コーアチェラ・バレー
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コーアチェラ・バレー
コーアチェラ・バレー(右中央)の周辺地勢図
アメリカ合衆国
州 カリフォルニア州

コーアチェラ・バレー(: Coachella Valley、発音: [ko?.??t??l?]、コーチェラと表記されることもある)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州の南部にある大きなバレー(川の流域を中心とした平原)である。リバーサイド郡の南東部で、サンバーナーディーノ山脈からカリフォルニア州最大の湖であるソルトン湖まで約45マイル (72 km) にわたって拡がっている。その全長にわたって幅は約15マイル (24 km) あり、西にはサンジャシント山脈サンタロサ山脈、北と東はリトルサンバーナディーノ山脈が境界になっている。南東隅のチョコレート山脈からリトルサンバーナディーノ山脈の中心線に沿ってサンアンドレアス断層がバレーの中を横切っている。この断層は他の山の部分がはげ山になっているのに対して、その北側部分は緑の帯となっていて容易に視認できる。

チョコレート山脈はアメリカ海軍の射撃演習地となっており、その大半は一般の立ち入りができない。インランド・エンパイア地域(リバーサイド・サンバーナーディーノ都市圏と砂漠地帯)と比較した場合に、南に隣接するインペリアル・バレーと区別するために「デザート・エンパイア」と呼ぶことがある。地理学者や地質学者はインペリアル・バレーとコーアチェラ・バレーを併せて、「カウィーア盆地」あるいは「ソルトン・トラフ」(トラフは溝)と呼ぶことがある[1]

コーアチェラ・バレーは地理的に南カリフォルニアの農業とレクリエーションに使われている砂漠バレーである。人口は60万人に近い。人口が400万人を超え、アメリカ合衆国の中でも13番目に大きいインランド・エンパイア[2]に属し、その中ではサンバーナーディーノ大都市圏に次ぎ2番目に大きな小区分となっている。
地理と気候 ジョシュア・ツリー国立公園内、リトルサンバーナディーノ山脈のキーズビューから南方を望む。左奥にソルトン湖(海抜 -70 m)、中央のサンタロサ山脈の手前がインディオ市、その右のサンジャシント山脈の手前がパームスプリングス市。底面部にサンアンドレアス断層が視認できる。右奥は標高11,500フィート (3,500 m) のサンゴルゴニオ山

コーアチェラ・バレーは南西部をサンタロサ山脈とサンジャシント山脈に、北東部をリトルサンバーナディーノ山脈に囲まれている。これらの山脈の峰峰は標高が11,000フィート (3,300 m) 近辺であり、平均すれば3,000フィート (900 m) から4,000 (1,200 m) となる。この山脈があることで南カリフォルニアの他の場所では多い海洋層雲を効果的に止めている。山脈の中の狭い峠を通って、あるいはカリフォルニア湾から北上して海洋からの気象条件がバレー内に入ってくることがある。1976年9月のハリケーン・カスリーンはこの例である。夏季の日中の気温は105 °F (41 ℃) を滅多に下回らない。冬季の日中の気温は70 °F (21 ℃) から90 °F (32 ℃) であり、夜間の気温は50 °F (10 ℃) から70 °F (21 ℃) である。このことで冬季のリゾート地として人気がある。一年中暖かい気候のためにマンゴーイチジクナツメヤシなど熱帯性の果物が生産されることで知られている。

地理的に南東にあるコロラド砂漠が北西に延びてきた位置にあるが、20世紀初期以来100,000エーカー (405 km2) 以上の灌漑を行い、広大な農業地帯となってきた。コーアチェラ・バレー水資源地区の2006年報告書では、このバレーの農作物年間生産量は5億7,600万ドル以上となり、1エーカーあたりは約12,000ドルとなっている[3]。1938年から1948年にオールアメリカン運河の支流として建設されたコンクリート水路であるコーアチェラ運河によって、コロラド川の水がこのバレーにもたらされた。ロサンゼルス市やサンディエゴ市に飲料水を導くコロラド川用水路がリトルサンバーナーディーノ山脈の基底部に沿って、バレーの北東端を通っている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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