コウホネ
1. コウホネ
分類
コウホネ(河骨、学名: Nuphar japonica[注 1])はスイレン科コウホネ属に属する水草の1種である。底泥中を横に這う地下茎から葉を伸ばし、ふつう水面より上に葉を立ち上げるが (抽水葉; 図1)、水面に浮かべる浮水葉をつけることもある。また水中の沈水葉は細長い。夏になると、長い花柄の先に直径3?5センチメートルほどの黄色い花を咲かせる(図1)。日本固有種ともされ、北海道から九州の浅い池や沼に生育する。
「コウホネ (河骨)」の名の由来は、底泥中を這う白い地下茎が骨のように見えるためとされることが多い (異説もある)。この地下茎を乾燥させたものは川骨(せんこつ)とよばれ、生薬とされる。 多年生の水生植物であり、高さは水深によって異なる[14][15]。地下茎 (根茎) は白くて太く肥大しており、直径1?3センチメートル (cm)、水底の泥中を横に這い、茶褐色の葉痕があり、古い部分は黒褐色をしている[14][2][13][3]。根茎の先端部から葉柄が束生し、葉には沈水葉と水上葉があるが、流水域では沈水葉だけをつけることもある[14][16]。沈水葉の葉柄は短く、葉身は細長く 10?50 × 6?18 cm、薄い膜質で葉縁は波打つ[14][13][16]。水上葉の葉柄は長く、直径 3?9(?14)ミリメートル (mm)、葉身は狭卵形から長楕円形、(12?)20?50 × (5?)10?20 cm、基部は矢じり形、葉脈は羽状で側脈は18?44対、革質で表面は無毛、光沢がある濃緑色、裏面は若いときに少し毛がある[14][2][13][16][3][17][18][19] (下図2a)。北日本のコウホネは沈水葉、水上葉ともに細長く、本州中部以南のコウホネの葉は短い長卵形である傾向がある[16]。水深の浅い場所では水上葉は鋭角に立ち上がって抽水葉になるが (図1, 2a)、深い場所では浮水葉となる[2][13] (下図2b)。ただし流水域では、沈水葉のみをつけることもある[13]。冬季には水上葉は枯れ、水中葉のみを残す。.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}2a. 抽水葉と花2b. 浮水葉とつぼみ 花期は6?10月、長い花柄 (直径 3?6 mm) が地下茎から生じて水上へ伸び、その先端に直径 3?5 cm で上向きに咲く黄色いカップ状の花を1個つける[2][3][13][14][15][20] (図1, 2c, d)。数日開花し、雌性先熟 (雌しべが成熟した後に雄しべが成熟する)[13]。萼片は5枚、黄色 (まれに橙色で特に開花後期に著しい; 下記参照) で大きく花弁状[3][13][20] (図2d)。花弁は多数、黄色く、萼片の半分以下の長さ[3][20][15] (図2c)。雄しべも多数、葯は長さ 3?8 mm、花糸は葯の1?2倍長[2][3][20] (図2d)。
特徴