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コンビニコミックは、既に単行本になっている作品を、まとめて簡素な装丁などで安価に再出版した漫画。
主にコンビニエンスストアで販売されている。特に統一された名称があるわけではなく、廉価版コミックス、ペーパーバックタイプコミックスともいう。書店などでは、普通のコミックとは違い雑誌コーナーなどに置かれているケースが多い。コンビニ向けの商材として始まったが、出版社の新古書店・古本屋対策も兼ねている。 1999年7月、小学館が〈My First BIG〉(MFB)の販売を開始したのを皮切りに、漫画を発行する出版社のほとんどが販売するようになり、毎月多数の作品が販売され続けている。MFBはコンビニで弁当と飲み物と一緒に買っても1000円に収まる価格帯を設定したという[1]。 日本最初のコンビニコミックは、その呼称ができる前の1970年から刊行が始まり、今も続き一般に「別冊ゴルゴ」と呼ばれる『別冊ビッグコミック 特集ゴルゴ13シリーズ』で、『ゴルゴ13』の総集編をB6判平綴じのペーパーバック形式[2]で発行、年4回刊行している。 ペーパーバックの一種であり、装丁は簡易な厚紙の外装のみで、普通の漫画単行本と違い、コスト削減のためカバーはついていない。 綴じ方は無線綴じ、サイズはB6が基本だが、収録作品が4コマ漫画やショートギャグのもの、あるいは一部の出版社ではA5や文庫も使われる場合もある。厚さは同じ出版社であっても作品ごとに大きく異なり、値段も厚さに応じて300円から1000円と幅がある。雑誌扱いの発売となり、主な卸先はコンビニエンスストアである。
概要
集英社を始め、少年誌や青年誌の連載作品が多いが、少女漫画を収録する出版社もある。また、成年向け漫画を収録する出版社もあるが、全年齢対応のための自主規制によって、さらなる修正が加えられる。
ラインナップは既に単行本化されている作品の再出版が多いが絶版作品から続刊中の作品まで幅広く発行されている。再出版作品であっても書き下ろしの解説やコラム、単行本未収録のエピソード、描き下ろし漫画を収録するなどして、付加価値をつける場合がある。また、未単行本化作品や描き下ろし作品がこの形態で刊行されることもある。
描き下ろしのものには後述するように過去の重大事件や怪談・都市伝説などを漫画化したものや、いわゆるゴシップ的な芸能人や特定の団体等の逸話や詳細を漫画化したものが多い。出版社が雑誌とは別に、新人賞の優秀作や若手作家の作品など商業誌未公開の短編作品や、電子書籍などインターネット上でのみ配信されている作品をまとめて収録した、単行本代わりの書籍媒体として刊行することもある。
当初は基本的に初版のみで、重版されることは少なかったが、アンコールと称し再版を重ねることも多くなっている。西岸良平や植田まさしなど短編やショートギャグの多い作家の作品では、重版や装丁を変更して再刊行される場合もあるほか、映画化やTVドラマ化などでタイアップ版が刊行される場合もある。
発行日や発行計画が厳密に決まっているわけではなく、どの号から読んでもそれなりに楽しめる方がよいため、長大なストーリーの漫画よりも、『ゴルゴ13』や『美味しんぼ』のように、1話?数話(数十ページ)でひとつのエピソードに区切りをつけ完結させる、読み切り形式の漫画がコンビニコミックに向いているといえる。
複数の出版社に跨り関連作品を刊行し、互いに宣伝しあうなどの展開を行うことも増えつつあり、2009年4月より「サイボーグ009」コンプリートコレクションと称し、秋田書店、角川書店、講談社、小学館の4社連動のリレー形式による、コンビニコミック全11巻からなる全集が刊行された[3]。この他にも秋田書店、小池書院、双葉社が連動したダイナミック・プロ作のスーパーロボット漫画や、講談社、秋田書店が連動した水島新司作の『野球狂の詩』と『ドカベン』のクロスオーバー作品などがある。これ以外に、雑誌名義で複数の連載作品の再編集版[4]を刊行したり、ルポ漫画など作者名を冠したシリーズ本を複数の出版社から刊行している場合もある。
出版社別の名称と代表的な作品