ゴッドファーザー
The Godfather
監督フランシス・フォード・コッポラ
脚本マリオ・プーゾ
フランシス・フォード・コッポラ
原作マリオ・プーゾ
製作アルバート・S・ラディ(ファイナルカット権なし)
ロバート・エヴァンス(クレジットなし)
出演者マーロン・ブランド
アル・パチーノ
ジェームズ・カーン
ロバート・デュヴァル
音楽ニーノ・ロータ
撮影ゴードン・ウィリス
編集ウィリアム・レイノルズ
ピーター・ジンナー
配給パラマウント映画
公開 1972年3月24日
1972年7月15日[1]
上映時間177分
製作国 アメリカ合衆国
言語英語
イタリア語
ラテン語
製作費$6,000,000[2]
興行収入$245,066,411[2]
配給収入 19億9700万円[3]
(東京ロードショー分3億6651万円)
次作ゴッドファーザー PART II
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『ゴッドファーザー』(原題:The Godfather)は、1972年に公開されたアメリカ映画。監督はフランシス・フォード・コッポラ。
マリオ・プーゾによる同名小説の映画化作品で、三部作「ゴッドファーザー・シリーズ」の第一弾。2004年のデジタルリマスター版公開時における日本でのキャッチコピーは、「権力という孤独 愛という哀しみ 男という生き方」。 家族の愛と絆、義理と人情、忠誠と裏切り、金と権力などが交錯するなかで揺れ動く人生の機微や人間社会の模様をイタリア系移民の裏社会を通して描き出した、一大叙事詩の第1章である[4][5]。 20世紀半ばにおけるアメリカの移民社会やマフィア暗躍時代の実態をギリシア悲劇[6]やシェイクスピアやドストエフスキーにも通ずる格調高い年代記としてまとめ上げられた脚本に[7]、19世紀の豪華なオペラ様式[8]や黒澤明[注 1][11]の影響を示唆させる複数の対照的要素が連続的および並列的に配置されたダイナミックな物語の構図[13][14]、イタリア系を中心とした個性的な俳優陣によるリアルで重厚な演技[15]、忠実に再現された戦後間もないアメリカやシチリアの雰囲気を秀逸なカメラワークと郷愁的色調やフィルム・ノワール[16]ならびにドイツ表現主義[17]的陰影に満ちた照明で捉えた芳醇な映像美に[18][19]、ニーノ・ロータによる叙情的な旋律の劇伴など[20]、その画期的な作風で新たな映画芸術を確立した。 公開されるや当時の興行記録を塗り替える大ヒットになるとともに評論家や映画関係者からも高い評価を受け、同年度のアカデミー賞において9部門にノミネート、そのうち作品賞・主演男優賞・脚色賞を受賞、劇伴は同年度のグラミー賞 映画・テレビサウンドトラック部門を受賞した。 テレビ放送の普及による米国映画産業の衰退を打開したブロックバスター映画の発端となる作品であると同時に[21]、芸術的なこだわりが強い映画であっても興行的に成功できることを世界に証明した[22]。また、監督から脚本家から俳優や音楽担当に至るまで多くのイタリア人が製作に関与した映画であり、これまでのハリウッドに当然のように蔓延していたホワイトウォッシング(白人以外の役を白人が演じること)を打開した先駆的作品とも考えられている[注 2][15]。 1990年には、「文化的、歴史的、また芸術的に重要である」としてアメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録された。2006年には、フランシス・フォード・コッポラ監督および撮影監督のゴードン・ウィリスによって、ネガフィルムの大規模な修復プロジェクトが1年半かけて行われ、その出来も高い評価を得た[23][24]。 「ゴッドファーザー」(またはゴッドマザー、ゴッドペアレンツ)とは、日本語版では原作、映画共に「名付け親」と訳されているが、正式にはキリスト教(特にカトリック)文化において洗礼式に選定される代父母のことであり、その後の生涯にわたって第二の父母として人生の後見を担う立場である[注 3]。
概要