している。 紀元前405年頃[2]、アテナイの某所。ゴルギアスが見事な弁論を披露して去った後、一足遅れてやって来たソクラテスとカイレポンを、カリクレスがからかうところから話は始まる。 二人もゴルギアスが目当てだったと知ったカリクレスは、ゴルギアスらが滞在している自宅へと二人を招く。ソクラテスはゴルギアスにいかなる技術を持っていて、何を教えているのかを問答・吟味してみたいと言う。 場所をカリクレスの自宅へ移し、ゴルギアス、その弟子ポロス、そしてカリクレスと、ソクラテスが議論を展開していく。 本篇は、プラトンの初期対話篇の中では、圧倒的に文量の多い長編作品となっている。(ただし当然のことながら、中期の『国家』や、後期の『法律』のような、大長編ほど長くはない。) 内容も、多くはそれまでの初期対話篇の反復でありながら、アポリア(行き詰まり)で終わることの多かったそれまでの対話篇と異なり、最初期の『ソクラテスの弁明』や『クリトン』のように、饒舌なソクラテスによって明確な答え・主張が読者に提示されており、また一方では、「知識」と「信念」(思惑)の区別(454D)が言及されたり、オルペウス教・ピタゴラス教団の教義がはじめて取り上げられたり、あるいは、「正・不正、善・悪、僭主 (独裁者) と幸福、自然(ピュシス)と社会法習(ノモス)、強者の論理、(真の)優秀者支配、節制/自足と幸福、(最)善を目的とする真の政治術と国家」といった『国家』の内容を先取りする、その原型とも言える議論が展開されていたり、また、本篇の「弁論術批判」というモチーフが、中期の『パイドロス』で反復されるものであることなど、様々な点で、初期と中期をつなぐ過渡的・象徴的な性格を持ち合わせた作品だと言える。
構成
登場人物
ソクラテス - 老年期。64歳頃。
ゴルギアス - シケリア島レオンティノイ出身の代表的なソフィストの一人。弁論術に長ける。老年期。82歳頃。
ポロス - シケリア島アクラガス出身の青年。ゴルギアスの弟子。
カリクレス(カルリクレスとも。希: Καλλικλ??、Callicles) - アテナイの政治家[1]。現実主義・自然主義的な主張を旨とする。アテナイにおけるゴルギアスらのホスト。
カイレポン - ソクラテスの友人かつ熱烈な信奉者。
時代・場面設定
特徴・補足