ケープ・カナベラル
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ケープ・カナベラル(Cape Canaveral)は、
アメリカ合衆国フロリダ州砂洲

上記1.の砂洲の南に隣接する小都市

上記1.にあるアメリカ東部宇宙ロケットセンターの通称。ケネディ宇宙センターケープ・カナベラル空軍基地からなる。

この項目では、主に1.と2.について述べる。メリット島とケープ・カナベラルの地図。白がKSC、緑がCASS。

ケープ・カナベラル(Cape Canaveral)は、アメリカ合衆国フロリダ州中央部、ブレバード郡大西洋上に浮かぶ砂洲。アメリカ航空宇宙局(NASA)のケネディ宇宙センター (KSC) と、同センターに隣接するケープ・カナベラル空軍基地 (CASS) で知られる。ケネディ宇宙センターが位置しているメリット島は、バナナ川(Banana River)を隔てて西側に位置する。

また、ケープ・カナベラル灯台(Cape Canaveral lighthouse)や南に隣接するケープ・カナベラル市のクルーズ観光港、カナベラル港(Port Canaveral)もよく知られている。
名称ケープ・カナベラルの衛星写真。1991年8月NASA撮影

ケープ・カナベラルという名称はスペイン人がこの地に入植した際につけられた。砂洲の名である「カナベラル」は、スペイン語を意味するCanaveralに由来している。

1963年から1973年にかけては、ケープ・カナベラルはケープ・ケネディ (Cape Kennedy) と呼ばれていた。アポロ計画を筆頭とした、この時代の宇宙開発を、米国のトップとして選択したのは、時の大統領であったジョン・F・ケネディであった。例えば、その一番印象的な場面のセリフ「We choose to go to the Moon! ... We choose to go to the Moon in this decade and do the other things, not because they are easy, but because they are hard; ...」(「我々は月へ行くことを選択する! ……(略)……、それらが簡単だからではなく、それらが難しいからこそ、そう選択する」)で知られるスピーチなどがある(en:We choose to go to the Moon)。1963年の暗殺により未亡人となったジャクリーン・ケネディが、後任のリンドン・ジョンソンにケープ・カナベラルに位置するNASAの施設に「ケネディ」の名を冠することを提案した。ジョンソンはそれに応え、施設を「ケネディ宇宙センター」に改称し、さらに砂洲の名称そのものも「ケープ・ケネディ」と改めた。

しかし、このケープ・ケネディという名は地元では広まらなかった。1973年フロリダ州議会は400年にわたって使用されてきたケープ・カナベラルという名を復活させる法案を成立させた。ケネディ家はこれに対し、州の決定を理解する旨の手紙を出した。その手紙の中でジャクリーン・ケネディは、「もしこのケープ・カナベラルという名が400年もの間使われてきたものであると知っていたならば、この砂洲の名を変えようという提案はしなかった」と述べている。

こうしてケープ・カナベラルの名は復活したが、宇宙センターには「ケネディ」の名が引き続き使用されている。
ケネディ宇宙センターケネディ宇宙センター詳細は「ケネディ宇宙センター」を参照

ケネディ宇宙センターは、ケープ・カナベラルの西、バナナ川を隔てたメリット島に位置する宇宙ロケットの発射基地である。もともとは1949年ハリー・S・トルーマン大統領が長距離ミサイルのテスト基地として設置したものであった。1950年7月24日に、ケープ・カナベラルから初めてとなるバンパー8(Bumper 8)というロケットが発射された。ソビエト連邦(当時)がスプートニク1号を成功させた後、アメリカ合衆国海軍もそれに続くように軌道衛星ヴァンガードの打ち上げ実験を行ったが失敗した。1959年2月6日に、タイタンロケットを用いた大陸間弾道ミサイルの実験に初めて成功したのもこの宇宙センターである。アメリカ航空宇宙局による有人飛行のためのロケットは、すべてこの宇宙センターから発射されている。

ケープ・カナベラルは、アメリカ合衆国の中では赤道に近く、高緯度の地域に比べ地球の自転速度をロケットの加速に、より利用できる[1]ことから発射地に最適であるとして選ばれた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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