ゲティ家の身代金
All the Money in the World
監督リドリー・スコット
脚本デヴィッド・スカルパ
『ゲティ家の身代金』(ゲティけのみのしろきん、All the Money in the World)は2017年のアメリカ合衆国・イギリス合作映画。1973年に、当時フォーチュン誌から”世界一の大富豪”に認定されたゲティオイル社社長のジャン・ポール・ゲティの孫が誘拐された実話をフィクションを織り交ぜて描く。監督はリドリー・スコット。出演はミシェル・ウィリアムズ、クリストファー・プラマー、マーク・ウォルバーグほか。クリストファー・プラマーは、過去の犯罪が発覚し降板したケヴィン・スペイシーの代役を急遽演じ、約10日間で該当シーンを撮り終えた。
原作はジョン・ピアースン(英語版)が1995年に発表したノンフィクション『ゲティ家の身代金』(ハーパーコリンズ刊)。日本では、一部暴力描写があるためR15+指定で公開された。 実業家のジャン・ポール・ゲティは中東との石油取引で莫大な富を得るが家族との関係は冷めていた。1973年7月、ローマ。ゲティの孫であるジョン・ポール・ゲティ3世は、夜の街で街娼をあさっているところを、男たちによって拉致される。犯人グループのうち、英語を話せるチンクアンタが監禁したポールの世話係をつとめることになる。 ポールの母親のゲイルは夫と離婚し、息子と共に富豪一族とは離れて生活していた。ゲイルの元に誘拐犯からの電話がかかってくる。身代金は1700万ドルという莫大なものだった。ゲイルはゲティに電話をかけるがゲティは株取引に夢中で応じない。やがてゲイルはテレビニュースでゲティの姿を見る。ゲティは記者たちに向かって、身代金の支払いは断固拒否すると言い放つ。「要求に応じれば他の14人の孫たちも危険に晒される」というのが理由だった。ゲティは、元CIAで現在はゲティのもとで中東の業者との交渉人をしているフレッチャー・チェイスを呼び寄せ、なるべく費用をかけずに孫を取り戻せと指示する。チェイスはゲイルの元に赴く。彼女の自宅はマスコミに囲まれており、世界中の自称誘拐犯からの手紙が送られていた。 ポールの死体が見つかったという連絡を受けゲイルは警察に確認に行くが、それは別人だった。それは犯人グループの一人であり、そこから犯人たちの身元が判明する。警察は隠れ家に向かうが、既にポールは世話役のチンクアンタと共に、別の犯罪グループに売り飛ばされていた。 ポールは監禁された山小屋に放火し、混乱に乗じて脱出し、民家に逃げ込むが、そこで連れ戻されてしまう。リーダーのマンモリティは、ポールの耳を切断し、新聞社に送りつける。 ゲイルは、ゲティが身代金を払うと聞かされ、チェイスと共にロンドンに向かう。ゲティは身代金を貸す代わりにゲティにポールの親権を譲るように要求し、ゲイルはこの条件を呑む。しかし、税制上、イタリアには400万ドルしか送金できないことをゲティは告げる。ゲイルは電話でチンクアンタと交渉するが、チンクアンタは次は足を切ると警告する。 ゲイルは記者会見を開き「身代金は全額払う」と発言する。驚いたゲティはチェイスを問いただすが、チェイスはゲイルの味方をする。ゲティのもとに原油価格が暴落したという知らせが届きゲティはショックを受ける。 ローマに戻ったチェイサーは、ゲティからの「金も子供もやる」という伝言を受け取る。
ストーリー