コンビクトシクリッド
保全状況評価[1]
DATA DEFICIENT
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
Archocentrus nigrofasciatus
Cichlasoma nigrofasciatum
Cryptoheros nigrofasciatus
Heros nigrofasciatus
英名
Convict cichlid
コンビクトシクリッド(学名:Amatitlania nigrofasciata) は、スズキ目・シクリッド科に分類されるシクリッドの一種。日本の沖縄県に定着する外来種で、中央アメリカ原産。観賞魚として人気で、魚類の行動に関する研究においてよく用いられる[2][3][4]。 本種はフレデリック・デュ・ケイン・ゴッドマン
分類
コンビクトシクリッドは分布域の中でも体色の差異が非常に大きい[8][9]。近年ではこうした地域間での差異に基づいて、いくつかの種が本種から分割されている[6]。それぞれの分布域は以下の通り[6]。
Amatitlania siquia - ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカの大西洋側
Amatitlania coatepeque - エルサルバドルのCoatepeque湖
Amatitlania kanna - パナマの大西洋側
右の分類表に示したように、本種にはいくつかのシノニムが存在する[10][11]。
英名の「コンビクトシクリッド」(Convict cichlid)、つまり「囚人のシクリッド」とは魚体にある黒い帯がイギリスの囚人服に似ていることに因んだものである。種小名のnigrofasciatusは「黒い帯のある」という意味である[12]。
形態本種の白変個体(若いオス)
背鰭には17本から19本の棘条と7本から9本の軟条が、臀鰭には8本から10本の棘条と6本から7本の軟条が存在する。椎骨数は27から28である[2]。
野生個体は青色から灰色の体に8本から9本の黒い帯が入り、鰓蓋には黒い班がある[2]。性的成熟に達すると、性的二形を示すようになる。オスはたいてい灰色の体に薄い黒の縞が入る。オスはメスよりも大きく、腹鰭と背鰭そして尻鰭がより尖っている。魚類としては珍しく、メスの方が体色が鮮やかである[13]。メスはオスよりも濃い黒色の縞が入り、腹部と背鰭にピンクからオレンジの色がついている[14][15]。
尾鰭を除いた標準体長は野生下の成熟したオスで平均6.3cmから6.6cmで、メスでは平均4.2cmから5.5cmである[13]。最大体長は標準体長で10cmと報告されており、全長では約12cmになる[2][16]。体重は34gから36gと報告されている[2]。
人間による品種改良によって突然変異が固定された、白変個体も存在する[14][17]。
分布移入分布するオーストラリアにおいて釣り上げられた本種
中央アメリカ(グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマ)の湖や河川に分布する[3]。本種は水の流れのある場所を好み、また岩や沈んだ小枝などで覆われた場所を住処とすることが多い[18]。コスタリカにおける本種の生息地4箇所における調査では、pHは6.6から7.8、GH(総硬度)はCaCO3換算で63ppmから77ppm、毎日の水温は26℃から29℃の水域に生息していた[13]。本種は低水温にも比較的耐性があり、標高1500mほどの位置にある火山湖にも生息している[19]。 本種は自然分布域以外にも、レユニオン島[2]、日本(沖縄県)[3]、メキシコ[11]、オーストラリア[20]、アメリカ合衆国[21][22]、台湾[23]、イスラエル[24]に移入分布する。
移入分布