ゴヤの名画と優しい泥棒
The Duke
監督ロジャー・ミッシェル
脚本リチャード・ビーン
『ゴヤの名画と優しい泥棒』(ゴヤのめいがとやさしいどろぼう、The Duke)は、2020年のイギリスのコメディ映画。ロジャー・ミッシェル監督の長編劇映画の遺作で[6]、出演はジム・ブロードベントとヘレン・ミレンなど。
1961年にロンドンのナショナル・ギャラリーからフランシスコ・デ・ゴヤの名画「ウェリントン公爵(英語版)」が盗まれた事件の裏に隠された真相を、犯人と名乗り出た男とその家族の視点からユーモラスに描く[7]。製作総指揮のクリストファー・バントンは、事件の犯人ケンプトン・バントンの孫である[8]。
ストーリーフランシスコ・デ・ゴヤ作『ウェリントン公爵の肖像』。
1961年、イギリスのニューカッスル・アポン・タイン。タクシー運転手を勤める60歳のケンプトン・バントンは、妻ドロシーと次男ジャッキーと小さなアパートで年金暮らしをしているが、一方では孤独な高齢者のために公共放送BBCの受信料無料化を求める活動に熱心に取り組んでいた。自分はまだ払う能力があるが、視聴を諦める貧しい老人たちの為に戦い、未払いの罪で13日間、収監されるケンプトン。
そんな時、ジャッキーがロンドンナショナル・ギャラリーからゴヤ作の絵画「ウェリントン公爵」を盗み出した。ジャッキーは絵画の発見者として報奨金を得るつもりだったが、全ての罪を被って絵画を自宅に隠すケンプトン。彼には窃盗という意識はなく、絵画の価値と同じ14万ポンドを慈善事業に寄付せよという匿名の要求書を送付した。
ケンプトンのアパートに転がり込む長男と、その恋人パメラ。隠した絵画の秘密に気づいたパメラは、ケンプトンに報奨金の山分けを要求した。絵画はあくまで借りたものと信じているケンプトンは、直ちにナショナル・ギャラリーに向かい、絵画を返却した。