コロンビア川(コロンビアがわ、Columbia River)は、カナダのブリティッシュコロンビア州およびアメリカ合衆国太平洋岸北西部を流れる川である。
ブリティッシュコロンビア州のカナディアンロッキーに源を発する。そこからアメリカ、ワシントン州を流れ、ポートランドにて支流のウィラメット川を合わせ、オレゴン州のアストリアにて太平洋に注ぐ。最後の480kmはワシントン州とオレゴン州の境界となっている。
コロンビア川には、ボンネビル・ダム、グランドクーリーダムなどの水力発電用のダムがある。
マンハッタン計画以来半世紀間操業したハンフォード・サイトのプルトニウム生産炉による放射能汚染が深刻な問題となっている。 コロンビア川の2,000キロメートルに及ぶ旅路は、ブリティッシュコロンビア州内のロッキー山脈トレンチ
流路
ワシントン州東部(英語版)に入り、コロンビア川はスポケーン川(英語版)の合流部で南から西へと向きを変える。川はコルビル・インディアン居留地(英語版)の南限と東限となっており、また、スポケーン・インディアン居留地(英語版)の西限ともなっている[2]。オカノガン川(英語版)と合流した後で川は南に向きを変え、州の中央部でワナッチー川(英語版)との合流後、南東に向かう。このCの字を描く流路の区間も“ビッグ・ベンド”と呼ばれている。1万年から1万5千年前にかけて繰り返し発生したミズーラ洪水(英語版)により大量の水流が直接南へ流れ、グランドクーリー(英語版)と呼ばれる古代の河床を形成した。洪水期がおわると、川は現在の流れとなり、グランドクーリーは乾燥していった。20世紀中葉にグランドクーリーダムが建設され、ルーズベルト湖(英語版)が誕生した。また近くの涸れ谷(クーリー)(英語版)に湖水が汲み出され、バンクス湖(英語版)という人造湖が造られた[3]
その後、川は渓谷円形劇場(英語版)(州北西部の著名なコンサート会場)の横を流れ、プリースト・ラピッズ・ダム(英語版)を通りぬけて、そしてハンフォード核保留地に至る。保留地内全体はハンフォード・リーチ(英語版)といい、アメリカ国内で唯一完全にダムによる制御や河口の潮汐などの影響をうけること無く、川が全く自由に流れている区間である。トリシティズ都市圏でスネーク川とヤキマ川(英語版)と合流した後、コロンビア川はワシントン=オレゴン州境となり、急な屈曲部を西へ流れていく。川は河口に到るまで497キロメートルにわたる州境を画定している[4]。コロンビア川峡谷(2009年5月撮影)。ビーコン・ロック(英語版)のある東側を向いている。
オレゴン州のザ・ダルズ近郊で、デシューツ川(英語版)と合流する。ザ・ダルズとポートランドの間で、コロンビア川はカスケード山脈を横断し、雄大なコロンビア川峡谷を形作る。