テレビ番組・中継内での各種情報(終了した番組・中継を含みます)は、DVDやBlu-rayなどでの販売や公式なネット配信、または信頼できる紙媒体またはウェブ媒体が紹介するまで、出典として用いないで下さい。検証可能性に基づき除去される場合があります。
コタツ記事(こたつきじ、炬燵記事)とは、ジャーナリストやライター、記者が現地に赴いて調査を行ったり取材対象者に直接取材したりすることなく、インターネットのウェブサイト、ブログ、掲示板、SNS、テレビ番組などの他媒体で知り得た情報のみを基に作成される記事の通称。対義語はフィールドワーク。
『デジタル大辞泉』においては、「独自の調査や取材を行わず、テレビ番組やSNS上の情報などのみで構成される記事」と定義づけられている[1]。SNSで取材先を探し、取材者から聞いた「個人的意見」の検証・裏取りをせず、内容をそのまま記事にするケースも増えている。
概要が編み出した造語であり「ブログや海外記事、掲示板、他人が書いた記事などを“総合評論”し、コタツの上だけで完結できる記事の事」と定義している[2][3][4]。この特徴はバイラルネットメディアがSNSにてバイラル・マーケティングのためにネットユーザーの興味を引いてページビュー(PV)を稼ぐことのみに特化し、見出しもユーザーにクリックさせるためにセンセーショナルなタイトルを付けるが、記事の中身がほとんどないものが多数存在する。
当初、一般的な語彙としては広まっていなかったが、Webライター界隈では潜在的な問題としてSNS上で議論の的になっており、元ITmediaのライターであった岡田有花が自身の取材手法などを省みてTwitterのツイートで発信し[5]、Webメディア業界の人間で議論したことを本田が2020年に改めて振り返り、前述の件をはてなブログの匿名ユーザーからTwitterのリプライで質問され[4]、語彙についての経緯を掘り返して連続リプライで返答したあと、匿名ユーザーのエントリーの中で「ネットで生まれた俗語が朝日新聞によって権威化」されたことでWikipediaの当該頁が誕生したと自身のメールマガジンで振り返っている[6]。
2014年9月にライターのヨッピーが、ブロガーで情報商材販売員のイケダハヤトが挑発的に執筆した「人のコンテンツをパクるのが何故いけないのか?!」というブログのエントリー[7]に対して反駁した自身のブログのエントリーにて、イケダが執筆する記事はパクる価値は無く「コタツに入ったままでも、9割方2時間で執筆出来る質の記事」の事を指し示し[8]、広まっていった。なお、ヨッピーはお出かけメディア「SPOT」の編集長であるが、コタツ記事が1本5000円以下で作れてしまうため、PV争いから一歩距離を置き、クオリティを重視することを心がけているとしている[9]。
また、ChatGPTやMicrosoft Copilotなどといった生成AIの出現により、自然言語処理の技術が大幅に進歩してきた昨今においては、コタツ記事をAIが自動的に作成していることも少なくない。コタツ記事ライターがAIの書いた原稿を参考にして執筆することもある。 主に、Webライターの副業やジャーナリスト、ライター志望の人間が文章の書き方を学ぶトレーニングの一環として執筆する場合がある。記事の配信元の編集者から、文字数が1500文字で引用先のSNSアカウントまで指定して発注される[10]。それを元にライターが指定先のSNS投稿とSNS内のネットユーザーの反応を閲覧して記事を執筆する。 放送番組の発言を孫引きするケースは、ネットニュースが盛んではなかった2000年代前半でも紙の新聞紙面において、特定芸能人や政治家が出演した討論番組の内容を引用するケースは存在していた。また、放送番組については前述のメディアの人間が少ない地方ローカル局で発言の制限を気にせずローカル局の番組に出演する時代もあったが、2010年代以降はテレビ番組の再配信Webサービスが展開しだし、ネットニュース化されるケースも出てきて自身の発信方法に影響する場合もある。しかし、ネットサービスで著作権許諾を得ず、ラジオ番組の文字起こしを始めた事で疑義を呈するネット記事が配信されて以降[11]、各ラジオ局は2015年以降、放送局公式のニュース記事を配信サービスを開始したが[12][13]、コタツ記事が減る訳ではなく、放送局スタッフが「査読・校正」の作業の段階を踏むこととなった。
背景