コンテナハウス
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フィンランドラハティにあるコンテナで構築された集合住宅スコットランドダンディーにあるコンテナで構築されたオフィス

コンテナハウス(和製英語:ContainerHouse 英語:Shipping container home[1])とは、主に海上コンテナを利用して建築された住居。内外装を改装した上で住居として使用したり、複数個積み重ねて多階層化されることもある。日本でISO規格コンテナ建築基準法に定められたJIS規格の鋼材でない点や[2][3]、外板に使用されるコルゲート(波板)に開口部を設けると強度が落ちることから[4]、使用されるコンテナは全てJIS規格コンテナとなっている。また、基本的に設置に関し建築基準法の適用を受けるため建築物としての許可申請が必要となる[5][6]。ちなみにJIS規格コンテナは中古コンテナ業者によって一般向けに販売[7]されており、こちらでも「建築許可申請が通るコンテナ」として宣伝されている。

重量物を輸送するため設計された構造物となり、堅牢な鉄骨で作られた箱となるため非常に頑強であり、海上輸送で使用されるため塩害に強く、長期間の使用に耐えうる特徴を持つ。英語ではこれら輸送コンテナで建設された建築物の総称として(Shipping container architecture)から、カーゴテクチャー(Cargotecture)またはアーキテナー(Arkitainer)とも呼ばれる。
概要コンテナを組み合わせた「コンテナシティT」の概要図オランダアムステルダムに建設された学生寮

輸送コンテナは、頑丈で耐久性があるうえ積み重ねて使用することができ、切断や切削加工も可能であり、可動式のモジュール構造となるうえ、流通量が多く比較的安価であるため、多くの点で理想的な建築材料とされる。建築家や利用者は、コンテナを使用したオフィスアパート学校、アーティストのスタジオ避難所のほか、プールとしての利用も行われている。また、シェルターを構築する代わりに、建設現場やその他の場所に「現状のまま」輸送コンテナを設置することで一時的な避難場所としての提供も行われている。

未来派であるアメリカ人作家スチュワート・ブランドは、建築に関する進化をまとめた書「How Buildings Learn」を上梓する際、必要となった全ての建材を組む場所として輸送用コンテナを工房として使用しており、その製作過程も自書に記述されている。

2006年南カリフォルニア建築家であるピーター・デマリア(Peter DeMaria)は、アメリカの建築基準法である「Uniform Building Code(UBC)」を遵守し政府の認証を受けた初となる2階建てのコンテナハウスをレドンビーチに建設している。この初となるコンテナハウスは、後のコンテナハウス建設を専門とする企業、ロジカル・ホームズ(Logical Homes)社の創設に大きな影響を与えている。2007年、ロジカル・ホームズはネバダ州ラスベガスで開催されたコンピューター国際見本市のため、コンテナを使用した展示ブースとなる「the Aegean」の製作を行っている。

アダム・カルキン(Adam Kalkin)らの建築家は廃棄されたコンテナを利用した自作の家の建設を行っている[8]2000年、アーバンスペースマネジメント社は、ロンドンタワーハムレッツ区の埠頭に「コンテナシティI」と呼ばれた建設プロジェクトを行っている。2002年には、ISOコンテナで製作された浄化槽の稼働が開始されている。製作にコンテナを使用したことでその後のカスタマイズが容易となっている。MBA学生であったブライアン・マッカーシーは、2000年代メキシコへ経営視察に行った際、シウダー・フアレスの貧困街を目の当たりにしており、これを契機にマッカーシーはマキラドーラ制度が機縁する低所得者層向け住宅の建設を行っている[9]IBMで使用される40フィートの移動式データセンター

2006年、オランダのテンポハウジング社はコンテナを1,000人分の学生寮に転用した世界最大のコンテナ村をアムステルダムに建設している[10]。この他、ヴィレッジ・アンダーグラウンド社はロンドンのショーディッチに非営利目的でのアーティスト向けワークスペースの建設を行っている。その後、コンセプトの発展形として、アウロ・フォクスクロフト(Auro Foxcroft)社がロンドン地下鉄客車を建設されたコンテナハウスに追加するというアイデアを試みている。

イギリスでは砂を詰めたコンテナを変電所の事故に対するバリケード土嚢)目的として設置している。

2013年10月、Googleは自社が所有するコンテナを用いた式のデータセンターとなる「Google Modular Data Center」を建設しメディアの注目を集めている[11]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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