ゴミ屋敷
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愛知県にあるごみ屋敷

ごみ屋敷(ごみやしき)とは、ごみが野積みの状態で放置された、ゴミ集積所ではない建物(主として居住用)もしくは土地のこと。居住者が自ら出すごみはもとより、近隣のごみ集積所からごみを運び込んだり、リサイクル業を営んでいるとしてごみを溜め込んだりする。

精神医学の見地では、強迫性障害(OCD)のひとつに強迫的ホーディングがあり、異常行動のひとつの類型として「収集癖」(Hoard、死蔵・退蔵・保蔵、もしくはHoarding、ホーディング)が生じることが報告されている[1]が、ごみ屋敷の発生理由については定説はない。

悪臭ネズミ昆虫(特に害虫)の発生等により近隣の住民に被害が及ぶほか、ボヤや放火などの犯罪に遭いやすいことから問題視されており、主に民放テレビキー局のワイドショーニュースで報道され、社会問題として取り上げられている。
目次

1 社会問題として

1.1 一般的な状況

1.2 発生にいたる背景


2 各自治体の対応

2.1 強制撤去


3 参考文献

4 脚注

5 関連項目

社会問題として

以下、一般に社会問題として取り上げられたケースについて触れる。無論、発生の状況には様々なケースが存在し、事象の全てについて網羅したものではない。
一般的な状況

広く報道されているケースではごみ屋敷を作ってしまう人(屋敷主)の多くが、その土地・家屋の所有者本人であり、中には周辺に不動産を複数所有する資産家である事が少なくない。その多くは老齢で独居(結婚していても別居しているか、離・死別あるいは独身)である。知人友人がなく、親類縁者とも疎遠で、地域住民から完全に孤立している。一度ごみ屋敷となると、住人のみでの片付けが困難になり、より悪化するという悪循環に陥る。[2]

一般に「ごみ」とされる物についても法的には所有権が存在しており、第三者から見て明らかにごみが堆積していても、本人が「ごみではない」と主張した場合、近隣住民や行政が介入し強制的に排除することは困難である。また私有地の場合、正当な理由なく立ち入れば住居侵入罪等が成立するため問題解決はより困難になる。

別のケースとしては住人不在のまま長期間放置された民家や不動産物件に、近隣住民がごみの不法投棄を繰り返し、現有者がこれに対抗措置をとらないまま放置したため発生するものがある。この場合は近隣住民(おそらく少数の特定人物)のモラルのなさと不法行為が原因であり、ごみ屋敷の所有者の性癖に起因するものではない。
発生にいたる背景

異常行動としてのホーディングは世界各国で報告されているが、現象面としての「ごみ屋敷」状態が発生する背景には多様な状況があるため、一概には判断しづらい。発生にいたるまでの背景にはさまざまな事由が存在するが、報道として取り上げられるケースでは主に以下のような事例が報告される。また、このような事由に関して当事者自身が事態の深刻さを自覚していないことが多い。

異常行動として

自分の所有地にゴミ類を不法投棄されることに対する怒り。

地域や親族への不信から、自分や財産に対して抱く不安。

(対象は何でも良い)コレクションの達成感を得るため。

(対象は何でも良い)処分する事への罪悪感。

地域
共同体(コミュニティ)からの疎外、孤立感。

収集癖が病的にまで高じることによる。

街角に捨てられているゴミを見つけると寂しそう、悲しそうに感じ自分のところに連れてくる。「仲間」も多いので安心。ゴミを捨てろと言うのは訳あって自分のところに身を寄せている仲間を見捨てろというのと同義。古くからの知り合いに囲まれて暮らしている自分を非難する方がおかしい。ゴミと言うな云々、という精神状態で、ゴミ収集を加速するケース。

その他にも

経済的困窮(家電リサイクル法対象四品目の安価な引き取り)。

古物商による在庫増加に伴う管理の不行き届き。

近隣住民による空家、空地への不法投棄(ごみ屋敷が整地再開発され、新築物件として転売された後も不法投棄の悪習が抜けず新居者とトラブルになる場合がある)。

注意欠陥障害(ADHD)などの精神疾患。 - サリ・ソルデン著『片づけられない女たち』を参照。先天的なドーパミン分泌不足等で入浴や掃除等が億劫になる。

各自治体の対応

2008年の静岡県三島市の事例では、居住者の老人女性の安否が不明であるとして高齢者虐待防止法を根拠に行政が介入した。大分県別府市では5万円を上限とした生活環境改善援助事業の例がある。

強制撤去の費用を家主に求める条例は、杉並区大田区荒川区が定めている。また東京都足立区では強制撤去の費用を家主が負担できない場合、区が100万円を上限として負担する条例を制定に向けている[3]。ごみ撤去について自治体が費用を支援するのは全国的にまれである[4]

2016年10月23日付の毎日新聞によると、ごみ屋敷に対応するための条例について、同新聞が政令指定都市県庁所在地、及び東京23区の計74市区を対象に調査したところ、条例を制定しているのは、調査対象の自治体のうちの16%に当たる16市区のみであることが明らかになった。有識者からは「ごみ屋敷化は高齢者のみならず、誰でも起こり得ることであり、自治体任せにせず日本政府が対策を講じるべきだ」との指摘が出ている[5]

2005年に注目された、郡山市に住む男性が住宅にゴミを溜め込んだ問題、いわゆる「ゴミ屋敷問題」については、テレビ局、新聞が一斉に取り上げ、全国的な注目を浴び、その後、行政も動き出した。


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