ゴクウ
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この項目では、寺沢武一の漫画について説明しています。その他の「ゴクウ」については「ゴクウ (曖昧さ回避)」をご覧ください。

ゴクウ
ジャンルSF漫画
漫画
作者寺沢武一
出版社幻冬舎コミックス
掲載誌コミックバーガー
レーベルバーガーSC
巻数全4巻
OVA:ゴクウ / ゴクウII
原作寺沢武一
監督川尻善昭
キャラクターデザイン川尻善昭(『I』)、浜崎博嗣
メカニックデザイン岡村豊(『I』)、佐野浩敏(『II』)
アニメーション制作マッドハウス
製作スコラ・寺沢プロダクション・東映ビデオ
発売日1989年
話数全2話
テンプレート - ノート

『ゴクウ』(MIDNIGHT EYE ゴクウ)は、寺沢武一漫画作品。バーガーSCから全4巻(デラックス版は全3巻)が出版された。
概要

1987年からスコラの漫画雑誌『コミックバーガー』にて連載された。2014年の東京を舞台に、ふとしたことがきっかけで左目に「神の目」と言われる全てのコンピューターにアクセス可能な端末を埋め込まれた探偵・風林寺悟空の活躍を描いた、SFハードボイルドアクションである。青年誌の連載ということもあり、寺沢がこれまで集英社の『週刊少年ジャンプ』で執筆していた作品よりもエロティックかつバイオレンス描写が多い。また、敵キャラクターのデザインなどには、同時期に『フレッシュジャンプ』(集英社)で連載していた『鴉天狗カブト』と同様、あるいは類似のものが登場している。

1987年当時から見た「すべてのものがコンピューターにリンクされた近未来」を描いた作品であり、今でいうIoT化が進んだ社会を先取りした世界観となっている。一方で、連載当時はまだソ連が国家として存在していたため、劇中にも国名などの情勢は現在からみると過去の設定が描かれている。
ストーリー

時は2014年、所は大震災後の東京シティ。

元刑事の私立探偵・風林寺悟空は、警察時代の同僚が次々に自殺する事件を追跡中、上層部からストップを掛けられる。忠告を蹴って調査を続けるが、敵に捕まり同僚の刑事たちと同じように自殺に見せかけて殺されそうになる。自殺の原因は、敵の刺客による強制催眠術だった。悟空は咄嗟の判断で自ら左眼を刺しその罠から逃れる。

その経緯を観察していた謎の存在は、可視光線はもとより赤外線・紫外線・エックス線まで感知可能なセンサーを持ち、ファイアーウォールさえ突破して全世界のネットワークにアクセス可能な超高性能コンピューターの小型端末機が組み込まれた義眼、そしてその義眼で制御する伸縮自在の金属棒“如意棒”を悟空に与えた。コンピュータに支配された現代世界では、その気になれば世界を破滅に導くことも可能な“神の目”を手に入れた悟空は、その力を使い様々な事件の調査解決に乗り出す。
登場人物
主要人物

※OVAに登場したキャラクターは、声優も併せて記載している。
風林寺悟空
声:
松田重治本作の主人公。33歳独身。通称ゴクウ。メガロポリス東京都警きっての腕きき刑事だった。現在は世田谷のビルに探偵事務所を開いている。刑事時代には新宿を根城にしていたマフィアの1つ、ドン・レオファミリーを一人で壊滅させた過去もある。武器商人・白竜幻二の刺客・孔雀の強制催眠によって自殺させられかけたが、催眠効果の発生源を孔雀の羽根と見抜き、「あの羽根を見てはいけない」と自らの左目をナイフで刺して潰し、視力を失うことで催眠から逃れた。この時、その行為を“面白い男だ”と評した謎の存在(声:家弓家正)率いるグループによって救われ、失った左目に全世界のあらゆるコンピュータをハッキング可能で、かつ各種の高性能センサーも組み込まれた神の目(眼球型の小型端末)と、無限に伸縮自在で制御可能なエネルギー衝撃波を射出できる携帯武器如意棒を与えられる。 如意棒はその無限伸縮機能を利用してしばしば移動手段として使われる。クールでウィットに飛んだジョークが得意。ゆえに女性にはもてるが、スリルの中に生きがいを見出すタイプで、一夜のアバンチュールで終わることが多い。宝蔵院裏流の使い手。裏流の中の棒術なのか、裏流が棒術のみなのかは不明だが、敵方の裏流使いも棒術使いであるため、裏流は棒術であると思われる(表が槍術、裏が穂先が折れた槍での棒術とすると整合性は付く)。作中に登場する技は、宝蔵院裏秘流五行風林のみ。常人には計り知れないタフネスさと運動神経を誇る。作中でゴクウが使用しているような義眼型端末はまだ実現していないが、コンタクトレンズ型端末は、2014年6月にGoogleが開発中であることを明らかにしている。
各編の人物
洋子編
矢吹洋子
声:
小山茉美エピソード「洋子」のヒロイン。メガロポリス東京都警特捜班に所属する警察官。武器商人の白竜幻二を捜査していたが、孔雀の強制催眠に操られた挙句、張の放った「毒蚊」に刺され死亡した。
白竜幻二
声:若本規夫表向きはクラブとカジノを経営する実業家。裏では各国に兵器を売り歩く死の商人であり、人間の吐く二酸化炭素に反応する「毒蚊」、渡り鳥によって媒介する「マイズス菌」などを扱う。
孔雀 / ピーコック
声:寺瀬めぐみ白竜の部下。孔雀に似た羽を身に纏っており、その先に付いた目に視線を合わせた者を強制催眠状態にし、意のままに操る能力がある。洋子の同僚である特捜班のメンバーを自殺に見せかけ殺害したほか、悟空も同様の手口で殺害しようとした。洋子を救出しに来た悟空と再び対決するが、“神の目”までは欺けずあっさり倒される。

声:郷里大輔白竜の部下。悟空によって倒されるが、死に際に「毒蚊」を放ち矢吹洋子を殺害。
Dr.山崎
声:永井一郎白竜の部下。兵器開発を担当。悟空によって倒される。
局長
声:寺島幹夫メガロポリス東京都警局長。
田宮
声:屋良有作東京都警特捜班のメンバー。悟空の元相棒。白竜の捜査中に孔雀の手にかかり、自身の銃で自殺をする。
松下
声:戸谷公次東京都警特捜班のメンバー。孔雀に操られた作間によって、ビルから突き落とされ死亡する。
作間
声:池水通洋東京都警特捜班のメンバー。望遠レンズで白竜ビル内を監視していた際に孔雀の手にかかり、松下殺害後に飛び降り自殺をする。
兵藤、コナーズ、丹波
東京都警特捜班のメンバーたち。白竜の捜査中に全員死亡している。
検視官
声:山寺宏一
内村
声:戸谷公次闇組織の会計士。
ジェーン
声:寺瀬めぐみ闇組織のボスの女。
良子編
門間良子
声:
藤田淑子エピソード「良子」のヒロインで国防局の特殊工作部隊員。野沢良子と名乗り、悟空に兄・リュウの捜索を依頼した。特殊工作部部長・門間善蔵の養女。善蔵と対峙したリュウをかばい死亡。
リュウ
声:郷里大輔良子の兄。善蔵の養子であるが、善蔵の実験に使われ怪物と化した。パワーバリアの能力を持ち、通常の銃弾は通用しない。獣人化現象のため、中和剤を投与しないと人格を維持できなくなっている。善蔵によって出生の秘密を知らされるも、直後に良子と共に殺害された。
門間善蔵
声:小林清志国防局・特殊工作部部長であり、VIP 護衛用の特殊サイボーグ開発に関わる。リュウを人体実験の被験者にした上で自らにパワーバリアを備えた。リュウと対峙した際、リュウが良子の母胎を使用し善蔵の細胞から作られたクローンであることを告げる。悟空によってリュウ用に開発した最新兵器「次元移動ミサイル」を体内に転送され、爆死した。
磯崎
声:二又一成国防局・特殊工作部主任。リュウに殺害される。
ナオミ
声:冬馬由美歌手。
工作員
声:田中和実
監視員
声:平野正人
暴走族ヘッド
声:戸谷公次

声:河合義雄
女の子
声:半谷きみえ
レイラ編
篠塚レイラ
エピソード「レイラ」のヒロインで、ロックシンガー。山神リサに命を狙われており、悟空にボディーガードを依頼する。
山神リサ
地下ロックの女王であり、暴走族・横浜銀鬼のヘッド。自身の曲を盗作したとして、レイラの命を狙う。しかしその正体は「紫液丹」の服用によって生み出されたレイラのもう一つの人格。
陳宮
新宿中華街の漢方薬店店主。「レイラ」に疲労回復薬と称して「紫液丹」を与えるが、その正体は「分裂性幻覚誘発剤」である。「リサ」を客寄せとした地下ロックのコンサートを主催し、そこで麻薬を売りさばいている。コンサートの最中に正気に戻った「レイラ」を追い、殺害しようとする。
ゆう子編
玄奘ゆう子
エピソード「ゆう子」のヒロインで、東京工科大学で超物理学を専攻する研究者。「天童女」について調査しており、その撮影に成功したことにより命を狙われる。
九鬼洋助
人工衛星メーカー・九鬼電子工業社長。奥多摩湖上に自社の工場と人工衛星の打ち上げが可能な大規模施設を所有している。その実体は古来より代々続く忍者・九鬼一族の現首領にして異能者(超能力者)。「ガウス衛星」に似せた戦略ステルス衛星の打ち上げによって世界制圧を目論む。なお、彼の配下である忍者のデザインは『
鴉天狗カブト』に登場する黒夜叉の戦闘員と同様である。
天童女
術法者が念によって作り出した「念魂」と呼ばれる神出鬼没のエネルギー体。九鬼の夭逝した母親の姿をしている。どんなセンサーにも反応しないが、現れる時にはジャコウの香りが漂う。
九鬼礼子
九鬼洋助の母。一族の中でも最高の術法者だったが、その代償として代々の術法者の精神が1つの体に同居することになり、14歳で九鬼洋助を産み落とした後、精神崩壊を起こしてそのまま死亡。しかしその精神体は精神転送装置で人工頭脳に転送されている。
右陣鬼、左陣鬼
玄奘ゆう子を狙って九鬼一族が刺客として放った忍者。2人一組で行動する。体がサイボーグ化されていて、首だけになっても相手に噛み付いてくるしぶとさを見せる。自らが死んでも雷爆びしで相手を道連れにしようとする。
岩鬼
玄奘ゆう子を狙って九鬼一族が刺客として放った忍者。レアセラミック製の体をもつ大型のサイボーグ忍者。多節棍としても使用可能な金棒「七節金棒」という武器を使う。如意棒を避雷針に見立てた落雷を受けて死亡。もう一人の宝蔵院裏流の使い手。
袁儒
新宿一と噂される占い師。しかしそれはインチキであり、暴力団やシンジケートにオーダーメイドの武器を売りつけている武器商人。九鬼洋助からの依頼を受け、岩鬼の使う「七節金棒」を作った。
法眼坊
九鬼洋助の執事。ガウス衛星のレーザーに撃たれて一度絶命するも、サイボーグとなって復活し悟空を襲撃する。


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