ゲエズ語
???
創世記29章11-16節
話される国 エチオピア
エリトリア
地域東アフリカ
言語系統アフロ・アジア語族
セム語派
南セム諸語
エチオピア諸語
北エチオピア諸語
ゲエズ語
表記体系ゲエズ文字
言語コード
ISO 639-2gez
ゲエズ語(ゲエズご、Ge'ez、ゲエズ語表記: ??? ????z)は、エチオピアおよびエリトリアの古典語。エチオピア・セム諸語のうちでもっとも古い文献をもつ言語であり、話し言葉として消滅した後もキリスト教の典礼言語および公式の文章語として使われ続けた。ゲーズ語、古代エチオピア語とも呼ぶ。 後にゲエズ語が使用された地域には、紀元前に南アラビアの植民地が発達した。後のアクスム王国の首都になったアクスムの近郊であるイェハに、紀元前500年ごろの古代南アラビア語で書かれた碑文が残っている。しかし、エチオピア・セム諸語が古代南アラビア語から直接発達したわけではない[1]。 アクスム王によるゲエズ語で書かれた長文の碑文が十数個残っており、4-5世紀ごろのエザナ1世とエザナ2世のものがもっとも重要である。このうち6つは子音のみを記す南アラビア文字で、3つは子音のみを記すゲエズ文字(エチオピア文字)で、4つは母音記号を加えたゲエズ文字で書かれている。エザナ2世の初期まではキリスト教徒ではなかったが、後期は一神教(おそらくキリスト教)に改宗し、その子孫は明らかにキリスト教徒である。もっとも新しい碑文は9-11世紀ごろのものと考えられる。ほかにこの時代の短いゲエズ語碑文が230ほど残る[2]。 10世紀以前に書かれた文献は主にキリスト教の宣教のためのものであり、聖書(外典を含む)の翻訳、典礼用の文章、聖人伝、教父の著書の断片、パコミウス
歴史
アクスム王国が滅亡した10世紀にはすでに生きた言語としてのゲエズ語は消滅していたと考えられる。しかしその後もエチオピア正教会の典礼言語として用いられ、また19世紀末まで実質上エチオピアの唯一の公式の文章語でありつづけた[4]。
西暦1000年ごろにエチオピアはエジプトとの関係を確立し、それから1945年までエチオピアのアブナ(大司教)はアレクサンドリア総主教庁(コプト正教会)によってエジプト人が任命されていた。この時代には主にアラビア語から翻訳されたキリスト教文学が花開き、加えてエチオピア独自の世俗文学や宮廷文学が出現した[3]。
現在でもエチオピア正教会、エリトリア正教会(英語版)、エチオピア・カトリック教会(英語版)およびさらにファラーシャ族の奉神礼・典礼での主要な言葉として残っている。しかし、エチオピアではアムハラ語(現代のエチオピアの主な共通語)あるいは他の現地語が、エリトリアおよびエチオピアのティグレ州ではティグリニャ語が、説教に用いられることがある。 ゲエズ語には30種類の子音がある。現在のエチオピアでの伝統的発音はアムハラ語の影響を強く受けており、ゲエズ語本来の音声がどのようであったかは不明な点も多い[5]。 いわゆるセム語の強勢音は喉頭化音、すなわち放出音として実現される。?は通常破擦音 [t?s?]になる。? は起源的にアラビア語の ? および ? に対応するが、本来どのような音であったかは不明である。伝統的な読みでは?と同音になる[6]。
音声