ケヤキ
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青森県青森市の町名については「けやき (青森市)」をご覧ください。

セレモニーホールなどを運営する兵庫県加東市の企業については「けやき (企業)」をご覧ください。

栃木県の指定天然記念物については「智賀都神社#ケヤキ」をご覧ください。

ケヤキ
樹齢約1,000年といわれる野間の大ケヤキ
大阪府豊能郡能勢町
分類APG III

:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 Angiosperms
階級なし:真正双子葉類 Eudicots
階級なし:コア真正双子葉類 Core eudicots
階級なし:バラ類 Rosids
階級なし:真正バラ類I Eurosids I
:バラ目 Rosales
:ニレ科 Ulmaceae
:ケヤキ属 Zelkova
:ケヤキ Z. serrata

学名
Zelkova serrata (Thunb.) Makino (1903)[1]
英名
Japanese zelkova
樹形(3月)葉と枝(4月)樹形(6月)北海道江別市大麻東公園

ケヤキ(欅[2]学名: Zelkova serrata)は、ニレ科ケヤキ属落葉高木。ツキ(槻)ともいう[1]。日本では代表的な広葉樹の一つで、枝ぶりが整った樹形が好まれて植栽や街路樹にも使われる。材は建築材として良材で、寺社建築によく使われる。
名称

和名「ケヤキ」の由来は、「ケヤ」は古語で「すばらしい」という意味があり、「けやしの木」が転訛したものだといわれる[3]中国名は「?樹」[1]
分布

朝鮮半島中国台湾日本に分布し[4]、日本では本州四国九州に分布する[5]。山野に生え[6]丘陵から山地[2]平地まで自生する[7]

自然分布の他に、人の手によって街路や公園、人家のまわりにも植えられたものもよく見られる[4]。日本では特に関東平野に多く見られ、屋敷林に使われることが多い[8]北海道には自然分布はないが、函館や札幌などの都市部で、庭園樹や公園樹として植えられたものもある[9]
形態・生態

落葉広葉樹の高木で[4]、高さ15 - 25メートル (m) になり[7][6]、大きなものでは幹径3 m、高さ30 - 50 mほどの個体もある[8]。開けた場所に生える個体は、枝が扇状に大きく斜めに広がり、独特の美しい樹形になる[10][2]樹皮は灰白色から灰褐色で、若木のうちは滑らかで横長の皮目があるが[2]、老木になるとモザイク状や鱗片状、あるいは大きく反り返って剥がれるなど、剥がれ方は一様ではなく、幹の表面はまだら模様になる[4][6][2]。一年枝は褐色で無毛、ジグザグ状に伸びて皮目がある[2]

花期は4 - 5月ごろ[2]。開花は目立たないが、葉が出る前に本年枝に数個ずつ薄い黄緑色の花が咲く[4][6]雌雄同株で雌雄異花。本年枝の下部に数個ずつ雄花が、上部の葉腋に1 - 3個の雌花がつき[6]、雄花と雌花をつけた短い枝を「着果短枝」という[10]。花後に長枝が伸びて、本葉が出る[10]

互生し、葉身は長さ3 - 10センチメートル (cm) の卵形から卵状披針形で、葉縁にある鋸歯は曲線的に葉先に向かう特徴的な形であり、鋸歯の先端は尖る[6]。葉の正面はざらつく[7]。春の新緑や秋の紅葉(黄葉)が美しい樹木でもある[6][10]。都市部ではあまり鮮やかに紅葉せず黄褐色から褐色になって落葉してしまうが、寒冷地では個体によって色が異なり、黄色・橙色・赤色など色鮮やかに紅葉する[3]。若木や徒長枝の葉は大きく、赤色に紅葉する傾向が強い[3]。紅葉は褐色を帯びるのが比較的早く、落ち葉もすぐに褐色になる[7]

果期は10月[10]果実は長さ約5ミリメートル (mm) の平たい球形をした痩果で、秋に暗褐色に熟す[6]。小枝についた葉が翼となって、果実がついたまま長さ10 - 15 cmの小枝ごと木から離れ、風に乗って遠く運ばれて分布を広げる[3][2]

冬芽は互生し、小さな卵形で暗褐色の8 - 10枚の芽鱗に包まれており、横に副芽を付けることがある[2]。枝先には仮頂芽がつき、側芽は枝に沿わずに開出してつく[2]。冬芽の横には、しばしば副芽がつく[2]。冬芽のわきにある葉痕は半円形で、維管束痕が3個ある[2]

葉の裏と柄に短毛の密生する変種をメゲヤキという。

樹皮



新芽と雄花序

紅葉した梢

紅葉(10月)
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人間との関わり

箒を逆さにしたような樹形が美しく、街路樹や公園樹としてよく親しまれ、防火や防風の目的で庭木などとしてもよく植えられる[4][6]。特に関東地方での利用が多い[4]。巨木が国や地方自治体天然記念物になっていることがある。朝鮮半島では、ケヤキの春の若葉を茹でて食べることもあり、餅にも入れられる[9]

ケヤキの花言葉は、「幸運」[10]「長寿」[10]とされる。
木材ケヤキ無垢板;塗装済み

日本の材としては、ジャパニーズ・ウイスキーの樽に使われることで有名なミズナラとともに、導管を塞ぐ「チロース」と呼ばれる物質が発達しており、水を通さない。そのため、材は狂いが少なく湿気に強いのが特徴で、幅広い用途に使われる[4]。木目が美しく、磨くと著しい光沢を生じる。堅くて摩耗に強いので、家具建具等の指物に使われる。日本家屋建築用材としても古くから多用され、神社仏閣などにも用いられた。ケヤキ材からは仏像も作られる[10]。現在は高価となり、なかなか庶民の住宅には使えなくなっている。

寺社建築に盛んに使われるようになったのは、縦引き鋸が使われ出した室町時代以降のことである[10]ヒノキスギは縦に割って使うことができたが、ケヤキの材はかたく、割るのは困難であったためである[10]。材の強度は、ヒノキとは反対に伐採後から次第に低下していくといわれ、薬師寺東塔に使われたケヤキ材は1200年を経過していて、破断状態にあったという[10]。広葉樹、特にケヤキは道管が環状に並んで年輪がはっきりと見える板となり、年輪幅が広い方がかたくて、重い良材となる[10]

チロースが発達しているので、伐採後も長い間導管内に水分が閉じ込められたままになる。そのため、伐採してから、乾燥し枯れるまでの間、右に左にと、大きく反っていくので、何年も寝かせないと使えない。特に大黒柱に大木を使った場合、家を動かすほど反ることがあるので大工泣かせの木材である。また、中心部の赤身といわれる部分が主に使われ、周囲の白太は捨てられるので、よほど太い原木でないと立派な柱は取れない。

1940年、戦時色の強まった日本では、用材生産統制規則により特定の樹種について用途指定を実施。ケヤキ材の使用用途については軍需、内地使用の船舶、車両用に限られることとなった[11]
シンボル

多くの自治体が、「県の木」「市の木」といったシンボルにケヤキを指定している。

ケヤキをシンボルに指定している都道府県

宮城県

福島県

埼玉県


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