コウヤマキ
1. コウヤマキ
保全状況評価[1]
NEAR THREATENED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
属: Sciadopitys Siebold & Zucc. (1842)
種: Sciadopitys verticillata (Thunb.) Siebold & Zucc. (1842)[6][7]
シノニム
Pinus verticillata (Thunb.) Siebold (1830)[6]
Podocarpus verticillatus (Thunb.) Jacques (1837), nom. illeg.[6]
Taxus verticillata Thunb. (1784)[6]
Sciadopitys verticillata var. pendula Bean, 1914[6]
Sciadopitys verticillata var. variegata Gordon, 1862[6]
和名
コウヤマキ(高野槇[8]、高野槙[9]、高野[10]、高野麻幾[11])、マキ(槇、槙)[12][13][14][注 2]、ホンマキ(本槇)[3][15][注 2]、クサマキ(草槇)[16][注 2]
英名
Japanese umbrella-pine[17], umbrella-pine[17], Japanese table-pine[17]
コウヤマキ(高野槇、学名: Sciadopitys verticillata)は、裸子植物マツ綱に分類される常緑針葉樹の1種であり、現生種としては本種のみでコウヤマキ属、コウヤマキ科を構成する。ホンマキともよばれる[注 2]。2個の葉が合着したものと考えられている特殊な線状の葉が多数輪生状につく(図1)。観賞用に世界各地で植栽されている。材は古くから利用されており、古墳時代の棺に広く用いられていた。その名が示すように高野山との関わりが深く、供花の代用とされる。コウヤマキ類は中生代から北半球に広く分布していたが、現在では日本固有種であるコウヤマキのみが生き残っている。 常緑性の高木であり、大きなものは高さ30?40メートル (m)、幹の直径 1 m になる[3][12][18][19](図1, 2a, b)。材は樹脂道、樹脂細胞など木部柔細胞を欠く[20][2]。放射仮道管
形態
長枝と短枝がある。ふつうの枝は長枝であり、互生、褐色で卵状三角形(長さ約2ミリメートル (mm))の鱗片葉がらせん状につき、長枝の節に多数の短枝が輪生(鱗片葉に腋生)、短枝の先に大きな線状葉がつくため、長枝に多数(10?45本)の葉が輪生しているように見える[3][12][18][21][2](下図3)。線状葉は長さ6?13センチメートル (cm)、幅は 2?4 mm、先端はくぼみ、表面は光沢がある濃緑色で中軸がややくぼみ(下図3b)、裏面の中軸にくぼんだ白色の気孔帯がある[3][12][18](下図3c)。葉はしなやかで触れても痛くない[3]。葉の横断面では、くぼみをはさんで両側に維管束があるが、木部が裏側、師部が表側にある[3]。この配置は一般的な葉における木部・師部の配置と逆であり、このことからコウヤマキの葉は2枚の葉が裏返しになって側面で合着したものであるとされることが多いが[3][12][18][21][2][22]、葉ではなく特殊化したシュートとする考えもある[2][22]。