コップ座
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コップ座Crater
コップ座の恒星
属格形Crateris
略符Crt
発音英語発音: [?kre?t?r]、属格:/kr??t??r?s/
象徴the Cup
概略位置:赤経11
概略位置:赤緯−16
広さ282平方度[1]53位
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数12
3.0等より明るい恒星数0
最輝星δ Crt(3.56
メシエ天体数0
確定流星群Eta Craterids
隣接する星座しし座
ろくぶんぎ座
うみへび座
からす座
おとめ座
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コップ座(コップざ、Crater)は、トレミーの48星座の1つ。暗い星座で3等級以上の明るい星はない。
主な天体
恒星「コップ座の恒星の一覧」も参照

以下の恒星には、国際天文学連合によって正式な固有名が定められている[2]

α星:4等星。アラビア語で「(ワインを飲むための)カップ」を意味する言葉に由来するアルケス(Alkes)という固有名を持つ。

WASP-34:10等星。国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」でフィリピンに命名権が与えられ、主星はAmansinaya、太陽系外惑星はHaikと命名された。

HD 98219:8等星。国際天文学連合の100周年記念行事「IAU100 NameExoworlds」でホンジュラスに命名権が与えられ、主星はHunahpu、太陽系外惑星はIxbalanqueと命名された。

由来と歴史

少なくとも紀元前1100年頃のバビロニアの星図では、コップ座の星々は隣のからす座の星々と共にワタリガラス (MUL.UGA.MUSHEN) の中に組み入れられていたと思われる。イギリスの研究者ジョン・ロジャース (John H. Rogers) は、バビロニアの大要『MUL.APIN』において、コップ座やからす座と隣接するうみへび座が冥界の神Ningizzidaを表していたことに着目し、「うみへび座は冥界の門を表しており、うみへび座に隣り合うからす座とコップ座の星々は死の象徴であった」としている[3]。からす座とコップ座、うみへび座の組み合わせはギリシアに引き継がれ[3]、中近東から古代ギリシャや古代ローマに広がったミトラ教にも受容された[4]
神話1690年に出版されたヨハネス・ヘヴェリウスの Firmamentum Sobiescianum, sive Uranographia に描かれたコップ座とからす座

紀元前3世紀アレクサンドリアの学者エラトステネースの『カタステリスモイ (: Καταστερισμο?) 』や帝政ローマ期初期の詩人オウィディウスの『祭暦 (: F?st?) 』は、アポローンに仕えたカラスにまつわるエピソードの中でコップ座の由来について以下のような話を伝えている[5]。ゼウスに生け贄を捧げようとしたアポローンは、配下のカラスに水を汲みに行くように命じた。カラスは水を汲みに行く途中に、まだ熟していないイチジクの実を付けた木を見つけた。数日間待って熟した実をたいらげたカラスは、アリバイ工作のため泉にいた蛇を捕まえてアポローンの下に連れていき、蛇に邪魔されて水を汲めなかったと言い逃れしようとした。しかしアポローンはその嘘を見抜き、カラスに渇きの罰を与えた。そしてアポローンはこの事件を遺すため、カラス、盃と蛇を一緒に空へ置くこととした。このエピソードでは、盃はコップ座、蛇はうみへび座となっている[5]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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